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この項目では、乳製品について記述しています。その他の用法については「蘇 (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
蘇(そ)は、古代の日本で作られていた乳製品の一種。8世紀から10世紀にかけての頃、日本で最初に作られたチーズである。
製造方法は、延喜式の中にも記録されている(物納として用いられたことから)。また、蘇をさらに熟成・加工して醍醐(チーズ様の乳製品)も作られた。
概要 [編集]
文武天皇期(697–707年)に蘇が作られた最初の記録がある。典薬寮の乳牛院という機関が生産を担っており、薬や神饌としても使われていた。
産地 [編集]
主な生産地として、摂津国・味原(あじふ)の乳牛牧(ちちうしまき、ちちゅうしまき。現在の大阪市東淀川区の一部にあたる)などが知られている。
製法 [編集]
ラムスデン現象によって牛乳に形成される膜を、箸や竹串などを使ってすくい取り、集めた物が蘇である(なお、同じ行程を豆乳で行った場合にできるのは湯葉[ゆば]である)。加熱するだけで、熟成を行わないため、フレッシュチーズに分類される。
食味 [編集]
味は淡白で、カッテージチーズに近い味わいがある。ジャムと混ぜて食べると美味である。ミルクケーキの甘さを少なくしたような味で、牛乳の濃厚な香りがする。