3/13 月 朝刊 休刊
3/13 月 夕刊
マスク緩和、それぞれの朝 きょうから個人判断
中堅米銀、連鎖破綻 政府など、2行の預金全額保護
高市氏にレク、総務省「可能性高い」 放送法文書
日本、4戦全勝で8強進出 WBC
素粒子
しばらくの間、周囲の口元を気にする日が続きそうで。
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大正スペイン風邪が落ち着いてもマスクを手放さなかった菊池寛は、同様の人を見て「頼もしい」「同志」と書いた。
◎
だがさすがに外すようになった初夏、マスク姿の青年に出会い、世間の目を気にしない「強者」への反感を、「弱者」である自らの内に見いだす。人の心の変わらぬ機微。
3/14 火 朝刊
大江健三郎さん死去 ノーベル文学賞、反核訴え 88歳
折々のことば:2672 鷲田清一
言語は言語を阻止するために、沈黙を表現するために、使うことができるのだ。
(スーザン・ソンタグ)
(天声人語)袴田さんの2万662日
獄中からの手紙がある。「お母さん、僕の部屋には日めくりがあります。その日めくりに、子供をおぶったお婆(ばあ)さんが、夕日を見ている写真があります。僕はそれを見て、お母さんと息子を思い出しています」。家族に思いをはせ、自らを奮い立たせたのだろう▼▼▼▼▼袴田さんは逮捕からきのうまで長く暗いトンネルを歩き続けた。その日々は日めくり2万662枚分にあたる。
3/14 火 夕刊
砕けたガラス、つないだ歴史 古代作品修復、仏英米のチーム「不可能」に挑む ベイルート港大爆発
ガーシー参院議員、あす除名
北朝鮮、短距離弾道ミサイル2発
「不同意性交罪」への変更、閣議決定
米英豪首脳、豪州の原潜計画を発表
素粒子
「自分は死刑囚」との思いにひとり耐え、いつも凍え、その重みに打ちひしがれる。文豪ユゴーが描く死刑囚の姿だ。
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まして身に覚えのない話で極刑の言い渡しを受けたら。
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死刑は執行されたら取り返しがつかない。そして人は必ず誤りを犯す。そこから導かれる結論はおのずと見えてくる。証拠捏造(ねつぞう)の疑いを再度指摘した決定に暗然としつつ。
3/15 水 朝刊
パート待遇、正社員と同等 イオン、売り場責任者の基本給や退職金
長射程ミサイル、不安の石垣島 配備なら「守るはずが攻撃する基地に」
児童・生徒自殺、最多514人 昨年、コロナ禍以降3年で3割増
ガーシー議員、除名決定 国会欠席「義務果たさず」 参院懲罰委
折々のことば:2673 鷲田清一
「おいしい」といってくださったときに一つの菓子ができあがるのです。
(田中昭光)
(天声人語)大江健三郎さん逝く
「知る」と「分かる」はどう違うのか。作家の大江健三郎さんは「知る」から「分かる」に進むと、自分で知識を使いこなせるようになると定義した。その先には「悟る」があって、まったく新しい発想が生まれる、と▼▼▼▼▼現代における個人と共同体の関係といったテーマと切り結び、救済の物語を紡ぎ続けてきた。そんな姿が浮かぶ。生み出した作品や評論は巨大な山脈となり、日本文学の風景を大きく変えた。
3/15 水 夕刊
「流氷の天使」クリオネの涙 進む海洋酸性化、「主食」の巻き貝消滅の恐れ
ロシア軍機、米軍無人機に衝突
春闘、大企業は「満額回答」相次ぐ
ガーシー氏を除名、議員資格失う
素粒子
問題の核心は放送番組への政治介入。だが他にも、見過ごせぬ話や気になる動きが。
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大臣にこう答弁させよ。コントロールできる議員に質問させる。文案も作る、と首相補佐官。国権の最高機関の実態。
◎
発覚以来NHKや多くの民放の姿勢に淡泊さを感じるのは何故(なにゆえ)。見えないブレーキが働いたなら権力は既に目的を達成。WBCに興ずるうちに。
3/16 木 朝刊
尹大統領「日本も行動を」 徴用工解決策「大局的な決断」 質問に書面回答
春闘、大手「満額」相次ぐ 中小への波及焦点 集中回答
政労使会議、8年ぶり
低所得世帯に3万円 子ども1人あたり5万円 政府・与党方針
折々のことば:2674 鷲田清一
あえて着崩したり、どこかに抜け感を作るようにします。……完璧を目指さないことね。 (島田順子)
(天声人語)マスク生活の3年
〈人類は「パンツをはいたサル」であり「マスクをつけたサル」ともなつた〉香川ヒサ。習慣化したマスクの着用が先日から、もう「個人の判断」でよいとなった。易々(やすやす)と気を許すわけにはいかぬが、一つの節目ではあろう。現代歌人協会のコロナ禍歌集で、この3年をふりかえる▼▼▼▼▼ゆっくりと平穏を取り戻しつつ、感染増の兆しがある時や人混みではマスクをする。それが3年で学んだことだろう。〈春と呼ぶ陽(ひ)ざしの届く木の椅子にあなたと坐(すわ)る必ず坐る〉寒野紗也。いとしい人と肩を並べて語ることもはばかられた日々に、さよならを。
3/16 木 夕刊
関係修復、日韓首脳会談へ 北朝鮮ミサイルやシャトル外交 尹大統領が来日
北朝鮮、日本海へICBM発射か
クレディ経営不安、欧州株3%下落
無人機衝突、米ロ国防相が電話協議
素粒子
かつて韓国大統領の演説で紹介され注目を集めた雨森芳洲(あめのもりほうしゅう)の評伝を開く。18世紀初め、対馬藩で朝鮮外交を担った。
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秀吉の侵略の記憶がまだ生々しい時代。非を認め、相手の文化慣習を尊重する大切さを説き、意思疎通に努めた。
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近年その逆をゆく為政者の内向きの言動が、互いの反発を招き不信を深めた。「戦後最悪」からの脱却を、確かに。
3/17 金 朝刊
日韓関係を正常化 首脳会談、シャトル外交再開 防衛情報や輸出規制、修復
クレディ、中銀が支援 7兆円 信用不安、欧州に波及
大谷、笑顔を届けた WBC4強
折々のことば:2675 鷲田清一
歴史は、骸骨の端数は、四捨五入で切り捨て零にする/千と一人は、千ポッキリに (ヴィスワヴァ・シンボルスカ)
(天声人語)放送法への横槍
生物学者であり、民俗学者でもあった南方熊楠(みなかたくまぐす)は、異能の人だった。英国への滞在中に、いつもの日記のノートが切れた。日本の知り合いに頼み、入手したのは10カ月後。熊楠先生、記憶をたどって一日分も欠かさず埋めたという(平野威馬雄〈いまお〉著『くまぐす外伝』)▼▼▼▼「▼政府は解釈を変えておきながら、変えてはいないと今も言い張っている。そういう茶番を繰り返しても記憶には残らないと、高をくくっているのだろうか。
3/17 金 夕刊
人手戻らぬホテル業界、創意と工夫 政府が支援策、観光客は回復
米の11銀行、中堅行に資金支援
16日の発射は「火星17」 北朝鮮報道
落下の米無人機、ロシア軍が発見
素粒子
「聖戦の美名に隠れて」の国策批判演説で斎藤隆夫が議員を除名されたのは昭和15年3月。こちらは今も令名高く。
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その日、議場では要塞(ようさい)地帯法改正案なるものも審議されていた。戦争への道着々と。
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きのう石垣島に陸自の駐屯地。住民守る施設のはずが住民脅かす敵基地攻撃の要塞になる恐れも。「専守防衛の美名に隠れて」と泉下から叱声(しっせい)。
3/18 土 朝刊
男性育休「30年度85%」 首相、目標大幅上げ 現状14%取得
習主席、ロシア訪問へ ウクライナ侵攻後初
プーチン氏に逮捕状 国際刑事裁、戦争犯罪容疑
敵基地攻撃力、南西諸島に 沖縄本島、ミサイル保管 防衛省検討
折々のことば:2676 鷲田清一
悪いところこそ、その人の味です。
いいじゃないですか、激辛でも珍味でも。
(松山照紀〈しょうき〉)
(天声人語)日韓首脳会談
木曽義仲が倶利伽羅(くりから)峠で奇襲をかけた。「平家うしろをかへり見ければ、(源氏の)白旗、雲のごとくさしあげたり」と平家物語は描く。源平合戦のころから、競い合うのは「赤と白」に決まっている。これがお隣の韓国では「青と白」だというから面白い▼▼▼▼▼「同じ釜の飯を食う」という慣用句も、じつは両国共通だそうだ。シャトル外交にまさるとも劣らぬ交流を、こちらはこちらで進めていこう。
3/18 土 be 朝刊
(フロントランナー)まちづくり系医師・井階友貴さん 地域を丸ごと健康に、企画続々
3/18 土 夕刊
やっと、つながるね 新線・「新駅」開業ラッシュ 首都圏・大阪・福岡
(Photo Story)帰りたいねぇ
素粒子
示された異次元対策に、女性や若者に立ちはだかる壁の多さ、厚さを再認識する。首相は実現への道筋どうつける。
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「社会全体の構造や意識を変える」と言うなら、夫婦同姓を強制し、女性の活躍を阻む民法の壁の撤去も忘れずに。
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「育休中に学び直し」で現実を知らぬと批判された首相。姓をめぐる苦悩についても学び直しを。解消に財源は不要。
3/19 日 朝刊
(崩れた覇権 アメリカとイラク戦争20年)倒れた像、混迷の始まり
体罰防止、研修進まず 部活外部指導者に義務づけ4分の1 98教委調査
法隆寺壁画、収蔵庫改修して公開へ
第1日の結果 第95回選抜高校野球
折々のことば:2677 鷲田清一
「お勝手の下から吹き上げる風を防ぐ措置をしてきたかったのが残念です。」
(栗林忠道)
(天声人語)どこかに「止める力」を
「歌は革命を起こせない。しかし、歌は、自殺を止める力を持っている」。サザンオールスターズの桑田佳祐さんの歌詞集『ただの歌詩(かし)じゃねえか、こんなもん』に寄せた解説で、作家の村上龍さんはそう締めくくった。39年前の高校時代に読み、深く共感したのを思い出す▼▼▼▼▼村上さんは、日本は「ずっとずっと貧乏で、本当は今も貧乏なのだ。本当に豊かならば、十人の桑田佳祐がいて、十のサザンがあるだろう」とも書いた。だめな大人の一人として伝えたい。歌でもチャットでも何でもいい。生きていてほしい。
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サントリー「社長のおごり自販機」どんなん
コクヨが「社長のおごり自販機」を試験導入 社員2人でタッチすると無料
コクヨの働き方の実験場「THE CAMPUS」が、職場内のコミュニケーションの増加を目的としたサントリーの法人向け新サービス「社長のおごり自販機」を試験導入。実証実験の結果、アンケート回答者の97.8%が「コミュニケーションのきっかけになった」と回答しました。
「社長のおごり自販機」は社員2人が揃い、対象部分に2枚の社員証をタッチすることでそれぞれが選んだ飲み物が1本ずつ無料でもらえる自販機。
リモートワークの普及などにより、職場内のコミュニケーションが減少傾向にあることを受け、手軽にいつでも飲み物が買える自販機を通じて、コミュニケーションのきっかけを増やせないかと考え、サントリーが開発した新サービスです。
そんな「社長のおごり自販機」の趣旨に共感し、試験導入をしたのがコクヨ株式会社の運営する働く・暮らすの実験場「THE CAMPUS」。“みんなのワーク&ライフ開放区”をコンセプトに、自社のオフィスに加えて、だれでも利用できるパブリックエリアを併設した施設です。
実証実験中の利用者にアンケートを実施したところ、「『社長のおごり自販機』がコミュニケーションのきっかけになった」と感じた方が97.8%と大半を占める結果に。
「一人作業の予定だったが、『自販機行かない?』と声をかけてもらい、雑談のきっかけになった」「いろんな人を誘ってやってみたい!」「この自販機があれば、モチベーションが上がる」「同期と数年ぶりに近況を話し合うきっかけになった!」などの声があがりました。
コクヨ株式会社は今回の実証実験の結果をもとに、別拠点への展開などを検討予定とのこと。
YouTubeのサントリー公式チャンネルでは、「社長のおごり自販機」の使い方や今回の「THE CAMPUS」での実証実験の様子を紹介したWEB動画が公開されています。
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