織物を作る「機」の展示会

織物を作る手動の機械、「機(はた)」を集めた展示会が、大和郡山市にある県立民俗博物館で開かれています。

「機」は、糸を組み合わせて織物を作る手動の機械で、奈良県立民俗博物館の会場には、全国各地の「機」や伝統織物など88点が展示されています。
このうち、江戸時代初期の「大和機」は、奈良県の高級麻織物「奈良さらし」の製造に使われました。
当時のものとしては珍しく、腰掛けがついていて作業の負担を軽減する工夫がされています。
新潟県の麻織物「越後縮(えちごちぢみ)」の展示では、冬場に屋内でしか作業できない雪深い地域で、織物が特産品にまで発展するのに「機」が果たした役割が紹介されています。
会場の一角では機織りの実演も行われ、訪れた人たちは興味深そうに説明を聞いていました。
奈良県立民俗博物館の横山浩子学芸課長は、「伝統織物に興味はあってもどんな道具で作られているかには関心が向かないと思うので、目を向けていただきたい」と話していました。
この展示会は、来年2月2日まで開かれています。

(月曜休館、12月28日〜1月4日休館)