9/18 月
夜間に急患26人、でも「休息」扱い 医師「宿日直」の実態、働き方改革に逆行
内閣改造「評価」25% 支持率微増37% 朝日新聞社世論調査
80歳以上、10人に1人 65歳以上、初めて減少 人口推計
折々のことば:2854 鷲田清一
存続するには、それなりの理由がある。滅亡するには、それなりの理由がある。
(神崎宣武)
(天声人語)絵手紙の小池邦夫さん逝く
永六輔さんは、はがきの人だった。ラジオ番組に投稿してくれた一人ひとりへ自筆で返す。1日で100通にもなったそうだ。その永さんから「手紙書きのライバル」と言われた人がいた。絵手紙を広めた第一人者、小池邦夫さんである▼▼▼▼▼美術館では折しも公募展が開かれ、全国から寄せられた1168点がすべて掲示されていた。順位はつけない。小池さんがつかんだ核心がある。「ヘタでいい/ヘタがいい/生きて行くことと同じだよ」
9/19 火 朝刊
日本産水産物輸入、67%減 中国、禁輸影響長期化も 8月前年比
保護司、高齢化進み減少 70歳以上4割、年齢制限緩和を検討
脈拍で測る、子どもの「集中度」 授業で端末装着
折々のことば:2855 鷲田清一
企者不立、跨者不行
(老子)
(天声人語)チームのバランス
永田町には、普通と異なるてんびんが存在するようだ。先週行った内閣改造の人事について岸田文雄首相は「適材適所で、老壮青、男女のバランスとなった」と話した。釣り合いや均衡を意味するバランスはラテン語で「二つの皿」、てんびんが語源とされる▼▼▼▼▼赤じゅうたんにネクタイ姿が並んだ記念写真を眺め、改めて首相のバランス感覚に不安を覚えた。もしかしたら、支点が中心からずれているのかもしれない。
9/19 火 夕刊
リストラ灯台、第二の輝き GPSなど技術進化、廃止相次ぐ 公園に再整備・擬人化キャラで生き残り
鉄骨落下、作業員2人死亡 東京駅近く、1人意識不明
ビッグモーター・損保ジャパン、検査
素粒子
ナ 何だか年中行事のように
イ 入れ替えてはみたものの
カ 顔ぶれに清新さは乏しく
ク 繰り返された派閥順送り
カ 解散・総選挙もにらんだ
イ イメージ改善策のはずが
ゾ 存外、女性閣僚5人でも
ウ 上向く兆し微々たるもの
× ×
シ しかも副大臣と政務官は
タ たまげた、初の女性ゼロ
ケ 結果的にさらされたのは
レ 歴然たる政権内の男優位
ド 度しがたい現実に鼻白む
9/20 水 朝刊
教員志願、止まらぬ減少 来年度6000人減 朝日新聞社全国調査
米、ウクライナ支援訴え バイデン氏「露骨な侵略」非難 国連総会演説
地方圏、31年ぶり上昇 県庁所在地に波及 基準地価
損保ジャパン立ち入り 金融庁、ビッグモーターも 保険金不正
折々のことば:2856 鷲田清一
「本は読まないで置いておくと、『読んでくれ』と夜泣きする」
(井伏鱒二)
(天声人語)見えない「それ」の怖さ
世間が「アレ」で盛り上がるなか、「それ」のことを考えていた。なんのこっちゃだが、人工知能(AI)である。公開中の映画『ミッション:インポッシブル』のシリーズ最新作に登場する主人公の敵が、「それ」と呼ばれるAIなのだ。意思を持ち、人間の心をよむ▼▼▼▼▼冒頭の映画で「それ」は何も恐れず、迷うこともない。そんなAIを怖いと感じる自分の心が、いまはとても大切に思える。
9/20 水 夕刊
「お父さんがほしい」、心打たれて 杉良太郎さん、ベトナムの孤児ら200人の里親に
ゼレンスキー氏、国連本部で演説
岸田首相、FMCTの必要性訴え
大谷が2回目の右ひじ手術 大リーグ
素粒子
やりがいだけで教員は集められない。職場環境の改善が進まぬ現況、何とかせねば。
× ×
沖縄県知事は新基地批判、首相は安保理改革。もどかしくも、国連の舞台で切々と。
× ×
きょうは彼岸の入り。異様に続く暴力的な日差しも、そろそろお引き取り願いたい。
× ×
耳を澄ませば。〈乱れたる季節を正す虫の声〉中嶋陽太
9/21 木 朝刊
中国の訪日客、8月36万人 前月比16%増、伸び限定的
東芝TOB成立へ 初の上場廃止、年内にも
デジタル庁に行政指導 マイナ口座誤登録 個人情報保護委
オリックス3連覇 パ・リーグ プロ野球
折々のことば:2857 鷲田清一
兵士や市民の生活を保てない国が最終的に負けるとわかってきました。
(深緑野分)
(天声人語)首相の「ライフワーク」
「核軍縮」は、私のライフワークです――。岸田文雄首相が日本時間のきのう、国連本部で一般討論演説をした。気になったのが、2度も言及した「主流化」という言葉である。公表された演説文では「『主流化』した核軍縮の流れ」「核軍縮『主流化』の流れ」とカギ括弧までついている▼▼▼▼▼FMCTには軍拡が懸念される中国に圧力をかける意味があるとみられ、米国も前向きだ。首相のライフワークが結局、米国次第なのが残念な現実ではある。
9/21 木 夕刊
国技館とともに、写真館1世紀 震災後の両国で開業し3代、力士らの写真展示
米FRB、政策金利を据え置く
経済対策、首相「来月まとめる」
ゼレンスキー氏、安保理で訴え
素粒子
ようやく、やっと、個人情報保護委員会のお出まし。デジタル庁に対して行政指導。
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だが、そもそも指導した側も、された側も担当相は河野氏。政府の対応に疑義あり。
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きょうは世界アルツハイマーデー。認知症を学び直す。
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なんと律義な。酷暑の夏だったのに、ことしも近所で暦通りに赤い彼岸花が咲いた。
9/22 金 朝刊
ヤフー、優越的地位の可能性 対メディア、記事の使用料 著しい低価格なら「独禁法上、問題」 公取委指摘
東芝、「物言う株主」退場 TOB、78.65%で成立
ゼレンスキー氏「安保理改革を」 国連演説
紅潮、今だけ 「仙台大観音」塗り直し
折々のことば:2858 鷲田清一
「ピカは山崩れたーあちがう、人が落さにや落ちてこん」
(広島県三瀧の町の老婦人)
(天声人語)パンデミックと不正
偽のワクチンや検査キットを売りつける詐欺に、陰性証明書の闇取引。除菌をうたうホームクリーニングを装った強盗事件も。海外の事例を見ると、新型コロナにつけ込む悪意は万国共通のようだ。数々の波を経て感染は続くが、各国当局は不正の摘発に忙しい▼▼▼▼▼審査は厳正に。でも、本当に困った人へ早く届けるには「性善説」が理想だ。それが通用しないのは寂しい。
9/22 金 夕刊
変に思えても、意味がある イグ・ノーベル賞
8月消費者物価、前年比3.1%上昇
「資産運用特区」、首相が創設表明
ゼレンスキー氏とバイデン氏会談
素粒子
ゼレンスキー氏の演説で、改めてまざまざと。国連の機能不全と、停戦の難しさと。
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キーウ市での空襲警報が累計で千時間に。おびえずに空を見上げられる日は、いつ。
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東芝、再建へ。で、「もの言う株主」はいくら稼いだ。
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閲覧1回、平均0・124円。スマホで記事が読まれる時代。その安さに、とほほ。
9/23 土 朝刊
緩和維持、止まらぬ円安 日銀総裁、早期の修正観測否定 賃金と物価の好循環「まだ」
創薬、官邸主導の司令塔 陰る競争力、注力分野「目利き」 政府方針
物価上昇、8月3.1% 24カ月連続
魚はどこ? 冬眠に備えるヒグマ 北海道・羅臼
折々のことば:2859 鷲田清一
加虐、しいたげる側の顔というものは存在しません。加虐には顔がないのです。
(金時鐘〈キムシジョン〉)
(天声人語)子規とおはぎ
〈餅の名や秋の彼岸は萩(はぎ)にこそ〉正岡子規。122年前の秋分の日、脊椎(せきつい)カリエスで病に伏していた子規は、おはぎを食べた。病床日記『仰臥(ぎょうが)漫録』には昼食に一、二個と間食で一つ食べたとある。間食の方は日刊紙「日本」の社長で子規の後見人だった陸羯南(くがかつなん)が持って来た▼▼▼▼▼彼岸に入り、おはぎを求めて近所の和菓子屋をのぞいた。栗きんとんに芋ようかん、かぼちゃの練り切り。暑くても、もう秋なのだと気づく。繊細な和菓子は、季節の到来も告げる。
9/23 土 be 朝刊
(フロントランナー)プロ雀士・多井隆晴さん 見られるか「最速最強」の麻雀
9/24 日 朝刊
新薬次々、膨らむ医療費 「月1000万円以上」昨年度過去最多
130万円の壁、2年は扶養内 社会保険料めぐり 厚労省検討
朱色、秋を染める 「赤米」の稲穂 岡山
折々のことば:2860 鷲田清一
大学は、顕微鏡や望遠鏡で世界を覗(のぞ)いて研究する方法は教えても、自分の目で見る方法は教えません。(ヘンリー・D・ソロー)
(天声人語)便利とは何だろう?
『ドラえもん』に出てくるセワシくんは、のび太の子孫である。彼は22世紀の世界に暮らしているが、あまり幸福そうには見えない。未来人たちには便利な道具がたくさんあるのに、現代人と同様に、ときに空虚な笑いを浮かべ、妙に言葉にとげがある。なぜだろう▼▼▼▼▼変わる大切さとともに、昨日と同じように今日があることの尊さをかみしめる。私たちはもう立ち止まれないのか。もしもそう問えば、ドラえもんは何と答えるだろう。どんな道具を、出してくれるだろう。