◆7/6 土 朝刊 朝日新聞海自トップ、引責辞任へ 違法運用、常態化 特定秘密英保守党、歴史的大敗 14年ぶり政権交代 総選挙川重問題、特別防衛監察へ 防衛相「調査強化」 裏金接待疑惑夏が来た、能登に来た 「あばれ祭」折々のことば:3137 鷲田清一人間は……諸対象について判断するのに、その内在的な価値からではなく、比較によって行なうのが常である。 (デイヴィッド・ヒューム)
(天声人語)海自接待疑惑 潜水艦は「鉄のクジラ」と呼ばれる。乗組員たちは「クジラ乗り」である。水中では、誰か1人の小さなミスでも、全員が命を失いかねない。一蓮托生(いちれんたくしょう)、「乗組員は家族」と言われるほど、濃密な人間関係にあるそうだ▼▼▼▼▼実際に、潜水艦の隊員は海自全体の数%に過ぎない。希望して、選ばれて、特殊な任務に就くエリートたちである。それがどうしたことか。クジラ乗りの矜恃(きょうじ)はどこにいったか。
◆7/6 be 土 朝刊 朝日新聞(フロントランナー)一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事・石山アンジュさん
◆7/6 土 夕刊 朝日新聞
挑む、遠泳サポートの町 津軽海峡、世界が目指す難関 青森・中泊町(Photo Story)手でみる絵素粒子 〈「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日〉。昨今では「いいね!の元祖の歌」とも呼ばれるそうだ。 ◇ 大統領も中学生も「●(●はハートマーク)(いいね)」の数を他人とくらべ、自分の価値を測る現代。だからこそ。「たった一つの『いいね』で幸せになれるという歌」だと俵万智さん。 ◇ 各地の選挙も最終盤。自分だけの「いいね」を託しに。その前に豊作のレタスで一皿。小暑(しょうしょ)。
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◆7/5 金 朝刊 朝日新聞川重、20年前から裏金か 架空取引6ルート 海自接待疑惑事業主に「権利なし」 労災認定に不服申し立て 最高裁判決史上最高値 東証4万913円 TOPIX、35年ぶり命守るため 熊本豪雨4年国、沖縄県と共有へ 米兵の性暴力折々のことば:3136 鷲田清一 私たちは、豊かさの中から稀少性(きしょうせい)に満ちた社会を創り出してきたのである。 (ニコラス・クセノス)
(天声人語)中国人の名前の読み方 世界中で、日本の人だけが理解できないジョークだね――。もう20年以上も昔の話だが、知り合いの米国人記者に言われたことがある。中国の国家主席になる間際の胡錦濤氏についての言葉遊びに、多くの日本人が首を傾(かし)げたからだった▼▼▼▼▼ときには、その人、その名前に敬意を表し、現地読みもぜひ伝えたいと思うことがある。蘇州の日本人学校の送迎バスが、刃物を持った男に襲われた。子どもらを守ろうとした中国人が刺され、亡くなった。彼女の名は、胡友平さん。中国語の読みは「フー・ヨウピン」である。
◆7/5 金 夕刊 朝日新聞 英国、14年ぶり政権交代へ 労働党大勝・スターマー氏、首相に 総選挙、BBCなど調査東証一時4万1100円台、最高値更新イスラエル、交渉へ代表団派遣決定各地で猛暑日、熱中症警戒アラート素粒子 銀座のステーキ店、都内某所の中華店。連夜の会食報道に胸やけする。日本の針路を示すと言わんばかりの仰々しさにも。 ◇ 非主流派だ、小石河連合だと言っても、全員同じ穴出身のムジナたち。「刷新感」主張する人は、3年前に刷新された人。 ◇ 政治は夜動く? ぼろが出ぬよう露出控え? 残酷なライトの下、能力も品性もさらされる米国が、うらやましくも見え。
◆7/3 水 朝刊 朝日新聞情報、新たに大量流出か KADOKAWA、サイバー攻撃被害戦後統治「ハマス関与を」 PLOへの加入前提に パレスチナ自治政府首相、会見渋沢さん、津田さん、北里さん出番です 新紙幣きょう発行折々のことば:3134 鷲田清一この社会には、「自分は差別されていない」と思い込まされて苦しみを抱えたままの人がきっとたくさんいるのだと思う (上川多実)
(天声人語)新紙幣の手触りはブルース音楽って、いいな。そう思ったきっかけは、私の場合、レイ・チャールズだった。20世紀にソウル界の大スターとして知られた全盲の米国人歌手である。故郷への思いを切々と歌った代表作「我が心のジョージア」は日本でも有名だろう▼▼▼▼▼きょうから、新しいデザインのお札が20年ぶりに発行される。識別マークの手触りが、より分かりやすく改良されているというが、どうだろう。渋沢翁の顔もいいけれど、新紙幣を手にしたら、まずはしっかり、触ってみたい。
◆7/3 水 夕刊 朝日新聞発行・祝福・惜別 新紙幣3種、20年ぶり年金見通し、給付水準やや改善トランプ氏の量刑、言い渡し延期インド宗教儀式で転倒、116人死亡素粒子 スーパーの買い出しで「諭吉」が飛ぶ時代。万札の威光も薄れるわけだ。止まらぬ円安。栄一さんは「62ドル札」ですか。 ◇ スマホでピッの時代。新紙幣にお目にかかるのはいつになるやら。「たんす預金」あぶり出すなら、裏金議員からどうぞ。 ◇ 津田梅子の墓に詣でると結婚できない。そんな「風説」に辟易(へきえき)した世代の筆者。新5千円札は、早く手にして眺めたいな。
◆7/1 月 朝刊 朝日新聞能登、再建へ踏み出す 仮設7割完成、公費解体は進まず 地震発生半年科研費、倍増求め署名活動 主要学会、共同で 資金不足が常態化(沈黙する「自由都市」 香港市民はいま:上)香港当局の「検査」、屈しない独立書店折々のことば:3132 鷲田清一変わるために闘わねばならないのは、常に多数派(マジョリティ)の側であるべきです。 (橋本ロマンス)
(天声人語)能登半島地震を詠む地割れせし中に傾く納屋の壁余震のたびに隙間の開く〉。元日に地震が起きたとき、石川県羽咋市の三宅久子さん(69)は夫、娘と自宅にいた。2度目の激しい揺れは長く、納屋が半壊した。▼▼▼傾いた納屋は解体が決まった。畑にはいま、夏野菜の葉が茂る。能登の優しい土で育ったキュウリをかじると、大きな音がした。
◆7/1 月夕刊 朝日新聞(with NOTO)変わった輪島、変わらぬ思い 29年前、是枝監督の長編映画デビュー舞台に日銀短観、大企業・非製造業が悪化路線価、16年ぶり2%超の上昇北朝鮮、北東へ弾道ミサイル2発素粒子 紅麹(こうじ)サプリ、死亡疑い76人増に息をのむ。機能性食品、官民ファンド。死去2年。正体あらわす安倍政治の「レガシー」。 ◇ その小林製薬が出展予定だった万博。爆発事故、ヒアリ発生。「いのち輝く未来社会」で輝かせたいのは、だれの命か。 ◇ 首相在職1000日超え。「歴代8位」とか。この人は何を遺(のこ)したいのか。もしや長さ? 能登のいま見て、何を語るか。
◆6/30 日 朝刊 朝日新聞自衛隊70年、加速する「日米一体」 中国念頭、「列島線防衛」訓練に初参加(宮沢喜一日録 戦後政治の軌跡)バブル後、抵抗された緊急対応策 「市場不安」92年改革派が首位、決選投票へ イラン大統領選、保守強硬派と掲げる、願う 「あばれ祭」準備折々のことば:3131 鷲田清一常に未来から呼びかけられているものとして、当事者になるというプロセスがある。 (新城郁夫)(天声人語)フェミサイドという視点 元交際相手の女性を路上で刺殺。ストーカー行為の末に女性を殺害。元妻の居場所を突き止めて刺した――。新聞の報道を追うだけでも、女性を標的とした殺人や殺人未遂の事件は後を絶たない。世界的に女性の犠牲者は増える傾向だと知り、さらに心が沈んだ▼▼▼▼▼今年も日本は、男女格差を示す指数で118位とG7最低だった。偏見の芽が、社会のあちこちにはびこっていないだろうか。それが痛ましい事件の土壌になっていないだろうか。
◆6/29 土 朝刊 朝日新聞紅麹サプリ、死亡疑い76人増 小林製薬、関連を調査中 国に催促され報告(アメリカ大統領選2024)バイデン氏、高齢不安あらわ テレビ討論会、民主に打撃米兵の性的暴行、5月にも 沖縄、起訴後も公表なし折々のことば:3130 鷲田清一 沖縄の運動とか思想のいいところは、逃亡を許す……変な言い方ですけど、逃亡者が集まっている感じがするんですね。 (新城郁夫)
(天声人語)バイデンVSトランプ 米大統領選のテレビ討論は、じつに恐ろしい。1960年。副大統領だったニクソン氏が、年下のケネディ氏を前に汗をぬぐう。その様子がカメラに映され、イメージ戦略で敗れたのは有名だ。27日の討論会も、そうしたケースの一つとして語られることになるのだろうか▼▼▼▼討論会で「史上最悪の大統領」と互いにののしりあった2人のどちらに、米国民は最後の軍配をあげるのか。顔ぶれにもう一波乱あるのかどうか。気をもみながら見守る。 ◆6/29 土 be 朝刊 朝日新聞
(フロントランナー)恐竜学者・河部壮一郎さん デジタル機器で生態を明らかに
◆6/29 土 夕刊 朝日新聞能登、私が伝える 被災の美大生、気持ちの浮き沈みをイラストで発信 「次、どこかで誰かの役に」(Photo Story)ダムに沈む地、最後の民家素粒子 新紙幣発行を前に、思いたって東京・和田堀の樋口一葉の墓に詣で、残された日記を読む。 ◎ 人が情熱を注いで行動しようとする時、男も女も何の違いがあるか。笑う者は笑え、そしる者はそしれ――。女性を抑圧する社会への怒りが強い筆致で。 ◎ バトンは女性の自立をめざして教育に力を尽くした津田梅子へ。「何の違いがあるか」。118位の国で声を発し続ける。
◆6/28 金 朝刊 朝日新聞定年延長「黒川氏のため」 安倍政権の検事長人事 国の不開示決定、取り消し 大阪地裁判決石破氏、総裁選立候補へ 世論調査で高い支持踏み間違い防止、車載を義務化へ 来年6月にも 国交省検討(検証 能登半島地震)初期の避難所は折々のことば:3129 鷲田清一子どもたちの前では先生スイッチが入って泣かないんです。 (遠藤若葉)
(天声人語)スーパーカブの雄姿幼い頃、「きょうは出前にしよう」と母が宣言すると、家の中は沸きたった。黒電話のダイヤルを回して近所のそば屋に注文を告げたら、耳をすませて待つ。近づいてくるエンジンの音に胸を高鳴らせたものだ▼▼▼▼そ▼きのう街で見かけたカブは、かなり乗りこなされたのだろう。マフラーがさび、塗装ははげ、老兵のおもむきだった。汗を流して働く人たちにとって、あんなに頼もしい相棒はいなかった。
◆6/2 8 木 夕刊 朝日新聞(アメリカ大統領選2024)続投か復権か、直接対決 バイデン氏・トランプ氏 TV討論会円安進み、一時161円台前半5月求人倍率1.24倍、2カ月連続低下検事総長に畝本直美氏、女性初素粒子 安倍政権が検察人事を思いのままにしようと画策し、強い批判を浴びたのは4年前だった。 ◎ 内閣法制局を「屈服」させたのと同じ手法。抑制と均衡という民主主義の基本を踏みにじる行いで、検察も深い傷を負った。 ◎ 問題相次ぐなか女性が初の検事総長に。あの時、世論は検察の独立を支持し、政治の暴走を止めた。今後もそうであるかは検察の働き次第。独善に陥らずに。
◆6/27 木 朝刊 朝日新聞防災部局の女性1割 「ゼロ」市区町村は57% 内閣府調査「恵」事業者指定取り消し 障害者グループホーム100カ所に連座制高まる節約志向、エアコン「我慢」 高齢者ほど熱中症リスク日英は「かけがえのない友人」 陛下、晩餐会でスピーチ折々のことば:3128 鷲田清一凡庸な絵かきというものは……辻褄(つじつま)を合わせることだけに気を取られていて、辻褄を合わせようとして嘘(うそ)をつく。 (洲之内徹)
(天声人語)松本サリン事件30年 ガス中毒の死傷者がいる。急報をうけて住宅地に駆けつけると、側溝で魚が死んでいる奇妙な光景に出くわした。「これは……」。1994年、その年の春に入社して長野へ配属された同僚の記憶である。オウム真理教による松本サリン事件から、きょうで30年となる▼▼▼▼▼河野さんが著書『命あるかぎり』に、こう書いている。「事件の教訓は、マスコミ総体としてはなんら活(い)かされていない。一つの反省が、次の世代に伝わっていかない」。メディアの一端を担う者としてかみしめたい。だから書く。忘れぬように、伝わるように。
◆6/27 木 夕刊 朝日新聞能登、白球追い続ける 珠洲・穴水の高校球児円一時160円80銭台、38年ぶり水準南米ボリビアでクーデター未遂素粒子 減税で支持率上げて今頃は総選挙のはずだったのに、ご機嫌取りの会食に日々追われるなんて。「旧」岸田派会長の憂鬱(ゆううつ)。 ◎ 第2自民党の存在感を高めたはずだったのに、弁明に日々追われるなんて。得意とする政府案のなんちゃって修正の蹉跌(さてつ)。 ◎ 元首相肝いりの事業で脚光のはずだったのに、巨額の損失処理に追われるなんて。隠蔽(いんぺい)まで疑われる官民ファンドの迷走。
◆6/25 火 朝刊 朝日新聞オウム浮上、事件22日後 松本サリン、本格捜査至らず 警察庁内部文書に記載副作用確認後も投与試験 開発中の薬、療養所で ハンセン病、報告書公表三菱UFJ銀、改善命令 親会社に報告命令 顧客情報共有折々のことば:3126 鷲田清一「弾圧者は容赦なく統制すればするほど、世論がわからなくなるものです」 (エーリヒ・ケストナー)
(天声人語)都知事選のポスター騒動 制度の穴をついて選挙をもてあそぶ。1953年の参院選での話だ。ある候補は、政策そっちのけで稼業の菓子屋を売り込んだ。選挙公報ではまんじゅうを宣伝し、「党は党でも甘党です」と政見放送でやったそうだ▼▼▼▼選挙運動はなるべく自由であった方がいい。しかし、制度そのものを嘲(あざ)笑うかのような行為を野放しにしては、選挙への信頼が揺らいでしまう。何か手当てが必要だろう▼政見放送で商品を宣伝することが禁じられたのは、菓子屋の件があった16年後。そんなに悠長ではいられない。不心得者が続出する。
◆6/25 火 夕刊 朝日新聞ソニーなど、米AI企業を提訴学校バス襲撃、警備強化申し入れ 中国・江蘇省人身売買報告書、日本「第2階層」素粒子 戦前にハンセン病を患い、東京・多摩の療養所で亡くなった作家北條民雄は書いた。〈粗い壁。/壁に鼻ぶちつけて/深夜――/虻(あぶ)が羽ばたいてゐる。〉 ◎ 人間としての尊厳を奪われ、自由を求めてもがく自画像だろうか。菊池恵楓園の報告書は、この国がおかしてきた罪の深さを改めて私たちに突きつける。 ◎ らい予防法の廃止から28年。「壁」はかたちを変えて今も。