今夕は、アゼンダ21すいた 交通部会の勉強会。
そのテキストです。
柴田さんの労作です。
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Ⅰ新交通システム |
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新交通システム(しんこうつうシステム)とは、日本における従来の鉄道とは異なった方式による軌条式中小量輸送システムの呼称。 |
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広義には、モノレール・AGT・ゴムタイヤトラム・ガイドウェイバス・ライトレール・鉄輪式リニアモーターカー・HSST・スカイレール・IMTSなど全般を指すが、一般的には「AGT (Automated Guideway Transit)」のことを「新交通システム」と呼ぶことが多い。日本以外ではVAL、ライト・レール・トランジット(LRT)などがAGTと類似のシステムである。
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2008年に開業した東京の日暮里・舎人ライナー(AGT) 日本初のAGTポートライナー |
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概要 |
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現在開発されているの新交通システムは、磁気浮上式のHSST以外は全てゴムタイヤ走行であるが、中でも新交通システムとして最も注目されたシステムがAGTである。AGTは1981年に初めて無人の営業路線として導入されて以来、2008年現在も新しい路線が開業している。ゴムタイヤ使用の新交通システムは、AGT以外にもモノレール・ゴムタイヤトラム・IMTS・ガイドウェイバス・スカイレールなどがある。実験段階のものには、東京大学が実験線を建設している、位置エネルギーを利用した動力ゼロの省エネ型都市交通システム『エコライド』がある。 |
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札幌市交通局が運営する地下鉄もゴムタイヤで走行する案内軌条式鉄道だが、開業したのは日本にAGTが導入される前の有人運転であり、また新幹線を除く日本の鉄道車両の中でこの地下鉄は最大寸法車両であるため、新交通システムの中には含めないのが一般的である。 |
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新交通システムの事業者は、補助金交付などの関係から第三セクター会社あるいは地方公営企業(交通局)といった公的組織が多く、純民間企業によるものは山万ユーカリが丘線と西武山口線の2路線のみである。 |
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法規上は、鉄道事業法に基づく「鉄道(案内軌条式鉄道)」と軌道法に基づく「軌道(案内軌条式)」の両方が存在するが、いずれか一方によるケースの他、道路占用や開発事業に係る補助金などの関係で両方が混在しているケースも少なくない。また、都市計画法の定める都市施設では、AGTなどの新交通システムは都市計画道路のうちの「特殊街路」に分類される。ガイドウェイバスはガイドウェイで案内されて走行する専用軌道区間についてのみ軌道法が適用され、バスとして一般道路を走行する区間は道路運送法や道路交通法などが適用される。スカイレールも軌道(懸垂式モノレール)として軌道法による特許を受けている。 |
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・AGT |
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AGT (Automated Guideway Transit) は案内軌条式鉄道の一種で、専用軌道をゴムタイヤを使って走行する中量輸送機関である。路線の側方の案内軌条に併設された給電線より給電しモーターで走行する。架線がないため沿線の美観を損ねにくく、ゴムタイヤを使用するため沿線への騒音や振動も少ない。またゴムタイヤの摩擦力の大きさを活かした急勾配路線も可能となるため、過密な都市内や幹線道路上に高架橋などを設け建設することも可能である。鉄レールを用いず小型車両を用いることで軌道・車両を含めた総合的な軽量化が可能なことから、長大橋梁がルート上に存在する路線では採用例が多くなっている。 |
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一般的には各駅ホームの線路側にも囲いと扉が設けられ、ホームと車両の人の出入りをセンサーで感知することによって無人の全自動運転が行われている事例が多い。 |
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モノレールとの大きな違いは、緊急時に乗客が走行路線へ出ることができる点にある。 |
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車両は車体に1つないしは2つのドアを持つ小型車両で、ゴムタイヤによる走行音の小ささや建設費の安さだけでなく、何よりその近未来的なイメージが大都市近郊の自治体などに注目された。一般の鉄道よりも手軽な公共交通機関として、郊外に造成されたニュータウンなどの住民の足として建設が進んだ。 |
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東京大学生産技術研究所による建設費の比較では、新交通システムは約100億円/Km、モノレールは約120億円/Km、ミニ地下鉄は約220億円/Km。 |
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・ゴムタイヤトラム |
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ゴムタイヤトラムとは、軌道の中央に一本の案内軌条を設置し、もしくは道路上の塗装や磁気マーカを仮想レールとみなし、ゴムタイヤで走行するライトレールの一種。厳密には「ライトレール」とは言えない部分も多い為、BRT (Bus Rapid Transit) に区分される場合もある。上空の架線より給電するのは路面電車と同じだが、ゴムタイヤで走行するため路面電車に比べ騒音が少ない。また3両程度連結できることからトロリーバスに比べ多くの人を運ぶことが出来る。路面電車とトロリーバスの長所を併せ持つ新しい交通機関である。フランスで開発され、大きく分けて3つの方式がある。 |
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・ガイドウェイバス |
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ガイドウェイバス (Guideway Bus: GBS) とは、バス車両を利用した案内軌条式鉄道である。日本では、新交通システムとして取り上げられることが多いが、日本以外では基幹バス (BRT) の一種として認識されることが一般的である。
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名古屋ガイドウェイバス 案内装置(イギリス) |
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・ライトレール・トランジット(LRT) |
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しかし、車道と併用した(併用軌道)路面電車として走行できるため、近年、都市内交通との親和を図った一部の路線が低床式の新型路面電車として注目され、新交通システムという認識が強い。 |
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マンチェスターのLRT |
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LRTと旧京都市電はどのように違うのですか。 |
近年,海外で導入されているLRTは,旧京都市電に比べ,車両の性能が大きく向上しており,表定速度が高く,輸送量が増加したことに加え,バリアフリー化され,乗り心地も大きく改善されています。そのためLRTは,導入されているそれぞれの都市において,誰もが利用しやすい便利な公共交通として位置づけられています。 |
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・鉄輪式リニアモーターカー |
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鉄輪式リニアモーターカーとは、動力にリニアモーターを使い通常のレールと車輪によって走行する列車のことで、地下鉄で多く実用化されている。鉄車輪式、接地式ともいい、鉄輪式以外にゴム輪なども可能である |
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鉄輪式リニア(横浜市営地下鉄) 鉄輪式リニアのリアクションプレート(レール間) |
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・HSST |
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HSST(High Speed Surface Transport、エイチエスエスティ)は、日本で開発が進められている磁気浮上式鉄道のことである。日本航空と名古屋鉄道が中心となり開発が進められ、運転速度および輸送能力に応じてHSST-100、HSST-200、HSST-300の3システムが開発された。このうちHSST-100形が1989年の横浜博覧会で国内初の営業運転。2005年3月に初の常設実用線として愛知高速交通東部丘陵線が営業運転を開始した。
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HSST-03形(岡崎南公園) 100形電車(愛知高速交通東部丘陵線) |
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・スカイレール |
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スカイレールとは、ロープウェイのゴンドラのような形をした懸垂式モノレール車両を、駅間ではワイヤロープで、駅構内ではリニアモーターを用いて駆動する方式の交通システムで、懸垂式モノレールとロープウェイを組み合わせたようなものである。「ロープ駆動式短距離交通システム」、「ロープ駆動懸垂式短距離少量輸送軌道システム」とも呼ばれる。神戸製鋼所・三菱重工業などが共同で開発した。 |
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車体の支持・案内を桁構造と車輪で行っているため風に強く[1]、ロープウェイやゴンドラリフトなどといった従来の急勾配向けの交通システムの弱点を克服している。 |
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運行速度は18km/h - 25km/h。常用平均加速度2.5km/h/s 常用平均減速度3.5km/h/sの加速度性能を持ち、27%(約15度)の急勾配、半径30mの急カーブにも対応できる走行性がある。 「スカイレールタウンみどり坂」のような丘陵地の上に造られた住宅地と最寄の駅を結ぶ短距離の交通機関などに向いている。 |
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・IMTS |
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IMTS(アイエムティーエス、Intelligent Multimode Transit System)は、電波磁気誘導式のバス。 |
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新交通システム、国の奨励する高度道路交通システム (ITS) の一種でもあり、トヨタ自動車を始めとするトヨタグループが1999年から開発に着手していたもの。レーザーレーダー、路車間、車車間通信と、路面に埋め込まれた磁気ネイルによって操舵、誘導される。専用路では、発進、停止、10台程度の隊列走行などの運転が無人でできる特徴を持つ。一般道路上では、通常の有人運転により、バスとして運行が可能とされる。
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・BRT(Bus Rapid Transit)システム |
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●概論 |
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「サーフィスサブウェイ」などとも呼ばれる基幹バスの運行スタイルです。 |
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物理的に隔離された専用走行路を走行し、近代的な駅、ハイテク車両を用いて高頻度・高速サービスを実現する都市公共交通システムで、バスを用いることで安価かつ効率的な整備が可能というシステムとして途上国や地形的にLRTが導入できない地域で注目されています。 |
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このシステムの先進事例はブラジルのクリチバにおけるバスシステムで、以後、その変形として、ボゴタ(コロンビア)、ポルトアレグレ、サンパウロ(ブラジル)など中南米で発展してきたシステムです。そして、最近では安価でシームレスな輸送環境形成が可能という特性から先進諸国でも導入がされており、マイアミ、ピッツバーグ(アメリカ)、オタワ(カナダ)、ソウル(韓国)などでも既存バスシステムのリニューアルやLRTネットワークの拡大の一環として導入が進められており、ホノルルや成都、杭州(中国)などでの導入も進んでいます。 |
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●特徴 |
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多くの都市で完全に分離された専用走行路を走行し、バス停も「駅」というものに近い高いレベルのサービスを提供しています。 |
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名古屋市の基幹バスと似ていますが、走行空間がより専用化している点に特徴があります。 |
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特にソウルのBRTは名古屋と類似していますが、一般車の混入を終日認めていないこと、物理的に分断されていることなどからLRTに近いものといえます。
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分離空間が特徴(ソウル) バス停は路面電車の電停並の規模(ソウル) |
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このような高いサービスでありながら建設コストは非常に安価であり、特に施設の負担はありません。クリチバのようにプラットフォームを用意するのであれば別ですがそれでも軌道系に比べ大幅に安価であり、北米などの例から見ると、1kmあたり5億円弱で建設が可能とされています。 |
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LRTなどの鉄軌道システムのプレシステムとして、また、幹線バスの近代化・高度化方策として期待できます。 |
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・エコライド |
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市街地に“ジェットコースター” 東大生産技研など4年後めど実用化 |
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ジェットコースターの走行技術を応用した省エネ型都市交通システムの実験線が東京大学生産技術研究所千葉実験所(千葉市稲毛区)に完成した。線路に設けた高低差を利用することで省エネ走行を行う。都市部の短距離交通システムとして4年後の実用化を目指す。 |
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「エコライド」と名付けられた交通システムは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、遊園施設メーカーの泉陽興業(大阪市浪速区)と東大生産技研、三菱総合研究所など研究チームが2006年度から開発を進めている。実験線は約100メートルで高低差約3メートル。時速約20キロで走行する。 |
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ジェットコースター技術を応用したエコライド。省エネ型都市交通として注目が集まる=千葉市稲毛区 |
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遊園地のジェットコースターの技術を応用し、ワイヤで巻き上げることで登坂し、下り坂で加速、走行するのが特徴。ブレーキ時に発生する摩擦エネルギーを電力として回収し、平坦区間を走行する際に活用する。車両に駆動装置が搭載されていないことから小型軽量化がはかられ、走行エネルギーの大幅低減につながる。乗車率50%で乗客1人が1キロ移動する際にかかるエネルギー消費量はバスの3分1、鉄道の2分の1に相当する。1キロ当たりの建設費も20億~25億円で、モノレールなどの5分の1程度に削減できるという。線路や駅舎などもコンパクト化でき、中央分離帯を利用して建設できることから用地手配が容易なのも利点だ。 |
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エコライドは10キロ未満の短距離向け交通機関として検討されている。無人運転で時速20~30キロ、最大勾配(こうばい)は7.4度。具体的には、幹線鉄道駅と住宅地、商業観光施設、病院など公共施設を結ぶものや大規模開発地内の循環、幹線鉄道駅と近接幹線鉄道駅結ぶ交通手段として活用の道を探る。 |
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泉陽興業では「環境へのやさしさを売りに、乗り心地の向上や安全性実験を進めて、早期実用化を目指したい」としている。 |
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2006年に開業し、予想を上回る利用客を集めた富山ライトレール(富山市)の成功を契機に、LRT(次世代型路面電車)の導入を検討する自治体が増えている。 |
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交通渋滞解消や中心市街地活性化の切り札としての期待も大きく、エコライドの実用化に向けた追い風になりそうだ。 |
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・デュアルモードバス(でゅあるもーどばす) |
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dualmode bus |
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新交通システムの一種。専用路走行中はゴムタイヤをつけた無人電車として機能し、専用路から出たときは運転手の操作による電気バスとまったく同じ機能で、自在に小区間運転ができる乗合式陸上交通システム。大阪市のニュートラムや神戸市のポートライナーが鉄道の技術を基調として発想されたのに対して、デュアルモードバスは道路を走るバスを基調として、一定区間は専用道路を無人運転で渋滞なく高速で走れるように考え出された。車両は電気バスの構造で、一般道路に進出した場合に有人車として機能するため、操舵(そうだ)ハンドルを有する運転席がある。専用の路線上では、案内壁によって機械的あるいは電気的に進路を誘導されて自動運転する。専用路線から出たときは運転手が乗り込んで、一般自動車と同様にハンドル操作で有人運転する。ただし、一般道路走行のときは蓄電池かディーゼル機関駆動装置が必要である。 |
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これと似た公共交通システムとしては、JRが1956年に試作したアンヒビアバス(真岡(もうか)線で試用)とか、現在アメリカで実用化されているロードレーラーRoadrailer方式貨物輸送システムがある。後者は鉄道用の連結器と鉄車輪を使ってゴムタイヤ式一般用自動車トレーラーを貨物列車に連結する方式である。 |
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Ⅱ新交通システム(しんこうつうしすてむ) |
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在来の一般の鉄道が、鋼鉄製のレールの上を鉄の車輪によって走行する方式であるのに対し、新交通システムは、ゴムタイヤ車輪によって専用軌道を走行する公共交通機関である。広義には最近の新技術開発によって誕生した種々の方式の交通システムを包含してとらえる場合もあるが、狭義には、日本でいうと東京の臨海地区を走っている「ゆりかもめ」(東京臨海新交通臨海線)や大阪市の「南港ポートタウン線」(ニュートラム)、神戸市の「ポートアイランド線」(神戸新交通)のように、ゴムタイヤ車輪によって案内レールに沿って走行する方式の鉄道をさしている。日本の法規上(鉄道事業法など)ではJRや一般の私鉄のような粘着方式の鉄道を普通鉄道、ゴムタイヤ車輪と案内レールによって専用軌道を走行する新交通システムのような鉄道を案内軌条式鉄道automated guideway transit(AGT)としている。 |
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新交通システムの輸送力は1時間当り5000~1万5000人くらいであり、バスよりは多く、高速鉄道よりは少ない、中量輸送機関としてとらえられている。 |
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ゆりかごめ |
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案内軌条式のメカニズム |
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種々の方式がある新交通システムのうち、実用例の多い案内軌条式のメカニズムについて触れておきたい。 |
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案内軌条式はコンクリート製の凹形をした軌道をゴムタイヤの車輪によって走行するが、走行車輪とは別に案内用の車輪があり、これが案内レールによってガイドされて走る。この案内レールの配置によって、側面にある側方案内方式と中央にある中央案内方式に分けられる。日本では側方案内方式が多く、神戸新交通、ゆりかもめ、大阪市のニュートラムなどが採用している。中央案内方式は千葉県の山万ユーカリが丘線が採用している。一般の鉄道でいうポイント、線路の分岐は側方案内方式では案内車輪が軌道に設けられた可動案内板によってガイドされて所定の進路方向に進むので、軌道を見ても鉄レールのポイントのような分岐部は見当たらない。車両は小型の2軸車を連結して運転しているが、車輪は車体に拘束されておらず、自動車の前輪のようにステアリング(ハンドル操作)できるのが一般的である。 |
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走るための動力は電気であるが、架空電車線はなく、軌道の側面に設けられた電車線から小型の集電装置で集電してモーターによって車輪を駆動している。電圧は直流750ボルトか三相交流600ボルトが標準である。列車の運転は自動列車運転装置(ATO)による無人運転かワンマン運転である。無人運転の車両でも異常時などに備えて運転台を設備しているが、通常時はカバーで覆われている。ブレーキを含めた運転制御は二重系としており、一系統がトラブルをおこしても安全であるようにシステムが組まれている。これらの運行管理は、駅の案内放送およびホームドアも含めて中央指令所のコンピュータで列車の運転状態などを監視しながら制御されていることが多い。 |
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広義の新交通システム |
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広い意味での新交通システムとしてとらえられている方式のうち、おもなものを次に紹介する。 |
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・懸垂式モノレール |
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ロープウェーに近いモノレールといえる構造で、鋼製の軌道桁(けた)に走行輪と案内輪が接して走るが、中間部では軌道桁に張られたロープをつかんで走行、駅から出発するとき、停車するときはリアクションプレートという地上側に設けられたコイルの電磁力により加速、減速する方式である。したがって車両には動力はなく、ロープは地上の滑車の回転により動いている。広島県のスカイレールサービスがこの方式である。 |
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・ガイドウェーバス |
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専用の走行路(ガイドウェー)を案内装置によって走行するバスで、案内輪を車両に取り付けている。このため運転士はハンドル操作を必要としない。車両は一見、バスと変わらないが、内燃動力(ディーゼルエンジン)の案内軌条式鉄道に含まれている。2001年3月に名古屋市内に名古屋ガイドウェイバス(ゆとりーとライン)として開業している。 |
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・空気浮上・ロープ牽引式 |
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車両に供給された電源で送風機を回転させ、車両の底部から空気を吹き出して浮上させ、この車両をロープで引っ張って走行させる方式で、車両の片方に設置された案内レールでガイドされる。成田国際空港第2旅客ターミナルビル内の本館とサテライトを結ぶシャトルシステムとして走っている。 |
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・磁気ベルト式システム |
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磁石を取り付けた平ベルトを回転させ、車両に取り付けた磁石を吸着走行するものである。1990年大阪で開催された国際花と緑の博覧会で運転されたことがあったが、2001年これと近い方式のモノレールが中央本線猿橋駅(山梨県大月市)と住宅団地を結ぶ交通システム、シャトル桂台として運行を始めている。 |
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このほか海外では電車線を路面に埋設設置しゴムタイヤ車輪で走る架線レスタイヤトラムや、道路に設置されたガイドレールを斜め上から挟み、ゴムタイヤ車輪で走行するガイドゴムタイヤトラムなどが試行実験されている。都市路面交通については環境問題が大きく取り上げられている時期なので、内燃動力にかわる新しい公共交通が各種検討されるようになると思われる。 |
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Ⅲ新交通システムってなに |
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新交通システムとは、従来型の鉄道とバスとの中間の輸送力を持つ、線路などの軌道を走行するタイプの公共交通機関です。 |
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交通渋滞に影響されずに快適に移動でき、バスよりも大きな輸送力を持つ、環境にも優しい乗り物です。 |
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新交通システムには、AGT(Automated Guideway Transit)やモノレール、LRT(Light Rail Transit)などの機種があり、日本や世界の都市で、それぞれの都市の規模に見合ったシステムが導入されていたり、導入に向けた計画が進められています。 |
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主な新交通システム |
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最大輸送力:それぞれのシステムの標準的な車両編成において、ラッシュ時のダイヤで運行した場合の輸送力 |
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表定速度:運行距離を所要時間で割ったもの。停車時間を含めた全区間の平均速度 |
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・リニア地下鉄 |
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システムの概要:動力にリニアモーターを採用し、小型化された車両を使用する地下鉄 |
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特徴:これまでの地下鉄に比べ、建設費が安い、急曲線・急勾配に対応可能 |
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最大輸送力:1時間あたり35,000人 |
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表定速度:時速34キロメートル |
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導入例:都営地下鉄大江戸線(右写真) |
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モノレール |
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システムの概要:1本の走行路の上にゴムタイヤの車両が跨座(またがる)または、懸垂(ぶらさがる)して走行するシステム |
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特徴:AGTに比べ、占用空間が少ない、急曲線・急勾配に対応可能 |
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最大輸送力:1時間あたり26,000人 |
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表定速度:時速20キロメートルから30キロメートル |
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導入例:多摩モノレール(右写真) |
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・AGT(Automated Guideway Transit) |
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システムの概要:高架などの専用軌道を、小型軽量のゴムタイヤ付き車両がガイドウエイに沿って走行するシステム |
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特徴:完全自動運行システムによる無人運転が可能 |
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最大輸送力:1時間あたり20,000人 |
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表定速度:時速15キロメートルから30キロメートル |
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導入例:ゆりかもめ(右写真) |
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・LRT(Light Rail Transit) |
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システムの概要:専用または分離された軌道に、加速性・快適性などを高めた車両が走行するシステム |
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特徴:従来の路面電車の発展型であり、建設費が安く、乗降が容易 |
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最大輸送力:1時間あたり5,000人 |
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表定速度:時速10キロメートルから30キロメートル |
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導入例:富山ライトレール(右写真)
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ガイドウェイバス |
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システムの概要:高架専用軌道を設置し、ガイドレールに沿って走行するシステム |
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・ガイドウエイバス |
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特徴:高架部だけではなく、一般道路も走行できるデュアルモードシステムである |
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最大輸送力:1時間あたり3,000人 |
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表定速度:時速10キロメートルから30キロメートル |
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導入例:名古屋市バス(右写真) |
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広島電鉄「グリーンムーバーmax」 フランス・オルレアンのLRT |
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東京臨海新交通の「ゆりかもめ」(AGT) 千葉ト市モノレール |
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