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厄年
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厄年(やくどし)は、日本などで厄災が多く降りかかるとされる年齢のことである。 平安時代にはすでに存在し、科学的な根拠が不確かで起源も曖昧だが、根強く信じられている風習である。
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由来 [編集]
陰陽道に起源があると考えられているが出典は定かではない。江戸時代の寺島良安の和漢三才図会には、「いまは俗に男25、42、61、女19、33、37、男は42をもって女は33をもって大厄となす。其のよってくる所を知らず、男42の前年を前厄、翌年を挑厄(はねやく)といい、前後3年を忌む」(最近、ちまたでは男性の25歳、42歳、61歳、女性の19歳、33歳、37歳を厄年だといっており、男の42歳と女性の33歳は大厄だといっている。しかしその由来は不明である。男性41歳を前厄、43を挑厄といい、41~43歳の前後三年は注意してすごさなければならないといっている)とある。経験則的にこの時期に人生の節目になるとされている年だと三橋健は述べている。また、小松和彦は「平安時代は貴族は毎年厄払いをしていた。江戸時代に入って暦の普及とともに厄年も普及し神社仏閣での厄除けが流行した。現代は成人儀礼として行われている」と述べている。[1]
概要 [編集]
男性 | 女性 | ||||
---|---|---|---|---|---|
前厄 | 本厄 | 後厄 | 前厄 | 本厄 | 後厄 |
24歳 | 25歳 | 26歳 | 18歳 | 19歳 | 20歳 |
41歳 | 42歳 | 43歳 | 32歳 | 33歳 | 34歳 |
60歳 | 61歳 | 62歳 | 36歳 | 37歳 | 38歳 |
一般的に男性と女性の厄年は異なり、本厄は男性の場合は、数え年で25歳、42歳、61歳、女性の場合は19歳、33歳、37歳とされている[2][3]。特に男性の42歳、女性の33歳は大厄と呼ばれ、凶事や災難に遭う率が非常に高いので十分な警戒を要するとされている。なお数え年は、誕生日前の場合は +2歳、誕生日を迎えている場合は +1歳を足して計算する。
いずれの厄年にもその前後1年間に前厄(厄の前兆が現れるとされる年)・後厄(厄のおそれが薄らいでいくとされる年)の期間があり、本厄と同様に注意すべきとされる。また、地域や宗派などによっては61歳の還暦を男女共通で厄年とする場合もある。
厄年の根拠 [編集]
厄年は出典も不明な風習ではあるが、ある程度統計学や医学的に説明できる「生活の知恵」である。 その為医学的な厄年の説明なども行われており、日本医科大学の病理学者だった金子仁は「厄年の科学」という研究を発表している。 まず、19歳、25歳は青春期に当たり、また33歳、42歳は青春期を過ぎ、中高年期への過渡期に当たる事から、人生のうちでも曲がり角でもあり、男性の場合は社会的にも責任が重くなり、それゆえ精神的・肉体的にも疲労などが多く、女性の場合は子育てあるいは主婦として非常に多忙な時期でもあり、不慮の事故やけが、病気なども起こりやすいとされている。統計的にも男性42歳は免疫力低下、女性33歳はホルモン分泌の低下が見られ、 体調不良が起こりやすいという。[4]また女性の33歳ごろの離婚率も高い。[5] それゆえ本厄の年に「厄祓い」・「厄除け」を行い、神仏の加護を受けて凶事や災難を未然に防ぐ慣習がある。また、凶事が起こらなくとも、大厄の年齢では肉体的にも体力の低下や反射神経の鈍化など、衰退が顕著になる時期でもあり、医師の診察を受けた際に体調不良を訴えやすいともいう。健康管理などの面でも注意が要される年頃でもあるともいう。
なお広義の厄年に、七五三を含める地方もある。この場合男性女性ともに厄年の最少年齢は3歳(数え年)になる。
厄年のような考え方は、陰陽道や神道、仏教が伝わった国だけのものではなく、イギリスやスペインといったキリスト教国、エジプトやトルコといったイスラム教国にも同じような風習がある[6]。
また、地方に幅広く根付く風習でもあるため、単純に厄除け参りを行うだけではなく、地域を挙げての行事として祭りのように祝う事もある。
このほか、厄年の数え方も25歳を「五五の厄年」など掛け算にするなどの風習もある。
厄除けで有名な神社仏閣 [編集]
関東 [編集]
関東厄除け三大師や関東の三大師以外
(参考:関東三大師)
東海 [編集]
近畿 [編集]
- 石清水八幡宮
- 八坂神社
- 平安神宮
- 清荒神清澄寺(通称:清荒神)
- 門戸厄神東光寺(通称:門戸厄神)
- 大聖観音寺(通称:我孫子観音)
- 多井畑厄除八幡宮(通称:多井畑厄神)
- 立木山寺(通称:立木観音)
- 信貴山千手院(通称:信貴山毘沙門天)
中国 [編集]
四国 [編集]
関連項目 [編集]
出典 [編集]
- ^ 厄年についての特集記事
- ^ 日本神社暦編纂會編『神社暦』
- ^ ただし、川崎大師だけは数え年ではなく満年齢で厄年を計算する。川崎大師ホームページ
- ^ 福岡県社会福祉士会
- ^ 厄年についての特集記事
- ^ 佐野厄除大師のページ、中段参照
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