精米
精米(せいまい)という語は二通りの意味で使われる。
- 玄米の糠層を削り取る工程。「精米」、「精白」または「搗精」(とうせい)という。通常は柔らかい胚芽も一緒に剥がれ落ちる。玄米を精白するために用いられる機械が精米機である。
- 1.の工程を経て取り出された胚乳のみの米。「精米」、「精白米」または「白米」という。なお、胚芽を残して糠層のみを削り取った米は「胚芽米」という。
精米という語は精白する事とそれによって出来た白米と二通りの意味で使われる。 日本国内における玄米及び精米の品質表示について定めた「玄米及び精米品質表示基準」(平成12年3月31日農林水産省告示第515号)第2条では、「精米」を「玄米のぬか層の全部又は一部を取り除いて精白したもの」と定義している[1]。白米の包装には名称として「精米」と、精米年月日が表記される。
脚注[編集]
- ^ 「玄米及び精米品質表示基準」(平成12年3月31日農林水産省告示第515号)第2条
白米
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』白米、長粒種、生 100 gあたりの栄養価 エネルギー 1,527 kJ (365 kcal) 79.95 g糖分 0.12 g 食物繊維 1.3 g 0.66 g飽和脂肪酸 0.18 g 一価不飽和脂肪酸 0.206 g 多価不飽和脂肪酸 0.177 g 7.13 gトリプトファン 0.083 g トレオニン 0.255 g イソロイシン 0.308 g ロイシン 0.589 g リシン 0.258 g メチオニン 0.168 g シスチン 0.146 g フェニルアラニン 0.381 g チロシン 0.238 g バリン 0.435 g アルギニン 0.594 g ヒスチジン 0.168 g アラニン 0.413 g アスパラギン酸 0.67 g グルタミン酸 1.389 g グリシン 0.325 g プロリン 0.335 g セリン 0.375 g ビタミン ビタミンA相当量 (0%)0 μg(0%)0 μg0 μgチアミン (B1) (6%)0.07 mgリボフラビン (B2) (4%)0.049 mgナイアシン (B3) (11%)1.6 mg(20%)1.014 mgビタミンB6 (13%)0.164 mg葉酸 (B9) (2%)8 μgビタミンB12 (0%)0 μgコリン (1%)5.8 mgビタミンC (0%)0 mgビタミンD (0%)0 IUビタミンE (1%)0.11 mgビタミンK (0%)0.1 μgミネラル カルシウム (3%)28 mg鉄分 (6%)0.8 mgマグネシウム (7%)25 mgマンガン (52%)1.088 mgセレン (22%)15.1 μgリン (16%)115 mgカリウム (2%)115 mgナトリウム (0%)5 mg亜鉛 (11%)1.09 mg他の成分 水分 11.62 g 0 g %はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)100g中の食物繊維[1] 項目 分量 炭水化物 77.1 g 食物繊維総量 0.5 g 水溶性食物繊維 極微量 不溶性食物繊維 0.5 g 白米、短粒種、生 100 gあたりの栄養価 エネルギー 1,496 kJ (358 kcal) 80.3 g糖分 0.1 g 食物繊維 0.7 g 0.8 g5.95 g%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)白米(はくまい)とは、玄米を精米(精白、搗精)した米のこと。精米、精白米ともいう。精米という語は精白する事と共に出来た白米の意味でも使われる。
概要[編集]
名前の通り、原料の玄米より白っぽく、透明感がある。炊いて飯としたり、加工食品や清酒の原料にもする。
平成元年(1989年)11月22日 国税庁告示第8号「清酒の製法品質表示基準を定める件」により以下のとおり定められている。
「白米とは、農産物検査法(昭和26年(1951年)法律第144号)により、3等以上に格付けされた玄米又はこれに相当する玄米を精米したものをいうものとする。」
デンプン以外の栄養素は擦り落とされた胚芽と糠層に多く、胚乳のみの白米は栄養的に偏っている。特にビタミンB1に関しては、100g中、白米は0.07mg、玄米は0.4mgと、白米は玄米の6分の1しかビタミンB1が含まれていない。白米のみの食事は脚気のようなビタミンB1欠乏症をもたらす。「美味しいご飯があればおかずは要らない」等と言う人がいるが、栄養的に可能でない。米飯は、デンプンの割合が多い程、食感に日本人好みの粘りがあり、良食味米はタンパク質等のデンプン以外の成分が更に少ない。
精米後の白米は、皮をはがれた状態であり、日数の経過と共に酸化等により劣化していくので、少しずつ購入する方が新鮮である。低温貯蔵がより望ましい。
古くは臼で搗いた米を舂米(しょうまい/つきしね/つきよね、「春」ではない)と呼んだ。古代には女性が臼と杵を使って作業を行い、大和朝廷の屯倉には特に舂米部(しょうまいべ)を置いたと伝えられている。
江戸時代、上流階級は精米した白米を常食していたが、当時の多くの歴史上の著名人(徳川家光、徳川綱吉、桜町天皇、徳川家定、徳川家茂、和宮、小松帯刀)が脚気を患っていた。明治以降、地方の庶民層にまで白米を常食する習慣が広まるが、当時未知の栄養素であるビタミンB1を補うことに配慮が十分に回らず、そのためにひと頃は脚気が国民病とまで言われたことがある。白米は庶民の憧れであったことを背景に、1904-5年の日露戦争時には陸軍が白米支給に固執し、陸軍脚気惨害を引き起こした。国外への動員兵数100万人のうち、戦死4万6千人、戦傷15万人で、25万人強の脚気患者が発生した。この入院脚気患者のうち、2万7千人が死亡したと見られている[4][5]。
村落単位で見た生活習慣では、労働が激しく、魚又は大豆を十分にとり、野菜や海草を多食する地域は長寿村であり、米と塩の過剰摂取、魚の偏食の見られる地域は短命村が多いことが指摘されている[6][7][8]。
日本では、精米して白米と米糠に分け、それぞれ販売され利用されてきた。消費者への小売りでは白米(無洗米を含む)であることが通常であるが、玄米も一定の需要があり、広く販売されている。
脚注[編集]
- ^ 五訂増補日本食品標準成分表
- ^ http://www.nal.usda.gov/fnic/foodcomp/search/
- ^ [『タンパク質・アミノ酸の必要量 WHO/FAO/UNU合同専門協議会報告』日本アミノ酸学会監訳、医歯薬出版、2009年05月。ISBN 978-4263705681 邦訳元 Protein and amino acid requirements in human nutrition, Report of a Joint WHO/FAO/UNU Expert Consultation, 2007]
- ^ 陸軍省編『明治三十七八年戦役陸軍衛生史』第二巻統計、陸軍一等軍医正・西村文雄編著『軍医の観たる日露戦争』
- ^ 山下政三『鴎外森林太郎と脚気紛争』日本評論社、2008年、332-333頁
- ^ 日本の長寿地域の現状 (1976年)、香川 靖雄ほか、栄養学雑誌、Vol. 34 (1976) No. 4
- ^ 近藤正二、第14回 日本医学会総会特別講演、p. 132 (1955) 医学出版協会
- ^ 近藤正二、臨床と研究、33 684 (1954)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]米穀安定供給確保支援機構:米ネット
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