9/25 月 朝刊
(新世AI)プロポーズ、戸惑ったAI 感情持てるか?喜怒哀楽を数値化
中国船が取ると自国産 日本船が取ると禁輸に 同じ海域のサンマに線引き 処理水放出1カ月
折々のことば:2861 鷲田清一
( 最も速い旅人は、足で歩く人である
(ヘンリー・D・ソロー)
天声人語)栗拾いボランティア
栗拾いのボランティアを募集しています。栗林の持ち主たちの高齢化や人手不足で収穫が難しくなっています。1組2キロまでは、どうぞ無料で持ち帰ってください――。そんな取り組みがあると聞き、山と海に囲まれた佐賀県の伊万里市を訪ねた▼▼▼▼▼毬栗を一ついただき、持ち帰った。毬の裂け目から、ツヤツヤとした三つの栗の実が、くっと顔を出している。まるで秋の訪れを無言で主張するかのように。〈初栗に山上の香もすこしほど〉飯田蛇笏(だこつ)。
9/25 月 夕刊
お帰りサザン、胸騒ぎの茅ケ崎 桑田佳祐さんの地元で10年ぶり凱旋ライブ
「武器の共同生産決定」米を評価 ゼレンスキー大統領
アルメニア系住民、避難始める
侍ジャパン次期監督、井端氏有力 野球
素粒子
人間の尊厳を守るとして国連の機能強化を訴えた首相。そう言うならまず足元から。
◎
先月の国連人権作業部会の声明を官房長官は「法的拘束力はない」と一蹴。独立した人権機関の設立要求も長年たなざらし。それで国連重視?
◎
部会は性的少数者やアイヌ民族の現状にも憂慮を表明。差別発言を繰りかえす議員を放置して、何が人間の尊厳?
9/26 火 朝刊
物価・賃上げ、柱に 首相「税収増を還元」 経済対策
在日宇宙軍、創設を検討 米、自衛隊と連携強化へ
ピザの味、知ったヒグマは街へ 札幌の住宅、連日庭先に
折々のことば:2862 鷲田清一
人々が自らの「正しさ」に固執すれば、そこに陰謀論がつけこむ余地が生まれる。
(秦正樹)
(天声人語)リビア洪水から2週間
リビアとは、古くはアフリカ北部を広く指す言葉だった。そして一帯は旧約聖書「創世記」の伝説の舞台でもある。愚かな人間によって、世界が悪で満ちてしまったと後悔した神は、恐ろしい決断をする。洪水で地上を一掃しよう、と▼▼▼▼▼旧約聖書の古くから21世紀の現代まで、文明は発展してきた。だが人間の愚かさとは改まらぬものなのか。もどかしい。
9/26 火 夕刊
水族館部は救う、街も学校も 150種2千匹飼育、愛媛・長浜高
首相、経済対策とりまとめ指示
「北朝鮮、外国人の入国許可」報道
米、クック諸島などを国家承認
素粒子
〈淀川あたりの河口を 角を並べて 牛たちが渡ってゆくよ〉。中世の流行歌を集めた梁塵秘抄(川村湊訳)の一節。
◎
いま、その淀川の河口にとめどなく税金がつぎ込まれてゆく。誰のための、何のための万博か、腹に落ちぬまま。
◎
誘致を誇っていた面々の間で責任のなすり合いも始まって、テーマの「いのち輝く」には程遠く。牛たちもあきれ顔。
9/27 水 朝刊
収賄7000万円認定、起訴へ 給付金詐取罪でも 秋本議員
「重大事態」の44%、いじめと認知せず 早期対応、なお課題 防止法10年
記事使用料、独禁法違反なら調査 公取委員長、配信事業者巡り
サンゴ色の秋 アッケシソウ見頃 北海道・網走
折々のことば:2863 鷲田清一
「もし皆様にご迷惑をおかけしたとしたら、お詫(わ)びもうしあげます」
(政治家の常套〈じょうとう〉句)
(天声人語)御嶽山噴火から9年
時計の針が午前11時52分を指した。あの時もこんな秋晴れだったはずだ。空に浮かぶ頂を見上げ、そこに巨大な煙が突如わきあがるのを思い描く。長野と岐阜の県境にまたがる御嶽山。噴火から9年を経て、山頂付近の立ち入りが一部緩和されたと聞き、先日登った▼▼▼▼▼下山しながらふり返ると、山は裾野へゆっくりと紅葉に染まる途中だった。ふもとでは追悼式がきょう行われる。感動も悲しみも。自然は人にどちらも、もたらす。
9/27 水 夕刊
力撮 現役力士がシャッターを切る理由 きっかけは同期の死――闘う姿、記録に残したい
首相、連合定期大会出席へ調整
韓国野党代表の逮捕状、請求棄却
NY株、3カ月半ぶり安値
素粒子
首相の一存で実施し、分断を招いた「国葬」から1年。
◎
まともな検証はなく、当の首相が表明した「一定のルール」作りも、納得ゆく説明のないままほごにされた1年。
◎
1年前の代表質問で分断を憂え、「国家として望ましくない」とルールなき現状の見直しを求めたのは上川陽子氏だった。民主主義を危うくするやりっ放し、言いっ放し。
9/28 木 朝刊
全原告、水俣病と認める 国などに賠償命令 救済法対象外の128人 大阪地裁判決
対馬、核ごみ調査を拒否 市長、分断や風評被害懸念
秋本議員、7200万円受託収賄で起訴 コロナ給付金詐欺も
折々のことば:2864 鷲田清一
最も邪悪な世界と最も香(かぐわ)しい世界が同時並行的に現れうる被災地である。
(五百旗頭真〈いおきべまこと〉)
(天声人語)年収の壁
幕末明治に日本へ来た外国人たちは、家のつくりに驚いた。通りに向かって開けっぴろげで昼寝や行水の姿が外から丸見えになっている。鍵や家具らしきものもほとんどない。でも庶民は平然としている▼▼▼▼▼10月には、日本酒やハムなどが値上げされる。首相は物価高対策も打ち出したが、野放図に予算がふくらめば、国の財政はますます危うくなる。「火の車の台所」が、さらに燃え上がる。そんな事態は避けねばならない。
9/28 木 夕刊
推しの動物へ、応援届ける 動物園「ほしい物リスト」、市民が購入
北朝鮮、「核兵器の発展」憲法明記
トラック運転手負担減へ経済対策
がん研究の新戦略「AI活用を」
素粒子
同じ海域で操業する中国の船がとった魚は食べるけど、日本の船だと禁輸。処理水をめぐる隣国の対応の理不尽。
◎
不知火海の魚を同じように食べていた人たちを、住む場所のわずかな違いで、水俣病と認めたり認めなかったり。国・自治体が重ねた理不尽。
◎
「あたう限りの救済」うたう法律を作っても、魂伴わねばただの紙切れ。司法が断罪。
9/29 金 朝刊
日朝、今春2回の秘密接触 東南アジアで その後の交渉、停滞
大阪IR、実施協定締結 府と事業者 来月にも工事開始
個人タクシー、過疎地でも営業可 住民の「足」確保へ、来月規制緩和
9月も終わるのに 全国的に季節外れの暑さ
折々のことば:2865 鷲田清一
言葉を馴(な)れ馴れしくつかうことが、言葉に親しむということなのではありません (長田弘)
(天声人語)ノーモア水俣
水俣病患者の歴史とは、病気との闘いであると同時に、未認定をめぐる闘いでもある。のちに国やチッソなどと対峙(たいじ)する川本輝夫さんは1968年、患者認定のための検診を受けた。医者が言う。「今ごろおかしいよ」「筋肉はピクピクしてないじゃないか」(石牟礼道子著『天の魚』)▼▼▼▼▼国の対応次第では、今後も困難は続くかもしれない。けれど今宵(こよい)ぐらいは、勝利の祝杯に酔っていただきたい。きょうは中秋の名月。あの不知火の海も黄金色の輝きに映えるだろう。
9/29 金 夕刊
まひ残る人も、外出もっと楽しく リュック、脳疾患患者と開発
日本、サモアに勝利 ラグビーW杯、2勝1敗に
マイナ保険証、負担額の誤表示5695件
臨時国会、来月20日召集で最終調整
素粒子
10月のルール変更を前に、ふるさと納税サイトには「30日終了」「値上げ」などの表示が多数。まさに官製通販。
◎
多くの自治体を疲弊させ、年に数千億円の税収が消えてゆく欠陥を放置して、旗を振ったあの政治家は涼しい顔。
◎
学術会議梶田会長があす退任。3年間、任命拒否問題に振り回され。問答無用で混乱招いたあの政治家は知らん顔。
9/30 土 朝刊
保険請求3割、不正疑い 損保側、ビッグモーターの5.3万件調査 対象は20万件、件数膨らむ見通し
臨時国会、来月20日召集へ 首相「補正予算案出す」
細田衆院議長、辞意 体調不良で
インボイスあす開始、続く不安 首相、改めて支援策指示
日本、8強へ前進 サモア破る ラグビーW杯
折々のことば:2866 鷲田清一
デモクラシーは、議会ではなく、議会の外の政治活動、たとえば、デモのようなかたちでのみ実現されると思います。
(柄谷行人)
(天声人語)暮しの手帖
雑誌「暮(くら)しの手帖」は1948年の創刊前に、取次会社から名前にダメ出しを受けた。暮らしは暗し。イメージがよろしくない。あらがうように編集長の花森安治は、自らの筆で表紙や挿絵にランプの絵を何度も描いた。世の中に小さな明かりを灯(とも)したいと▼▼▼▼▼美しいものはお金やヒマとは関係がない、と花森は創刊号で書いた。「みがかれた感覚と、まいにちの暮しへの、しっかりした眼(め)と、そして絶えず努力する手だけが、一番うつくしいものを、いつも作り上げる」。言葉は古びていない。
9/30 be 土 朝刊
(フロントランナー)フィギュアスケート選手・三浦佳生さん 見つけたい「自分の色」
9/30 土 夕刊
トコジラミ、家でも注意 海外から?コロナ禍でも相談減らず
(Photo Story)世界初の3D
素粒子
あすは法の日。昭和の初めに陪審法が施行された日にちなむ。成立・公布はその5年前。今年でちょうど100年。
◎
後身の裁判員制度は社会に定着したが、近年、争点や主張を整理する期間が長引き、公判がずれ込む傾向が強まる。
◎
かつて小泉首相は「思い出の事件を裁く最高裁」と、裁判の遅れを皮肉った。逆戻りは許されず。法律家の責務。
10/1 日 朝刊
古い擁壁、見逃される危険 改修・撤去されず、規制すり抜けも
値上げ続く 10月は食品4634品目 コロナ治療薬は一部自己負担
バンド名守るため「事務所と裁判しか」
折々のことば:2867 鷲田清一
神に祈る姿は、世の中で最も美しいものの一つです。
(白洲正子)
(天声人語)コーヒーと人生
イタリアにいる40年来の友人から、近況を伝えるメールが来た。コロナ禍の最中に両親を相次いで看取(みと)り、夏に子どもが結婚して夫婦2人になった。仕事に追われてしばらくは寂しいと感じなかったが、コンロに新品の小さなマキネッタを置いたときに涙が出たそうだ▼▼▼▼▼きょうは国際コーヒーの日。コロナでコーヒーも家飲みが増え、素朴な機能で出るごみが少ないマキネッタはエコだと再注目されている。我が家にある10年物で久しぶりにいれてみようか。
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