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ローマ(CNN) ローマ法王ベネディクト16世が28日、正式に退位した。法王の存命中の退位は598年ぶり。信者は別荘前に集まって最後の別れを告げ、短文投稿サイト「ツイッター」のローマ法王のページは「Sede Vacante(空席)」という名称に切り替わった。
ベネディクト16世はこの日、枢機卿やローマ法王庁職員らの盛大な拍手に見送られてバチカンを離れ、ヘリコプターでローマ近郊のカステル・ガンドルフォにある別荘に到着した。
別荘前に集まった約1万人の信者を前にベネディクト16世は、「私はもはや法王ではない。この世における巡礼の最後をたどり始めた1人の巡礼者だ」と述べ、「主と共に、教会のため、そして世界のために前進を。ありがとう」の言葉を残してわずかに微笑み、十字を切って建物の中に姿を消した。
ベネディクト16世が公の場に姿を見せるのは、恐らくこれが最後となる。法王の警護に当たってきたスイス衛兵は公務終了時刻の午後8時、敬礼して扉を閉め、バチカン警察と交代。「名誉法王」となったベネディクト16世は、別荘で数週間過ごした後に、バチカンの小さな修道院に移る。
バチカンにある法王の公邸の入口は次の法王が決まるまで封印され、法王の象徴の「漁師の指輪」と紋章は、傷を付けることによって「破壊」される。