《 大竹涼華 只見線応援ソング「大切な場所があるレールウェイ」 》
只見町出身のシンガーソングライター大竹涼華(おおたけりょうか) さんが、作詞作曲した只見線応援ソングです。 大竹さんは、高校生時代、只見線に乗ってライブハウスに通っており、只見線が大竹さんにとっての夢や希望を繋ぐ大切な存在となっていました。 この歌には、そんな大竹さんの只見線を思う気持ち、故郷を思う気持ちが込められており、只見線と大竹さん自身とを重ねて、大きな夢を抱えていこう、という思いが込められています。
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《 六角精児バンド「只見線のうた」 》
ドラマ相棒の鑑識役などでお馴染み、俳優の「六角 精児」さんは、ご存知の方も多いかもしれませんが筋金入りの鉄道マニアです。休みの日にはお1人で全国のローカル線を乗り歩いているそうです。
また、”六角精児バンド”で音楽活動をされているのですが、2016年と2017年に只見町でライブを開催し、「只見線のうた」を発表するなど只見線を応援してくれています。
” 頑張れ我らの未来をのせて走れ只見線 あぁ奥会津のライフライン その名も只見線 ”
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《 JR只見線はこんなローカル線 》
・福島県会津若松市の会津若松駅と、新潟県魚沼市の小出駅を結ぶ135.2㎞の路線 ・36駅 ・全線非電化 ・全線単線 ・最高速度65㎞
《 只見線の歴史 》
簡単な歴史をご紹介。1926年(大正15年)会津線として会津若松と会津坂下間が開業・1928年(昭和 3年)会津坂下から会津柳津まで延伸・1941年(昭和16年)会津柳津から会津宮下まで延伸・1942年(昭和17年)只見線として小出と大白川間が開業・1956年(昭和31年)会津宮下から会津川口まで延伸・1963年(昭和38年)会津川口から只見まで延伸・1971年(昭和46年)大白川から只見まで延伸し、只見線が全線開通しました。
起点の会津若松駅
1956年(昭和31年)開業の会津川口駅
1963年(昭和38年)開業の只見駅
《 2011年7月 新潟・福島豪雨災害 》
東日本大震災の年です。2011年(平成23年)7月30日に新潟県と福島県を豪雨が襲いました。この新潟・福島豪雨災害により、なんと、只見川第5橋梁、第6橋梁、第7橋梁の3本が倒壊・流出してしまいました。また、会津坂本と会津柳津間で路盤が流出し、会津坂下と小出間が不通となりました。これ以降の復旧は以下のように進みました。
■2011年(平成23年)
・ 8月 7日 会津坂下と会津宮下間が復旧 ・ 8月11日 大白川と小出間が復旧 ・12月 3日 会津宮下と会津川口間が復旧(会津若松駅と会津川口駅間が開通しました)
■2012年(平成24年)
・ 6月 7日 只見と大白川間の復旧工事に着手し、冬前の復旧を見込みます。 ・10月 1日 只見と大白川間が復旧。不通区間は会津川口と只見の間となりました(只見駅と小出駅間が開通しました)。
《 倒壊・流出した橋梁の様子です 》
第5只見川橋梁(2013年8月25日)
第6只見川橋梁(2013年8月25日)
第7只見川橋梁(2011年7月31日)
《 不通区間の駅の様子です 》
待合室は封鎖され草も伸び放題ですが、地域住民の方々がせめてもと駅の周りの清掃や草刈りをしてくれている駅もあります。
会津横田駅(2013年8月25日)
会津大塩駅(2013年8月25日)
会津蒲生駅(2013年8月25日)
会津川口駅と只見駅間が不通になった只見線。JRはローカル線が一旦不通になると、売上などの面から復旧はせずに代行バスのまま、ということが多いようですが、福島県や沿線の自治体、そして沿線のみなさんが立ち上がります。様々な団体や組織を作り、只見線継続の運動・活動を行いました。
《 只見線応援団 》
福島県はまず只見線復旧を目指すメインとなる組織「 只見線応援団 」を作ります。
JRへの働きかけ、沿線の意志の取りまとめ、復旧に向けた観光客の誘客活動、応援団員の募集など、不通のまま忘れ去られないように様々な活動を行いました。
寄付金の募集もしていますが、お名前の登録だけでも応援団員(賛同会員)になることができ、会員証の発行のほか、会員証を提示すると沿線のお店などで割引が適用されます。
下の写真は、物産展に出店した只見線応援団ブースの様子です。
《 只見線応援動画 》
この活動の中で、福島県いわき市出身のダンサー「Ry☆(りょう)」さんが、只見線をバックに初音ミクのだんだん早くなるに合わせて踊る動画作成というのもありました。Ry☆さんは、ニコニコ動画などでとても人気があるダンサーで、ツイッターのフォロワー数はなんと8万人超え!このRy☆さんが沿線の方々と一緒に楽しく踊っている動画で、YouTubeでは6万回以上、ニコニコ動画では2万回以上というすごい再生数です。
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ロケの様子を取材したメイキング動画です。
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沿線の復旧へ向けた活動や取り組みが行われるなか、当のJR東日本の態度はなかなか決まらず、はっきりした回答のないまま4年という月日が流れました。JR東日本の試算によると、復旧費用は81億円とあまりに大きい金額。JR東日本はこのうちの3分の2にあたる54億円の負担を福島県に求めてきました。
この大きな負担について県と沿線自治体は協議を繰り返し、2016年12月ついに負担することで合意しました(左の写真はその時のマイナビニュース PDF 0.43MB)。そして、復旧後の運営についても、上下分離方式という方法が取られることになりました。上下分離方式とは、列車の運行はJRが行い、鉄道施設の管理は県や沿線市町村が行うというもの。年間の費用負担は、JR東日本が7,100万円、県や沿線自治体の負担は年間2億1,000万円になる見込みです。
この巨額の復旧費用、復旧後の大きな運営費については現在でも賛否両論があり、過疎化が進む沿線にとって簡単な負担額ではありません。しかし、福島県も沿線自治体も、観光のシンボルとして只見線の存続を望み、全線鉄路での復旧という道を選びました。JR北海道などで進むローカル線の廃線という流れに一石を投じるものになるかもしれません。
そして、2017年6月19日、JR東日本と福島県・沿線自治体は、上下分離方式による全線復旧に向けて正式に合意しました(右の写真はその時のマイナビニュース PDF 0.5MB)。復旧期間は3年程度と見込まれていますので、2021年頃には会津若松駅と新潟県小出駅の間が再び1本の線路でつながることになります。
被災前の会津川口駅と只見駅間の平均通過人数は1日当たり49人、年間の運賃収入は500万円、赤字経営になるのはみえています。これをなんとかするには、県や沿線自治体をはじめ、沿線のみなさんの誘客に向けた活動にかかっているとも言えます。
全線復活した只見線に多くのお客様が乗っているのを願うばかりです。
《 復旧工事の様子 》
■第5橋りょう
■第6橋りょう
■第7橋りょう
《 復旧工事完了時期の延期 》
2020年8月26日にJR東日本から発表がありました。
2021年度の全線復旧を予定していましたが、第6橋りょうの地質条件が想定よりも悪いことが判明したため、工法の再検討が必要になり、復旧工事の完了・運転再開は2022年度になるそうです。
全線復旧が1年先になったのは残念ですが、安心安全のためですので、今しばらく見守っていきましょう。
画像をクリックするとJR東日本発表のプレスリリースが拡大します(PDF 1.0MB)
只見線の魅力はなんといってもその美し過ぎる景観です。この景観を求めて、全国から撮り鉄のみならず、国内外から多くのみなさんが集まります。各種ランキングにおいて、
・平成15年(2003年) 日経プラスワン何でもランキング 雪景色のきれいなローカル線 第3位
・平成20年(2008年) 日経プラスワン何でもランキング 紅葉が美しい鉄道路線 第1位
・平成26年(2014年) 楽天トラベル 旅行好きが選ぶおすすめローカル列車ランキング 5位
・平成28年(2016年) 日経プラスワン何でもランキング 鉄道橋ランキング 只見川第一橋梁 第3位
・平成28年(2016年) 鉄道コム×旅と鉄道共同企画 好きなJRローカル線ランキング 第1位
という華やかな受賞歴を誇ります。
平成28年のランキングに鉄道橋ランキングというのがありますが、只見線はなんといっても、列車と橋りょうと只見川と山々が作る絶景が見どころです。下の写真は、すっかり全国的に知られていると思いますが、三島町にかかる只見川第1橋りょうです。
■ 第1橋りょう
第1橋梁は、国道252号沿いの道の駅みしまから遊歩道(というか登山道)が整備されています。山を10分ほど登ると”お立ち台”と呼ばれる鉄塔の下のスペースに出ます。SLが走る日などは、100人を超える撮り鉄のみなさんが集まり、すごいことになります。
只見線には、第1橋梁以外にも素晴らしい写真スポットが点在し、その美しい光景をものにしようと全国から鉄道ファンが集まります。第2橋梁、第3橋梁、第4橋梁、めがね橋、各集落の光景などなど、すごいカメラがなくてもスマホでも素敵な写真が撮れますので、みなさんもぜひ足を運んでください。
柳津町
めがね橋
第2橋りょう
大志集落
会津中川駅近く
第3橋りょう
第4橋りょう
かねやまふれあい広場
早戸駅
これらの写真は、奥会津の郷土写真家「星 賢孝」さん が撮影したものです。星さんは長年只見線の写真を撮り、地元ならではの一般のみなさんとは少し違うアングルで撮るなど、只見線カメラマンの第一人者です。只見線や奥会津の風景を撮る写真家集団「写好景嶺(しゃすけね)」 のメンバーです。
■ 会津若松 - 会津川口
会津若松駅から会津川口駅までは約2時間かけてのんびり走ります。
・駅の数は21(会津若松駅と会津川口駅を含む)
・会津若松駅と会津川口駅間の運賃は1,170円
会津若松 あいづわかまつ
七日町 なぬかまち
西若松 にしわかまつ
会津本郷 あいづほんごう
会津高田 あいづたかだ
根岸 ねぎし
新鶴 にいつる
若宮 わかみや
会津坂下 あいづばんげ
塔寺 とうでら
会津坂本 あいづさかもと
会津柳津 あいづやないづ
郷戸 ごうど
滝谷 たきや
会津桧原 あいづひのはら
会津西方 あいづにしかた
会津宮下 あいづみやした
早戸 はやと
会津水沼 あいづみずぬま
会津中川 あいづなかがわ
会津川口 あいづかわぐち
《 会津川口 - 只見 》
会津川口駅と只見駅の間は代行バスが運行され、所要時間は約50分です。
・駅の数は8(会津川口駅と只見駅を含む)
・会津川口駅と只見駅間の運賃は510円
会津川口 あいづかわぐち
本名 ほんな
会津越川 あいづこすがわ
会津横田 あいづよこた
会津大塩 あいづおおしお
会津塩沢 あいづしおざわ
会津蒲生 あいづがもう
只見 ただみ
《 只見 - 小出 》
只見駅と小出駅の間は約1時間15分。
・駅の数は9(只見駅と小出駅を含む)
・只見駅と小出駅間の運賃は990円
只見 ただみ
大白川 おおしらかわ
入広瀬 いりひろせ
上条 かみじょう
越後須原 えちごすはら
魚沼田中 うおぬまたなか
越後広瀬 えちごひろせ
藪神 やぶかみ
小出 こいで
只見線は、車窓からの景色も大きな楽しみのひとつ!駅弁にお酒、沿線のおつまみなど、列車旅を楽しみながら、流れる景色を存分に味わってください!
会津川口駅
SL只見線紅葉号の車内
風っこ只見線紅葉号の車窓
第1橋りょう
第2橋りょう
運転室
会津宮下駅
滝谷川橋りょう
会津宮下駅で列車交換
2020年3月のダイヤ改正で、只見線の列車は昭和の香りがプンプンするキハ40系から、新しいキハE120形という車両に置き換えられました。そのため、これまでとは一味違う景観が楽しめます。
撮る、乗る、観る、JR只見線には魅力がいっぱいです!
春夏秋冬、それぞれの季節で、それぞれに違った美しい表情を見せてくれます。
鉄道ファンじゃないみなさんも一度はぜひ只見線に!
■「探検 只見線がつなぐまち」は、2018年に発行された小学校高学年向けの小冊子です。只見線に乗車して沿線の歴史や文化を学ぶ際に使ってもらうことを前提としています。小学生向けとはいえ、只見線はもちろんのこと、沿線のことを詳しく紹介していますのでぜひご覧になってください。
※画像クリックで全ページ(1冊、全24ページ)ダウンロードできます(PDF 6.8MB)
■「只見線ガイドブック2020」では、無人駅も含めて、その駅のぜひ行ってもらいたいおすすめスポットやグルメ情報が紹介されていますので、駅などで見かけたら、保存版として手に入れてください。
※画像をクリックするとデジタルブックが開きます