- 1943年 福島県小野町の酒造家に生まれる。
- 1966年 東京農業大学農学部醸造学科卒業
- 1976年 博士論文「酵母の生成する香気に関する研究」で東京農業大学より農学博士号を取得
- 1982年 東京農業大学応用生物科学部醸造科学科教授
- 1994年 財団法人日本発酵機構余呉研究所(滋賀県余呉町)所長
- 2009年3月 東京農業大学を定年退職、同大学名誉教授
- この間、鹿児島大学客員教授、別府大学客員教授を歴任。
人物[編集]
1994年4月から日本経済新聞の夕刊に連載しているコラム「食あれば楽あり」が好評を博している。コラム内では「小泉造語」といわれる独特の表現を多用、いずれも味わいがあり、食物の美味そうな様子が伝わる巧みな文章である。あだ名は「味覚人飛行物体」、「走る酒壷」、「鋼鉄の胃袋」、「発酵仮面」、「人間リカオン」、「ムサボリビッチ・カニスキー」。また大学ではその体格から「ドラえもん」と呼ぶ学生もおり(満更でもないらしい)バレンタインデーにはよくドラ焼きを貰うという。もちろんドラえもんの好物だからという意味だが、小泉自身の好物のひとつでもある。自宅の台所「食魔亭」で、様々な料理を供すこともある。またニュースステーションにも「食の快楽」という特集で度々出演して、久米宏、森永卓郎らとスタジオで舌鼓を打っていた。
2005年8月に江戸前の定義を規定した水産庁の『豊かな東京湾再生検討委員会食文化分科会』の会長を務めた、また『クジラ食文化を守る会』の会長でもあり、毎年、超党派の議員を50人程招いた鯨肉の食事会を行い、鯨肉を安価に流通させる為の補助金の増加を懇願している(『食で日本を立て直せ』129-130頁)。
漫画『もやしもん』の樹慶蔵のモデルになったとの説があるが、作者の個人サイトにて否定されている(小泉本人はモデルと発言[1] )。
東京農業大学を定年退職後はかねてから念願であった小説家になり、食品文化を題材とした時代小説を発表している。
著書[編集]
- 1982年に講談社現代新書で刊行した『酒の話』以来、文庫再刊などを入れると百数十冊になる、一部のみ記す。
- 『酒の話』(1982年12月 講談社現代新書)
- 『灰の文化誌』(1984年12月 リブロポート)
- 『匂いの文化誌』(1989年4月 リブロポート)
- 『発酵』(1989年4月 中公選書)
- 『日本酒ルネッサンス 民族の酒の浪漫を求めて』(1992年11月 中公選書)
- 『酒肴奇譚 語部醸児之酒肴譚』(1994年3月 中央公論社 / 1997年10月 中公文庫)
- 『語部醸児の粗談義 ぜんぶ魚のアラの話』(1995年4月 中央公論社)
- 『平成養生訓 諺に学ぶ生きる知恵』(1996年2月 講談社)
- 『銘酒誕生 白酒と焼酎』(1996年7月 講談社現代新書)
- 『「味覚人」飛行物体』(1997年9月 時事通信社)
- 『味噌、醤油、酒の来た道』(1998年2月 小学館ライブラリー)
- 『灰に謎あり』(1998年7月 NTT出版)
- 『酒に謎あり』(1998年10月 講談社 / 2004年8月 日経ビジネス人文庫)
- 『地球を快食する』(1999年4月 文藝春秋)
- 『粗談義』(1999年4月 中公選書)
- 『発酵』(1999年9月 中公選書)
- 『発酵食品礼讃』(1999年11月文春新書)
- 『日本酒百味百題』(2000年4月 柴田書店)
- 『納豆の快楽』(2000年7月 講談社 / 2006年12月 講談社文庫)
- 『漬け物大全 美味・珍味・怪味を食べ歩く』(2000年10月 平凡社新書)
- 『小泉武夫の世にも不思議な食の世界』(2001年7月 日本経済新聞社)
- 『憂国の情に駈られて』(2001年10月 東京農業大学出版局)
- 『蟒之記 』(2001年11月 講談社)
- 『食と日本人の知恵』(2002年1月 岩波現代文庫)
- 『FT革命』(2002年6月 東洋経済新報社)
- 『発酵する夜』(2002年6月 新潮社)
- 『食の堕落を救え!』(2002年6月 廣済堂出版)
- 『不味い!』(2003年5月 新潮社 / 2005年12月 新潮文庫)[2]
- 『くさいはうまい』(2003年7月 毎日新聞社 / 2006年7月 文春文庫)
- 『冒険する舌』(2003年11月 集英社インターナショナル)
- 『人間はこんなものを食べてきた 小泉武夫の食文化ワンダーランド』(2004年2月 日経ビジネス人文庫)[3]
- 『小泉教授が選ぶ食の世界遺産 日本編』(2004年6月 講談社 / 2007年5月 講談社文庫)
- 『我輩はビールである』(2004年8月 廣済堂出版)
- 『食の堕落と日本人』(2004年9月 小学館文庫 / 新版 2010年8月 東洋経済新報社 プレミア健康選書)
- 『小泉武夫 食のワンダーランド』(2005年1月 日本経済新聞社)
- 『くさいものにはフタをしない』(2005年4月 幻戯書房 / 2008年5月 新潮文庫)
- 『小泉式 食べ物養生訓108』(2005年5月 講談社+α文庫)
- 『地球を肴に飲む男』(2005年7月 講談社文庫)
- 『沈まないトマト 食の堕落で日本が危ない』(2005年7月 ジュリアン出版)
- 『ぶっかけめしの快感』(2005年1月 ビジネス社 / 2009年5月 新潮文庫)
- 『美味巡礼の旅 味覚人飛行物体』(2005年11月 毎日新聞社)
- 『発酵は錬金術である』(2005年11月 新潮選書)
- 『発酵レストラン』(2005年12月 マガジンハウス)
- 『旅せざるもの食うべからず』(2006年3月 光文社)
- 『菌が地球を救う!』(2007年9月 宝島社
- 『ニッポン快食紀行 美味はスゴイ!』(2008年5月 小学館文庫)
- 『キムチの誘惑 神秘の発酵食をめぐる韓国快食紀行』(2008年5月 情報センター出版局)
- 『いのちをはぐくむ農と食』(2008年7月 岩波書店)
- 『わが輩は発酵仮面である!』(2008年11月 東洋経済新聞社)
- 『発酵美人』(2009年6月 メディアファクトリー)
- 『食で日本を立て直せ』(2009年6月 ソニーマガジンズ トレビズ選書)
- 『鯨は国を助く』(2010年4月 小学館)-資料協力、日本鯨類研究所
- 『カイチュウ博士と発酵仮面の「腸」健康法』(2010年5月 中経出版)※藤田紘一郎共著
- 『発酵食品の魔法の力』(2010年5月 PHP新書)
- 『食の堕落と日本人 新版(プレミア健康選書)』(2010年8月 東洋経済新報社)
- 『絶倫食』(2010年8月 新潮社 / 2013年1月 新潮文庫)
- 『食は知恵なり 自然のちから 親子で学ぼう!美味しさの秘密がわかる本』(2010年11月 日テレムック)
- 『日本全国納豆博覧会』(2010年12月 東京書籍)
- 『「食魔亭」日録 小泉武夫の胃袋を覗く』(2011年6月 祥伝社)
- 『一度は食べたい美味いもの漫遊記』(2011年6月 中経の文庫)
- 『発酵人小泉武夫のうまいもん!くさっ!美味の巻(ぐる漫)』(2011年9月 少年画報社)
- 『賢者の非常食』(2011年10月 IDP出版)
- 『すごい和食(ベスト新書)』(2011年11月 ベストセラーズ)
- 『こころをよむ 食べるということ 民族の食文化』(2011年12月NHK出版)
- 『食べもの日本地図鑑(ちず+ずかん=ちずかんシリーズ)』(2012年3月 平凡社)
- 『発酵食品学(KS農学専門書)』(2012年4月 講談社)
- 『小泉武夫のほんとうに美味しい話 愛蔵特選』(2012年7月 海竜社)
- 『食で日本一の孫育て 虎の巻』(2012年9月 マガジンハウス)
- 『いのちと心のごはん学』(2012年11月 NHK出版)
- 『小泉武夫のミラクル食文化論』(2013年4月 亜紀書房)
- 『土の話』(2013年3月 石風社)※イラスト:黒田征太郎
- 『すべてがわかる!発酵食品辞典(食材の教科書シリーズ)』(2013年6月 世界文化社)
- 『缶詰に愛をこめて』(2013年11月 朝日新聞出版)
- 『いきいき・ビンビン 和食生活のすすめ』(2013年12月 東京堂出版)
- 『発酵はマジックだ』(2014年11月 日本経済新聞社)
- 『小泉武夫のチュルチュルピュルピュル九州舌の旅』(2014年12月 石風社)※松隈直樹共著
- 『絵でわかる麹のひみつ (KS絵でわかるシリーズ)』(2015年2月 講談社)※おのみさ 絵 レシピ
- 『小泉武夫 食のベストエッセイ集』(2015年3月 IDP出版)
- 『くさい食べもの大全』(2015年3月 東京堂出版)
食あれば楽ありシリーズ[編集]
- 『食に知恵あり』(1996年9月 日本経済新聞社 / 2002年12月 日経ビジネス人文庫)
- 『食あれば楽あり』(1999年6月 日本経済新聞社 / 2003年7月 日経ビジネス人文庫)
- 『食に幸あり』(2002年10月 / 2005年2月 日経ビジネス人文庫)
- 『小泉武夫の料理道楽食い道楽』(2008年2月 日経ビジネス人文庫)
- 『小泉武夫の美味いもの歳時記』(2008年12月 日経ビジネス人文庫)
- 『小泉武夫の快食日記 食あれば楽あり6』(2011年2月 日本経済新聞社)
怪食紀行シリーズ[編集]
- 『アジア怪食紀行 「発酵仮面」は今日も行く』(2001年4月 徳間書店 / 2004年1月 光文社 / 2005年3月 光文社知恵の森文庫)
- 『中国怪食紀行 我が輩は「冒険する舌」である』(2003年2月 光文社知恵の森文庫)
- 『地球怪食紀行 「鋼の胃袋」世界を飛ぶ』(2005年3月 光文社知恵の森文庫)
小説[編集]
- 『夕焼け小焼けで陽が昇る』(2013年3月 講談社文庫)
- 『猟師の肉は腐らない』(2014年7月 新潮社)