5/30 土 夕刊
6/1 月 朝刊
奈良や京都、千葉の寺社などに油のような液体がまかれた事件に絡み、米国在住で東京都内に拠点があるキリスト教系の宗教団体幹部(52)が各地で油をまいたことを認める発言をしていたことが関係者への取材でわかった。千葉県警は、この幹部が県内で油をかけた疑いが強まったとして、建造物損壊容疑で逮捕状を取った。奈良県警と京都府警も幹部が一連の事件に関与したとみて慎重に調べる方針。
捜査関係者によると、この男性幹部は3月下旬、千葉県香取市の香取神宮の建造物に液体をかけた疑いが持たれている。防犯カメラに液体を投げつける姿が映っていたという。
関係者によると、この男性幹部は東京都出身で2013年に教団を設立。遅くとも同年夏ごろから中国地方の城や神社、九州地方の神社で「お清め」と称して油をまいたことを信者向けの集会で証言。「日本の寺社を油で清め、日本人の心を古い慣習から解放する」などと語ったという。この教団には東京と大阪を中心に100人以上の信者がいるとされる。
油のような液体がまかれる被害は今年2月、世界遺産・二条城(京都市)で最初に確認され、3月以降は東寺(同)や東大寺(奈良市)、成田山新勝寺(千葉県成田市)などで相次いだ。警察庁のまとめでは、5月7日までに14府県43カ所で確認されている。
このうち、奈良県内の複数の寺社でまかれた油の成分が奈良県警の調べで一致したことがわかっている。さらに、奈良県内の6寺社と京都の東寺、千葉の成田山新勝寺などの防犯カメラに、油をまくような不審な動きをする男が映っていたことも京都府警や千葉県警の捜査で判明した。
捜査関係者によると、男は中年で中肉中背。フード付きの黒っぽいパーカ姿でストラップ付きのカメラを持っていた。この男は教団幹部と背格好がよく似ており、関係者によると幹部はよくカメラを持って外出していたという。移動にはレンタカーを使ったとみられ、千葉、奈良、京都の各府県警は連絡をとって詰めの捜査をしている。
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