国立競技場最後の日 名選手が競演
5月31日 19時49分
2020年のオリンピックとパラリンピックに向けて改築される東京の国立競技場で、最後の利用日となる31日、サッカーやラグビーで活躍したかつての名選手たちが記念試合を行いました。
国立競技場は2019年の完成を目指してことし7月から解体工事が行われる予定で、最後の利用日となる31日は記念イベントが行われています。
夕方からはサッカーの試合が行われ、日本代表などで活躍した男女40人余りの元選手たちが出場しました。
奥寺康彦さんやラモス瑠偉さん、井原正巳さん、それに中山雅史さんなど、かつての名選手たちが歴史に残る勝負を繰り広げてきた国立競技場での最後のプレーで訪れた観客を沸かせていました。
またラグビーの試合では伝統の「早明戦」で活躍した早稲田と明治、両大学の30代から50代のOBたちが年齢を感じさせない激しいタックルや素早いステップを見せて、スタンドからどよめきが起きていました。
試合の合間には国立競技場の上空で、1964年の東京オリンピックの開会式で五輪のマークを描いた航空自衛隊の飛行隊「ブルーインパルス」が展示飛行を行いました。
サッカーの名選手たちは
国立競技場での最後のプレーを終えたサッカーのラモス瑠偉さんは「ここでもうプレーできないのは寂しい。ここで負けた試合は少ないし、大きなタイトルをたくさん取れた。入っただけでエネルギーを感じるし、視野が広くなって一気にいろんなところが見えてくる所だった。大好きなスタジアムだった」と感慨深い様子で話していました。
また、中山雅史さんは、ゴールを決めたことについて「狙って決められたのでほっとしている。高校時代に初めて足を踏み入れた大会の準決勝での戦いと、日本代表から、しばらく外れていたあと、1997年に復帰したカザフスタンとの試合が思い出に残っている。その経験が自分を強くしてくれたと思う」と振り返っていました。
さらに、井原正巳さんは、「Jリーグの開幕戦をすばらしい雰囲気のなかでやらせてもらったことは最高の思い出だ。近代的なすばらしいスタジアムができると思うので、サッカーでも新しい歴史をどんどん作っていってほしいし、自分も新しい国立競技場で指導ができるような指導者になりたい」と話していました。
ラグビー早明戦のOBは
国立競技場での最後のプレーを終えたラグビーの明治OBの吉田義人さんは国立競技場での早稲田との戦いについて「キャプテンとして戦った大学選手権の決勝は死闘だったが、最後に逆転トライを奪って優勝でき、自信と誇りを持って社会に出ることができた。宝物になったゲームだった」と振り返りました。
そのうえで、「新しい国立競技場でも後輩たちには4年間やってきたことにこだわりを持って気持ちを込めて魂を入れて多くの人たちに感動を運んでほしい」と話していました。
また、早稲田OBの清宮克幸さんは「雪の中での早明戦や大学生で社会人に勝った試合など一生忘れないシーンをここで作らせてもらい、きょうも国立を愛した人たちの中でプレーができて一生忘れない一日になった」と思い出をかみしめるように話しました。
そのうえで「自分にとって国立競技場は子どもの頃は夢の舞台で、現役の頃は夢をつかむ舞台、指導者になってからはたくさんのファンが歓声をくれることに感謝する舞台だった。生まれ変わった国立にも親しみやすさを持った身近な存在のスタジアムであってほしい」と話していました。
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