2018年10月、奈良の名刹・興福寺に300年ぶりに中金堂が復活した。それを祝う、色鮮やかで音響豊かな法要を8Kで撮影し、ハイビジョン画質でお送りする!
番組詳細
2018年10月、奈良を代表する名刹・興福寺の境内の中央に、300年ぶりに中金堂が復活した。それを祝う法要は5日間かけて行われた。鮮やかな衣をまとう僧侶と楽人はのべ200人。声明(しょうみょう)と雅楽の大音響のなか、金色に輝く鴟尾(しび)が現れ、天から色とりどりの散華(さんげ)が舞い散る。中金堂の正面に築かれた舞台では、奈良時代に遣唐使がもたらした舞楽が舞われる…。ナレーションは堺正章。
【語り】堺正章,小林千恵
■朝日新聞 令和2年10月24日(土) 朝刊 23頁 13版 大阪
3犯
奈良
法要は午前10時に始まった。祝いの能楽「翁(おきな)」などに続き、ハスの花びらをかたどった紙片「散華(さんげ)」が、中金堂や隣接する五重塔の屋根からまかれた。多川貫首が完成を諸仏に告げる奉告(ぶこく)文を読み上げた後、東大寺の狹川普文(さがわふもん)別当がお祝いの言葉を述べた。
中金堂は東西37メートル、南北23メートル、高さ21メートルで、同じ奈良市の平城宮跡に復元された宮殿施設、第1次大極殿とほぼ同じ規模。奈良では江戸時代に再建された東大寺大仏殿(東西57メートル、南北50・5メートル、高さ46メートル)に次ぐ大きさの木造建築だ。中金堂の本尊は1811年に造られた釈迦如来坐像(しゃかにょらいざぞう)。その周りに国宝の四天王像(13世紀)などが立つ。
興福寺は710年の平城京遷都と同時に創建され、中金堂はその4年後にできた。平氏の南都焼き打ち(1180年)など戦災や火事で7回焼失し、その都度再建された。だが、江戸時代の1717年の火災以降は仮堂でしのいできた。
1989年に就任した多川貫首が再建を発願。98年の発掘調査から20年がかりで完成させた。アフリカケヤキやカナダヒノキを調達し、創建時の基壇に当初の規模と様式で再現した。多川貫首は「典雅、端正、剛勁(ごうけい、力強さ)を特色とする『天平の文化空間の再構成』を目指してきた。その空気を感じていただければ」と話した。
中金堂を一般公開する「興福寺国宝公開2018」(興福寺と朝日新聞社主催)は20日から。拝観料は大人500円、中高生300円、小学生100円。問い合わせは
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。