AN 1/16 月 朝刊
空き家増加、立ち往生 長期無人349万戸、売れず相続されず
ウクライナ全土攻撃 集合住宅、20人超死亡 ロシア軍
高速道、2115年まで有料 老朽対策費確保、無料開放どこへ
噴火1年、傷癒えぬ楽園 トンガ
折々のことば:2617 鷲田清一「おれのしてきた仕事はすげーぞ!」(ヤマさん)
(天声人語)そろり始動の百人一首
自粛とリモートが続いた日々から、リアルな部活動や学校イベントが再開し始めた。〈文化祭初の対面ミュージカル拍手はこんなに嬉(うれ)しかったか〉高3野畑琴音。毎年この時期に、東洋大学から「現代学生百人一首」が届く。コロナ第8波のなか、かつての日常が戻って欲しいと切に願う▼▼▼▼▼〈十一年経っても私は帰りたい私の故郷いわきの町へ〉高1渡辺恵美里。もうすぐ、12年になる。
1/16 月 夕刊
前と後ろは違う顔つき、復旧の象徴 阪神電車で唯一、大震災きっかけ
12月の企業物価指数、10.2%上昇
アルツハイマー新薬、国内承認申請
ウクライナ集合住宅攻撃、死者30人
素粒子
安保3文書を携えての欧米歴訪から首相帰国。対中牽制(けんせい)、認識一致、連携確認、訓練円滑、協力深化、統合抑止、破格?厚遇、自画自賛の1週間。
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説明責任、疑問解消、国民理解は置き去られ。「敵」の意図をどう見極め、「反撃」への反撃にどう対処する。基地周辺住民は。原発は。財源は。
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来週召集の通常国会を「自由で開かれた」論戦の場に。
1/17 火 朝刊
高齢化、細るNPO法人 阪神・淡路大震災、きょう28年
GX推進法案、5本柱 移行債や炭素課金導入 概要判明
折々のことば:2618 鷲田清一
賢(かしこ)かねえ。じゃばってん、人間や、バカ力(ぢから)ん出ることもあっとぞ。向かい風ん強かけんが、強くなることもあっとさ。 (祥子〈しょうこ〉)
(天声人語)災害と女性の28年
阪神・淡路大震災から、きょうで28年となる。亡くなった6434人で、女性が男性より約千人多かったことをご存じだろうか。子育てを終え、親の介護や看取(みと)りをし、夫に先立たれた高齢女性が多く犠牲になった▼▼▼▼弱者へのしわ寄せは非常時に増す。だからこそ平時から平等、多様な社会でありたい。私たちは、どれだけ進歩しただろう。
1/17 火 夕刊
継ぐ、生かす 阪神大震災28年 各地で追悼行事
中国の人口、61年ぶり減少
「スクールランチ」で談合の疑い
国連総長、ウクライナ集合住宅への攻撃非難
素粒子
1・17。連休が明け、人々の営みがいつも通り始まろうとしていた朝、大地が揺れた。
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神戸の地で被災者に寄り添い、心のケアに力を尽くした中井久夫さん、昨夏に逝く。
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28年前、同じ精神科医で作家の加賀乙彦さんの連絡に、花をたくさん持って訪ねてほしいと頼んだ。暖房の絶えた病棟をかわりに温めた花。非常時ゆえに知る日常の尊さ。
1/18 水 朝刊
中国、人口減 61年ぶり、急速に少子化進む 経済減速に拍車
使命を受け継いで 阪神・淡路大震災から28年
仮想空間でも知財保護 政府が改正法案、模倣品販売など規制 氏名も商標登録可能に
折々のことば:2619 鷲田清一
これらはすべて誰かが時間をかけ、こだわって、頭を抱えて、作り出されたものです。 (清水依与吏〈いより〉)
(天声人語)振り袖火事の伝説
江戸時代の数ある大火事のなかでも、恐らく最も知られているのは「振り袖火事」の俗称を持つ明暦の大火だろう。1657(明暦3)年の旧暦1月18日から20日まで、三つの大規模な火災が続いて10万人以上が亡くなったともいわれる▼失恋した若い娘の棺(ひつぎ)にかけられた振り袖を寺の僧が転売したら、それを着た女性が次々に亡くなった。恐れた僧が境内で振り袖を燃やすと空へ舞い上がり、江戸中を焼き尽くした――。だが、大火を詳細に検証した岩本馨・京大院准教授の『明暦の大火』によると、この物語は後の創作だったようだ▼▼▼▼豊富な語彙(ごい)は、長く火事に苦しんできた表れだろう。自宅から火が出る「自火(じか)」が、実は「粗相火(そそうび)」だったとならないように気をつけたい。
1/18水 夕刊
鬼ごっこ×野球=外で遊ぼう! 「野球の普及以前に社会課題」 早大野球部OB会が開発
日銀、金融緩和の枠組みは維持
ウクライナ軍トップ、米側と会談
立憲・維新、党首が国会「共闘」確認
素粒子
きのう小欄で触れた中井久夫さんは専門知を踏まえた多彩なエッセーでも知られる。
〈人間が求めるものは「平和」よりも「安全保障感」である〉〈「安全の脅威」ほど平和を掘り崩すキャンペーンに使われやすいものはない〉
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隣国の動きは確かに脅威で備えは必要だ。だが今回の政策転換は真の安全につながるのか。心理に通じ、真理に迫った碩学(せきがく)の言をかみしめる。