7/23 日 大暑 朝刊
半導体「対中包囲網」に参加 製造装置の輸出規制、米に呼応 きょうから
首相、人口減対応へ「変革」 泉氏、「多様性や共生」強調 令和臨調大会、党首に問う
W杯V経験、伝える覚悟 なでしこ5―0、白星発進
折々のことば:2799 鷲田清一
「足すことに決めた! オレにとって、変化ってのは足すことだって!」
(宮本大)
(天声人語)カンボジアの総選挙
穏やかな風に乗り、読経の響きが聞こえてきた。千葉市郊外の青々とした竹林に立つ古民家で今月の初旬、ある追悼の会が開かれた。集まったのは日本に暮らす数十人のカンボジア人たち。母国で7年前に逝った著名評論家を偲(しの)ぶ集まりだった▼▼▼▼▼日本政府は選挙に対し、「懸念」の表明にとどめている。カンボジアの和平に血と汗を流してきた日本が、それでいいのか。「国際社会も試されている。もっと踏み込んだ対応をしてほしい」。ハイ・ワンナーさんの訴えは、鋭く私たちにも向いている。
7/24 月 朝刊
LPガス代、上乗せ禁止へ 関係ない設備費、罰則も 賃貸集合住宅、料金明確に 経産省
減る女子大、問われる役割 98→73校、就職へ共学人気
マンション「二つの老い」直面 建て替え多数決緩和案 法制審
折々のことば:2800 鷲田清一
偉大な創造的行為やまっとうな人間関係はすべて、力が正面に出てこられない休止期間中に生まれるのである。
(E・M・フォースター)
(天声人語)クジラと博物館
夏休みのこの季節、思い出す子どもの頃の記憶がある。父親に連れて行ってもらった博物館で、大きなクジラの骨格標本に目を丸くした。ああ、海のなかにはこんな生き物がいるのか。その印象の強さからだろう。博物館はいまでも、私には特別な存在だ▼▼▼▼▼この夏もまた、博物館の標本にびっくりする子どもがいるに違いない。その子が気づいてくれたらいい。人間だけが違うのではなく、生き物はみな、地球に暮らす一員なのだと。田島さんも、そう思っている。
7/24 月 夕刊
SUMO熱気、大入り 戻ってきた訪日客・ネット番組後押し
スペイン総選挙、中道右派第1党
中国、日本のビザ免除再開せず
ロシアがミサイル、世界遺産被害
素粒子
時代を映す「女性」3題。
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過去最多の3035万人が働いてる。理由は働き方改革の成果と、食べるのに必死な人の増加と。両方だろうな。
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女子大が減りゆく。少子化のもとで4年制進学が増えるなか、閉学あり共学化あり。
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米海軍の次の制服組トップに就任へ。大統領が247年の歴史上で初めて指名した。
7/25 火 朝刊
「国内景気拡大」76社 個人消費上向き好感 100社調査
投票締め切り、地域で格差 地方、9割繰り上げも 都市、ほぼ全て定時
工場で逝った夫「雇っていない」 勤続16年でも「偽装フリーランス」
折々のことば:2801 鷲田清一
英知は、長いあいだ正しく維持された人間関係から生まれるのだ。
(E・M・フォースター)
(天声人語)PFASの汚染
夏にふさわしく、きょうは怪異なお話を。明治の新聞は、ときに挿絵付きで、不可思議な出来事を伝えることがあった。死者の出た家で青白い提灯(ちょうちん)が深夜に飛び交った話、大きな沼の中から声が聞こえてきた話……▼▼▼▼▼提灯のお化けや沼の声の主は、人を脅かすことはしても、水や土を汚して放置することはなかった。現代版の怪談にくらべると、あちらのほうが、よほどのどかに思える。
7/25 火 夕刊
ビッグモーター社長辞任へ 水増し請求認め謝罪
「ウナギ」、即席めんの知恵 日清食品、植物由来にこだわり4年
北朝鮮、夜中に弾道ミサイル2発
イスラエル司法改革、主要案可決
NYダウ11連騰、6年5カ月ぶり
素粒子
国会対応はそう見えていたが、自ら名乗るとは。維新は「第2自民党でいい」って。
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野党第1党より、自民の新たな派閥をめざすつもりか。
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北のミサイルが続く。慣れてはダメだと自戒しつつも、口をつくのは「またかぁ」。
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あすで「やまゆり園事件」7年。障がい者を取り巻く環境は、どう改善されたのか。
7/26 水 朝刊
安全対策費を公的支援 原発再稼働、新電力利用者も負担 経産省検討
中国、秦剛外相を解任 就任から半年、異例 王毅氏が再就任
社長、自らの関与否定 ビッグモーター不正、引責辞任
折々のことば:2802 鷲田清一
「自由」は……元来は専恣(せんし)横暴な振る舞いをするという語義で、専(もっぱ)らマイナスの価値を示す言葉だった。 (網野善彦)
(天声人語)森村誠一さん逝く
人生の転機は思わぬところで待ち受けている。森村誠一さんのもとに、寒ブリを手土産にした角川春樹さんが訪ねてきたのは1970年代半ば。創刊する文芸誌の目玉がほしい。「作家の証明書になるような作品を書いていただきたい」▼▼▼▼冒頭の回想録で、英作家の言葉を引用している。「最高の愛国心とは、あなたの国が不名誉で、悪辣(あくらつ)で、馬鹿みたいなことをしている時に、それを言ってやることだ」。言ってやれる反骨の人が逝ってしまった。
7/26 水 夕刊
銚子電鉄100年、走り続ける異端児 多彩な企画、本業救う 「ぬれ煎餅」「まずい棒」
マイナ、河野氏「不安払拭したい」
知床事故、専門家に意見聴取
プーチン氏、10月に中国訪問へ
素粒子
どんな国になってゆくのだろう。全都道府県で日本人は減り、外国人は過去最多に。
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首相が武器輸出拡大の与党協議を急がせる。来月の訪米の手土産を用意する気だな。
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強いぞ、井上尚弥。世界初の2階級4団体統一に王手。
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天気予報を見るのが怖い。列島に炎熱。〈ばさばさと股間につかふ扇かな〉丸谷才一
7/27 木 朝刊
保険証廃止、方針変えず 河野氏「丁寧に説明」 閉会中審査
負担割合、誤登録57件 マイナ保険証
日産、ルノーと資本対等に EV新社に930億円 最終契約
沈没8日前の姿 カズワン船体、傷やハッチのふた
折々のことば:2803 鷲田清一
信望を高める手段は、贈与というか、要するに、自分が得たものをどんどん配っていくことなんです。 (阿部謹也)
(天声人語)ビッグモーターの不正
北条時頼の訪れを前に、母は準備に追われた。障子のやぶれた箇所を小刀で切っては紙をあてる。全部張り替えたほうが楽ではありませんか、と問われた母は答えた。「物は破れたる所ばかりを修理して用ゐる事ぞと、若き人に見習はせて、心つけんためなり」▼▼▼▼▼徒然草は、何事も過ちとなるのは、慣れたつもりで「人をないがしろにするにあり」とも説いている。客の目を侮り、社員を軽んじてうまくゆくはずがない。まったくだ、とうなずく。
7/27 木 夕刊
高さ日本一、期待も高く 東京・麻布台ヒルズ330メートル、今秋開業
米FRB、0.25%幅利上げ
ダウ13連騰、追加利上げ懸念後退
正恩氏、ロシア国防相と面会
素粒子
来秋の「義務化」に与党からも慎重論。マイナ保険証。強引さの弊害、次から次に。
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例によって政府は「丁寧に説明」と。必要なのは現場の混乱を避ける具体策なのに。
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野党を潰した後は権力を世襲。ついにカンボジアでも。
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きょう朝鮮戦争休戦70年。なすすべなく、ひとり口ずさむ。「イムジン河 水清く」
7/28 金 朝刊
保険証廃止、延期を示唆 首相「現場の意見聞く」
最低賃金1000円台、最終調整 全国平均、上げ幅最大 厚労省審議会
電通、本大会の認否留保 否認も視野 五輪談合初公判
正恩氏、中ロ代表団と面会 朝鮮戦争休戦70年、19年以来の外交
折々のことば:2804 鷲田清一
諺(ことわざ)にも言えり、貧者よくオゴリ富者出シしぶる。持てる者は、自分のこと以外に、一銭も出さぬものです。 (花森安治)
(天声人語)大阪万博のパビリオン
巨大なエアドームのアメリカ館、赤い曲線が空に伸びるソ連館……。1970年の大阪万博だ。多くのパビリオンのどこを巡るか。漫画家・浦沢直樹さんの『20世紀少年』で、主人公ケンヂたちは頭を悩ませる。奇抜な建築は輝かしい未来の象徴だった▼▼▼▼▼10億を英語でビリオンという。〈パビリオン 幾(いく)ビリオンの持ち出しか〉。朝日川柳にあった。そんなことは「起きない」と願いたいが、さて。
7/28 金 夕刊
長期金利、0.5%超え容認 日銀、緩和策の柱を修正
涙の「ラブレター」、心も軽く 手紙読んで涙活、介護施設や学校でも 放送作家・橋本さん、NSCで授業
長期金利、上限0.5%を一時超える
NYダウ、14日ぶり値下がり
平均気温最高、「地球沸騰の時代」
素粒子
お得意の「聞いたふり」かもしれないけれど。首相が保険証廃止の延期を示唆した。
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北がロシアと中国を歓待。こんなに持ってるんだよ、と兵器を見せびらかしながら。
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7月の世界の平均気温は史上最高。地球がうだってる。
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祭りあり花火あり。そして帰省もあり。お盆のJR指定席予約はコロナ前の9割に
7/29 土 朝刊
長期金利上限、1.0%に拡大 日銀、金利操作を柔軟化
最低賃金、1002円に引き上げ 過去最大41円増 物価高を考慮
ビッグモーター立ち入り 国交省、34店舗を一斉検査
アルプスにかける銀傘 甲子園の暑さ対策、阪神電鉄が構想
折々のことば:2805 鷲田清一
モネやルノワールと……カンディンスキー、モンドリアンとは、年齢から言えばほんの一世代しか違わない。 (高階秀爾)
(天声人語)山下清と花火大会
「裸の大将」として知られる画家、山下清は放浪の際に画材を持ち歩かなかった。リュックサックに入れたのは、茶碗(ちゃわん)2個と箸、手ぬぐい、着替え。それに、犬にほえられたときの用心の石ころ5個。それで全てだった▼▼▼▼▼夜風に吹かれてビールでも飲みながら、役にも立たない話を友人たちと交わそうか。きっとそれこそが、かけがえのない日常である。
7/29 土 Be 朝刊
(フロントランナー)絵本作家・アーティスト、荒井良二さん うまくなることに興味はない
7/29 土 夕刊
ハンセン病、差別への教訓 14歳、突然の隔離 帰宅拒まれ人目避け
(Photo Story)「家」もプリント
素粒子
国内最古の原発が再稼働。世界に例なき60年を超す運転へ一歩。安全神話が着々と。
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最大の増加幅でも時給千円以上は8都府県だけ。最低賃金、もっと底上げの要あり。
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日本人の平均寿命が2年続けて縮む。コロナ恐るべし。
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あすは土用の丑(うし)。街にウナギのかば焼きがあふれてる。絶滅危惧種のはずなのにな。
7/30 日 朝刊
ワグネル情報戦、反仏あおる アフリカ・マリ、親ロシア浸透
療養後の未返却、30万個 血中酸素測定機器、都道府県が貸与
御嶽山頂への道、再び 犠牲多数の尾根筋
折々のことば:2806 鷲田清一
「自分の生活なんか何でもございません、冗談事でございます」
(渡辺京二)
(天声人語)最低賃金が上がっても
ちょうど10年前、オーストラリアで取材拠点を開設する任務を担った。地元の弁護士に相談しながら法人登録し、物件探しで不動産屋を回った。現地スタッフの募集を始める際、最低賃金が時給1500円を超えると知って目をむいた。当時の日本は700円台だった▼▼▼▼▼先進国には水をあけられ、新興国との差も縮まった。日本国内では人手不足が進むなか、近年は豪州などへ働きに行く若者らも目立つ。そんな状況での「千円超え」は、やはり遅すぎたと言うしかない。