2/13 月 夕刊
「村民」今は3人、次の100年願う 存続めざし寄付・アイデア募る 武者小路実篤の「新しき村」
トルコ・シリア、死者3.3万人超す 大地震
米軍、9日で4件の飛行物体撃墜
中国当局「飛行物体の撃墜準備」
素粒子
五輪疑惑を受けて国が今後の大会運営の指針案を公表。今さら、の感は拭いがたく。
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組織委新年会での当時の森喜朗会長のあいさつが五輪公式記録映画に残る。〈真剣にやれば知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減にやると言い訳ばかりになる〉
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いま関係者から聞こえるのは、遺憾、まさか、知らなかった――。愚痴と言い訳の山。
2/14 火 朝刊
トルコ・シリア、死者3.5万人超 地震1週間
米、3日連続で物体撃墜 中国「米から気球、10回余り」
対話型AI、開発競争激化 検索エンジン「グーグル1強」に対抗
折々のことば:2645 鷲田清一
「私……薬物がなかったらとっくに死んでいたと思う」
(ある薬物依存症の患者)
(天声人語)チョコのラベルをはがしたら
輸入品のワインや食材の裏側に貼られた日本語のラベルを見ると、無性にはがしたくなる。原産国や材料、輸入者などを表示したその下に「お宝」が隠れていることがあるのだ。生産者のこだわりが書かれた、もとのラベルである▼▼▼▼▼シングルオリジンでも公正な取引を経たとは限らない。ただ、消費者の意識が「知ること」で変わるなら、大事な情報がラベルで覆われるのはもったいない。
2/14 火 夕刊
植田日銀総裁案、政府が提示
MIZUNUMA、Jリーグ30年とともに 開幕戦、同じピッチに立ち思う 父・貴史さん、子・宏太選手
GDP、2四半期ぶりプラス成長
国連、シリアへ「越境支援」拡大へ
中国上空に気球、米改めて否定
素粒子 「内外の市場関係者に対する質の高い発信力と受信力が格段に重要」。次の日銀総裁について首相が先日そう述べるのを聞き、ひとり得心した。
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混乱招いた金融緩和の唐突な修正と総裁会見に、疑問しきりの年末の記憶も新しく。
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新体制案を政府が正式に提示。「異次元」からどう抜け出し、国民への説明責任を果たすか。目が離せぬ国会質疑に。
2/15 水 朝刊
植田総裁案、国際性を重視 日銀後継、政府が提示
(日銀新総裁へ)極秘裏に首相が接触
豊田章一郎さん死去 トヨタ元社長、世界進出の礎
GDP、2期ぶりプラス 物価高、伸び鈍る 10~12月、年率0.6%
折々のことば:2646 鷲田清一
落ち着いている大人は、かっこいい。
わたしが思う落ち着いた大人とは人の話を最後まで聞ける人である。
(益田ミリ)
(天声人語)こわごわシーレをみる
オーストリアの画家エゴン・シーレの絵を初めてみたのは、39年前だった。当時イタリアで高校生だった私はベネチアで開かれたシーレ展へ行き、価値観が変わるほどの衝撃を受けた。前衛的で緊張感に満ちた描線も、わずか28年の生涯も、すべてが驚きだった▼▼▼▼▼戦争とパンデミックの時代を駆け抜けた彼の評価が高まったのは、この半世紀ほどだ。とんがった芸術が理解されるには、平和が必要なのだ。だからこそ、未来に生きる若者にみてほしい。
2/15 水 夕刊
戦争と「命どぅ宝」、語り部からバトン 沖縄と広島つなぐ、2人の遺志
植田氏選定、「賃上げ伴う成長念頭」
春闘本格化、高水準の賃上げ要求へ
トルコ・シリア、死者4.1万人超す
素粒子
人事をてこに学術会議ひいては学問・研究全体を統制下に置こうとする政府に、歴代会長が危機感あらわに会見。
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戦前の教訓を踏まえて、湯川秀樹は社会が「健全な批判力」を持つ大切さを説いた。
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〈批判力を喪失した国家は禿山(はげやま)と同じ〉〈最初あった防護林が国家の発展に有害と次々に伐採され〉〈破滅に向(むか)って行く水流を制御できなかった〉
2/16 木 朝刊
「入札を有名無実化」 16年、電通会議で資料提示 組織委出向の幹部作成 五輪談合
「植田氏、理論・実務で見識」 日銀総裁人選で首相 衆院予算委
春闘、高水準の要求次々 物価高背景に大企業労組
折々のことば:2647 鷲田清一
幼い僕が初めて自分の国というものに気づいたら、その国は戦争をしていた。
(片岡義男)
(天声人語)99個の風船
ベルリンの壁が東西ドイツを分けていた冷戦時代の1982年。西ベルリンでのローリング・ストーンズの屋外コンサートで、色とりどりの風船が空へ放たれた。観客の一人、カルロ・カルゲスさんはふと思った。「風船が東へ流されたらどうなるだろう」▼▼▼▼▼曲の誕生40周年となった先月、ネーナさんはSNSで平和のメッセンジャーとして感謝した。歌では最後、99年続いた戦争で廃虚となった世界で「私」が風船を一つだけ見つける。そして「あなた」のことを考えながら飛ばすのだ。
2/16 木 夕刊
シャンシャン、ついにお別れ ジャイアントパンダ、5度の延期経て21日に中国返還
1月の貿易赤字、単月で過去最大
米小売売上高、伸び幅2年ぶり水準
世界銀行総裁、6月末までに退任
素粒子
原発政策の転換を盛り込んだ政府の「基本方針」の説明会が、きのう札幌で。意見交換の場と言いつつ、既に閣議決定済み。まさにアリバイ作り。
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パブコメも聞き置くだけ。「独立」のはずの原子力規制委は、政府の日程にあわせて老朽原発の延長を拙速に容認。
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同じやり方で原発の縮小や廃止を決めたら、推進側の人たちは納得するのだろうか。
2/17 金 朝刊
子育て給付金、アピール合戦 入学祝い金/3600万円奨学金/電子商品券/お米・牛乳券
武器使用、要件を緩和 国民保護や空路保安 気球撃墜
首相答弁、1日で修正 子育て予算「GDP比倍増」 官房副長官、基準は示さず
折々のことば:2648 鷲田清一
「山田君、映画っていうのはね、死のうと思った人間を生き返らせる力を持ってんだよ」 (宇野重吉)
(天声人語)子どもたちに手を出すな
地下壕(ごう)で母親に抱かれた赤ちゃん。1人で1千キロを旅した11歳の少年。ロシアによる侵攻が始まってから、ウクライナの子どもたちが置かれた過酷な状況を伝える報道に接してきた。だが、ロシアが「再教育」を目的に多数の子どもを収容しているという報告書には言葉を失った▼▼▼▼戦争で苦しむのはいつの時代も子どもたちだ。まだ柔らかい心身に、愛国心や宗教の上書きを強いる。東南アジアの紛争地では戦闘に駆り出された子ども兵士に会った▼政治に巻き込まれ、親や故郷から引き離されたまま戻るすべもない。そんな悲劇がまだ存在することに強い怒りを覚える。
2/17 金 夕刊
おっと転んだ→スマホ誤通報 端末が衝撃感知、放置で自動発信 ゲレンデから119番、新機能で多発
五輪汚職、ADK前社長が賄賂認める
気球、バイデン氏が習氏と協議意向
新型ロケット「H3」、打ち上がらず
素粒子
森友問題が持ち上がったのは6年前の2月だった。安値売却、異様な教育、元首相の妻の影、国会答弁、文書改ざん。
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そして先週。元首相回顧録に「私の足を掬(すく)うための財務省の策略の可能性」。政策の違いから倒閣を図ったそうで。
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驚愕(きょうがく)の真相か、権力者の妄想か。いずれであれ、そんな政治に翻弄(ほんろう)される国民こそ被害者。赤木氏の無念改めて思う。
2/18 土 朝刊
「女性ゼロワン」地方議会の4割 50歳未満の女性、議員の2.9% 全国アンケート 統一地方選
新型「H3」、打ち上げ中止 エンジン着火後、異常検知
声援、再び 30周年のJリーグ開幕
折々のことば:2649 鷲田清一
中心じゃなくて、そういう人たちの大事さによって世界が成り立ってるというところへ向ける目がある。 (吉増剛造)
(天声人語)恐竜のコミュ力は
コップの水が震え、足音が近づき、最後の「グワー」で恐怖は頂点に達する。30年前の映画「ジュラシック・パーク」は、ティラノサウルスの咆哮(ほうこう)が印象的だ。音響担当が苦心してつくった子ゾウやトラなどの合成音だというが、当時は「これが恐竜の声か」と納得したものだ▼▼▼▼▼動物は、想像以上に意思疎通ができている。人間は言葉も、SNSなどの発信手段も持つのに、声が届かないと感じることが多いのはなぜだろう。
2/18 土 be
(フロントランナー)パンクロッカー・有田焼窯元、武富カズキさん 目指すはパンクな有田焼]
2/18 土 夕刊
ETC利用、暴力団お断り 高速道路6社、パソカ規制へ
(Photo Story)熱き誇り、守る
素粒子
北京冬季五輪から1年。変わったもの、変わらぬもの。
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選手の食事を機械配膳するゼロコロナから、感染しないと肩身が狭い!?社会を経て、自画自賛の「勝利」宣言へ。いま関心は習体制をゆるがせた「白い紙」から「白い気球」に。
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かたや、開催に疑義が突きつけられた新疆や香港の人権問題はそのまま。ニュースの山に埋もれさせてはならじ。
2/19 日 朝刊
侵攻1年、G7結束強調 外相会合、ウクライナも出席
ICBM、EEZ落下か 北海道沖200キロ 北朝鮮が発射
(G7広島サミット)広島開催まで3カ月
早春のトンネル 河津桜が見頃
折々のことば:2650 鷲田清一
人間を社会的にするのはかれの弱さだ。 (ルソー)
(天声人語)華僑の知恵に学ぶ
タッタッタッ。勢いよく階段を駆け上がる足音とともに、男の子が教室に飛び込んできた。「フー老師(ラオシー)、ニーハオ」。横浜の中華街の一角にある塾「寺子屋」は、近くの小学生ら約15人が一緒に宿題をする学び場だ▼▼▼▼▼共生の道はどこにあるのか。「私たちは150年かけて日本人との信頼関係を築いてきました。それをもっと知って欲しい」と符さん。冷静に慎重に。難しい関係だからこそ、そんな華僑の知恵に学びたい。中国人も。日本人も。