落語派
北海道派
風が吹けば桶屋が儲かる
風が吹けば桶屋が儲かる(かぜがふけばおけやがもうかる)とは日本のことわざで、ある事象の発生により、一見すると全く関係が無いと思われる所・物事に影響が及ぶことの喩えである。また現代では、その論証に用いられる例が突飛である故に、「可能性の低い因果関係を無理矢理つなげて出来たこじつけの理論・言いぐさ」を指すことも多い。
「風が吹けば箱屋が儲かる」「大風が吹けば桶屋が喜ぶ」などの異形がある。
由来[編集]
江戸時代の浮世草子『世間学者気質(かたぎ)』巻三(無跡散人著、明和5年、1768年)が初出である。ただしここでは、「桶」のかわりに「箱」であり、「風が吹けば箱屋が儲かる」などの成句の形では書かれていない。また、『東海道中膝栗毛』二編下(享和3年、1803年)に現れるのも有名で、ここでも「箱」になっている。
今日の大風で土ほこりが立ちて人の目の中へ入れば、世間にめくらが大ぶん出来る。そこで三味線がよふうれる。そうすると猫の皮がたんといるによって世界中の猫が大分へる。そふなれば鼠があばれ出すによって、おのづから箱の類をかぢりおる。爰(ここ)で箱屋をしたらば大分よかりそふなものじゃと思案は仕だしても、是(これ)も元手がなふては埒(らち)明(あか)ず
つまり、
- 大風で土ぼこりが立つ
- 土ぼこりが目に入って、盲人が増える
- 盲人は三味線を買う(当時の盲人が就ける職に由来)
- 三味線に使う猫皮が必要になり、ネコが殺される
- ネコが減ればネズミが増える
- ネズミは桶を囓る
- 桶の需要が増え桶屋が儲かる
俗説[編集]
一部の俗説では、「桶」は「棺桶」の意味で、何らかの理由で死者が増え、棺桶の需要が増えるとも言われる。風で火災が延焼し焼死者が増える、海や山が荒れて遭難者が出るなど、諸説ある。しかし、先述したとおり、「桶」より「箱」が古い形である。
ほかにもいくつか俗説がある。また、冗談や大喜利として新説が考え出されることもある。
これらの背景には、オリジナルの因果関係が突拍子もないこと自体のほか、盲人が三味線を弾くこと、三味線に猫皮が使われることなど、当時の文化に関する知識が必要とされることがある。
北海道オホーツク海沿岸、特に紋別市, 網走市には桶屋が多く、三味線とは全く関係のない話が伝わっている。
- 北風により流氷が接岸する。
- 特に夜間には急激に気温が下がり、室内でも氷点下の気温となる。
- 漬物桶、風呂桶、漁具の桶が凍結し、破壊される。
- 桶の需要が増え桶屋が儲かる
脚注[編集]
書籍[編集]
- 『「風が吹けば桶屋が儲かる」のは0.8%!?』丸山健夫 PHP研究所 2006年(詳しい起源の解説あり) ISBN 4569654320
関連項目[編集]
ウィクショナリーに風が吹けば桶屋が儲かるの項目があります。 |
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