梅(うめ) 【季語の分類一覧】
好文木(こうぶんぼく《かうぶんぼく》) 花の兄(はなのあに) 春告草(はるつげぐさ) 野梅(やばい) 白梅(はくばい) 臥竜梅(がりょうばい《ぐわりようばい》) 豊後梅(ぶんごうめ) 枝垂梅(しだれうめ) 盆梅(ぼんばい) 老梅(ろうばい《らうばい》) 梅が香(うめがか) 夜の梅(よるのうめ) 梅林(ばいりん) 梅園(ばいえん《ばいゑん》) 梅の里(うめのさと) 梅の宿(うめのやど) 梅月夜(うめづきよ) 梅日和(うめびより) 梅二月(うめにがつ《うめにぐわつ》)
「春-植物」の季語
バラ科の落葉小高木の花。中国原産で、日本へは八世紀ごろには渡ってきていたとみられる。『万葉集』には一一九首もの梅の歌が収められ、花といえば桜よりも梅であった。春先、高い香気を放って馥郁(ふくいく)と咲く。水戸市の偕楽園や奈良県月ケ瀬などは梅の名所。
→ 梅見
→ 探梅(冬)
山里や井戸の端なる梅の花 鬼貫
梅が香にのつと日の出る山路かな 芭蕉
しら梅に明る夜ばかりとなりにけり 蕪村
夜の梅寝(い)ねんとすれば匂ふなり 白雄
母の死や枝の先まで梅の花 永田耕衣
近づけば向きあちこちや梅の花 三橋敏雄
ふろしきの紫たたむ梅の頃 大峯あきら
青天へ梅のつぼみがかけのぼる 新田祐久
曙や蘂を離さず梅ひらく 島谷征良
野の暮れにひとたびまぎれ野梅咲く 岡田日郎
梅しろくたそがれ給ふ仏たち 草間時光
勇気こそ地の塩なれや梅真白 中村草田男
白梅の花に蕾に枝走る 倉田紘文
白梅や父に未完の日暮あり 櫂未知子
枝垂梅とうとうたらりしだれたり 徳永山冬子
枝垂るるはいかなる力しだれ梅 片山由美子
梅林や人ちらばりてなきごとく 五十嵐播水
梅林の真中ほどと思ひつつ 波多野爽波
月ひかりだすまでゐたり梅林 飴山實
合本 俳句歳時記 第四版 (C) 株式会社角川学芸出版 2008
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。