日本最古の時計台は、札幌市時計台か、豊岡・出石城下町の辰鼓楼(しんころう)か−。NPO法人「但馬國出石観光協会」(兵庫県豊岡市)は9日、辰鼓楼の時計が稼働した日付を1881(明治14)年9月8日に特定したと発表した。札幌市時計台は同年8月12日とされ、辰鼓楼の方が27日遅く国内で2番目と判明。どちらが最古か−の“論争”に終止符が打たれた。(阿部江利)
辰鼓楼は、廃藩置県直前の1871年4月14日、出石藩と地元の名士らが建造。高さ約13メートルで、当初は太鼓をたたいて時を知らせていた。
札幌市時計台が動き始めたのと同じ81年、地元の医師が機械式大時計を寄贈して時計台になったが、どちらが先に動きだしたのかは謎のままだった。
今年で創建150年となり、辰鼓楼の時計は4代目。同協会は記念事業として、豊岡市との協力で、辰鼓楼に設置された最初の時計が動き始めた日を特定する調査を実施。辰鼓楼は弘道小学校の旧校舎の敷地にあったことなどから、同校の校長室の金庫内に保管されていた日誌を解読し、稼働日が分かったという。
同協会の森垣康平事務局長(47)は「少なくとも20年以上前から謎だった。たぶん札幌の方が古いのではないかと思いつつ、もしかしたら…という期待を捨てきれずにいた」と話す。
結果を聞いて森垣事務局長は「やっぱりか」と受け止めたが、「辰鼓楼の完成は1871年。時計台になるまでの約10年間は太鼓で時を告げていた。時報を知らせる施設としては、札幌市時計台よりも早くに稼働していたはず」と歴史の古さをPRする。同協会では9月8日を「いずし時の記念日」とし、今年5月、日本記念日協会に登録された。住民への周知を進め、記念イベントも検討している。
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