◆10/21 月 朝刊 朝日新聞
自公、過半数微妙な情勢 自民、単独過半数割れの公算 衆院選情勢調査
政治とカネ、反省と追及 選挙サンデー、党首訴え 衆院選
能登、足りぬ人手 豪雨1カ月
★折々のことば:3240 鷲田清一
智慧(ちえ)の研究は、棺の蓋(ふた)をするときに終(おわ)るのだ。
(勝海舟)
◇
「道」について「必ずこれのみと断定する」のを自分は好まぬと、徳川の旧幕臣は言う。どんな道も「大小厚薄濃淡の差」がある。それらをあれこれ吟味し、上には上があると考えるのは愉快なこと。大仕事は、焦っても、その実現を期して地道に努力するだけでも成就しないし、それをなしうる逸材も、誰かが「製造」しようとしてできるものではないと。『氷川清話』から。
★(天声人語)海外からの国民審査
辞めさせたい最高裁判所の裁判官に「×」をつける。この国民審査のしくみは、憲法に基づくにもかかわらず、国から冷たい仕打ちを受けてきた。セットで行われる衆院選には、2000年から、▼▼▼▼18歳以上の在外邦人は100万人を超えるという。投票への間口を広げねばならない。デジタル化の御旗をかかげて、異論をよそに健康保険証は廃止しても、海外からのネット投票の実現には踏み切らない。嫌みの一つも言いたくなる。
★ (しつもん!ドラえもん:5236)かいしゃ編
会社(かいしゃ)を応援(おうえん)してくれる人(ひと)がお金(かね)を出(だ)してくれた時(とき)に、その証(あか)しとして渡(わた)すものは何(なに)かな。
★ 株式(かぶしき)
株式(かぶしき)を持(も)つ人(ひと)を株主(かぶぬし)といい、重要(じゅうよう)なことを決(き)める場(ば)に参加(さんか)できる。会社(かいしゃ)がもうかって株式(かぶしき)の値段(ねだん)(株価〈かぶか〉)が上(あ)がれば、株(かぶ)を売(う)って利益(りえき)を得(え)られる。
◆10/21 月 夕刊 朝日新聞
レアな植物、世界を救う? アッケシソウ、芽吹いた新増殖法 明大院の研究チーム
米・カナダ海軍、台湾海峡を通過
EU加盟巡る国民投票、賛否拮抗 モルドバ
マスク氏、激戦州で100万ドル配布
素粒子
能登豪雨1カ月、中越地震20年――。今週も記憶に刻まれる日、刻まねばならない日が続く。
◎
自由を奪われる恐ろしさの記憶は薄れて。インドネシアの新大統領は調査報道番組を禁じる法改正を検討。国内でも放送局の「停波」に言及した元総務相に応援依頼が相次いでいるとか。
◎
明け方の南西の空に、輝く月とオリオン座を見る。人間の賢さ、愚かさを見まもり続けて。
◆レアな植物 世界を救う? 母を思うと 塩害に出くわす。
「アッケシソウ」((https://digital.asahi.com/articles/DA3S16064277.html?ref=pcviewer 参照 2024年10月21日))
アッケシソウ(厚岸草、学名:Salicornia europaea)はヒユ科に属する一年性草本で、世界的にはヨーロッパ、アジア、北アメリカなどの寒帯地域に広範囲に分布する。潮汐の干満に規定される、平均冠水位から満潮水位の間の海に接する陸地や内陸に発達する塩性湿地に生育する塩生植物である。
特徴
アッケシソウ(厚岸草)
アッケシソウの茎は濃緑色で、高さ10-35cm、円柱形で節を形成し、節から枝が対生する。また、退化した燐片状の葉が節部に対生する。8-9月には、茎および枝の先端部が円柱状の穂状花序をなし、葉腋のくぼみに3個の花が対となり、1つの節に6個の花器を形成する。3個の花のうち、中央に位置するものを中央花、その両側に位置するものを両側花と呼ばれ、中央花からは大粒種子、両側花からは小粒種子と呼ばれる大小2種の種子を形成する。このことからアッケシソウは花器と種子に二形性が認められている。大粒種子は環境ストレスに強く、[小粒種子は休眠期間が長いことから群落の維持に関与する事が推測される。この植物の花器の特徴として、花被が退化し、雌蕊(雌ずい)や雄蕊(雄ずい)を包み込むようにがく片が非常に発達している。
秋になるとアッケシソウの茎および枝の濃緑色が紅紫色へ紅葉する姿からサンゴソウ・ヤチサンゴとも呼ばれる。その色素は、同じヒユ科に属するテンサイの根で合成される色素と同種のベタシアニンである。
耐塩性
アッケシソウは塩生植物の中でも特に強い耐塩性を示し、塩の存在に依存的な植物である。生育過程が進むにつれて、塩を蓄積することにより耐塩性を獲得する強塩生植物である。この生理的耐塩性機構は、過剰な塩類の液胞内への蓄積と連動して、浸透圧を調整する細胞適合物質であるグリシンベタインを合成、蓄積することにより、細胞質の機能を保護、強化している。
分布
日本では1891年に初めて椙山清利によって北海道東部の厚岸町厚岸湖の牡蠣(カキ)島で発見され、その地名にちなみ北海道大学の宮部金吾が1891年(明治24年)にアッケシソウ(厚岸草)と命名した[1]。続いて1912年に牧野富太郎によって愛媛県でも発見され、日本第二の産地として発表された。その後、北海道では近隣の野付半島、温根沼および風蓮湖やオホーツク海沿岸のコムケ湖、サロマ湖、能取湖および涛沸湖などにも分布している事がわかっている。
瀬戸内海沿岸のアッケシソウのルーツ
瀬戸内海沿岸のアッケシソウのルーツとして、江戸時代に北前船で塩などの物資を現在の北海道に運ぶ過程で、瀬戸内海に戻る際にバラストなどに付いた個体や種子が瀬戸内海沿岸に持ち込まれたとする「北前船説」が考えられていた。しかし、東京農業大学のグループが2003年に発表した論文では、RAPD法による分析を行い、北海道に自生するアッケシソウと岡山県に自生するアッケシソウの遺伝的な組成が異なることが示された[2]。その後、岡山理科大学などのグループが2010年に発表した論文では、北海道、岡山県、愛媛県、香川県、韓国で採取したアッケシソウの葉緑体のDNAの一部を分析した[3]。その結果、北海道のアッケシソウと瀬戸内海沿岸のアッケシソウの分析した葉緑体DNAの塩基配列が異なっており、瀬戸内海沿岸のアッケシソウと韓国のアッケシソウの分析した葉緑体DNAの塩基配列が同じであった。これらのDNA分析の結果からは「北前船説」は支持されなかった。
保護の現状
ウィキメディア・コモンズには、アッケシソウに関連するメディアがあります。
北海道以南では宮城県、愛媛県および香川県の塩田跡地で生育が確認されていたが、これら塩田跡地が開発によって住宅地や工業団地などに転用された事に伴い、アッケシソウ群落はほとんど絶滅に近いとされている。2003年末に、岡山県浅口市の寄島干拓地で自生していることが確認され、2004年に住民らが「守る会」を発足。自生地の保護や生態調査を行っている。また、岡山県には瀬戸内市の牛窓町、邑久両町にまたがる錦海塩田跡地にアッケシソウが自生している。しかし、この跡地に存在するアッケシソウは植物愛好家が香川県の塩田跡地より持ち帰ったアッケシソウの種子を蒔いたと文献に残っている事から、保護に成功した珍しいケースの場所と言える。愛媛県新居浜市が自生の南限と言われている。
環境省のレッドデータブックでは近い将来に絶滅の危険が高い種 (EN) に指定され、さらに近年では地盤沈下や湖岸の侵食により、年々減少しているとの報告がある。最初に自生が確認された厚岸湖では最奥部に僅かに見られるだけになっている。
能取湖南岸の網走市卯原内地区では塩湿地をトラクターを用いて耕起し、他の塩生植物を抑制させる事によって国内最大級のアッケシソウ群落を維持し、毎年秋には20万人が訪れる観光名所になっていた。しかし、環境改善を目的にした杜撰な土砂の搬入がかえって悪影響を与え2011年には大幅に縮小[4]。2012年から網走市や東京農業大学などで再生協議会を組織して土壌改良等が行われ、2015年8月秋までに8割程度まで回復させた。雑草やヨシの侵入に弱いが、能取湖岸での事例を参考に、名前の由来となった厚岸町でも群落の再生が試みられている[1]。
野菜としての利用
野菜としての利用されているアッケシソウ(厚岸草)
アッケシソウは葉と茎が食用となり、イギリスをはじめとするヨーロッパで野菜として利用される。塩味があり、そのままゆでて食べるのが一般的であり[5]、近年では日本でも流通することがある。海外ではサムファイアー Samphire(英語)、パスピエール Passe Pierre(フランス語)、ゼークラル Zeekraal(オランダ語)などと呼ばれるが、アスパラガスと形がやや似ていて利用法が同じため、シーアスパラガスの名もある。シービーンズ(Sea beans)やシーピクルス(Sea pickles)と呼ばれる事もある。
脚注
^ a b 【地域から 179の窓】釧路・根室面10月14日付朝刊の記事「赤い群落 3度目の挑戦」『北海道新聞』朝刊2021年10月25日3面
^ Yoshimasa Sagane, Kyota Sato and Yoshie Momonoki (2003). “Identification of Salicornia Populations : Comparison between Morphological Characterization and RAPD Fingerprinting”. Plant Production Science (Taylor & Francis) 6 (4): 287-294. doi:10.1626/pps.6.287.
^ 星野卓二, 正木智美, 中村松寿, 市原和政, 池田博, 狩山俊悟, 榎本敬, 任炯卓「瀬戸内地方に隔離分布する絶滅危惧種アッケシソウの起源」『植物研究雑誌』第85巻第3号、植物研究雑誌編集委員会、2010年6月、180-185頁、doi:10.51033/jjapbot.85_3_10213、ISSN 0022-2062。
^ “来秋の色づき楽しみ 能取湖のアッケシソウ群落再生を願い種まき”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2014年11月6日)
^ バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント著 山本紀夫監訳『世界の食用植物文化図鑑』(柊風舎、2010年1月20日第1刷)p.185
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日本
カテゴリ: ヨーロッパの食文化海浜植物アカザ科野菜
レアな植物、世界を救う? アッケシソウ、芽吹いた新増殖法 明大院の研究チーム
有料記事
2024年10月21日 16時30分
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写真・図版
研究発案者の越田薫子さん
写真・図版写真・図版
北海道や岡山県の海岸などに生え、秋の色づきからサンゴ草とも呼ばれるアッケシソウ。そんな植物が塩害に苦しむ世界を救うかもしれない。
明治大大学院の研究チームが挿し木の手法による増殖法を論文にして英学術誌で発表した。論文の査読者は「塩害が広がる昨今、タイムリーかつ貴重な情報」と評した。
アッケシソウは国内では環境省が絶滅危惧2類に分類する希少な植物だが、海外では北半球の、淡水と海水が混ざり合う汽水域の湿地や干潟に分布し、「シーアスパラガス」などの名前で野菜として出回る。近年の研究で、塩害土壌の浄化、アンチエイジングや抗がん作用、バイオ燃料化に期待が寄せられる。
ただ、発芽しにくく、成長にばらつきがある。
明大大学院の修士2年越田薫子さん、伊藤善一専任講師(施設園芸学)、川岸康司特任教授(園芸学)の論文は、英国の園芸学術誌「The Journal of Horticultural Science and Biotechnology」電子版で、現地時間9月13日に配信された。
■塩水使い挿し木
成長させたアッケシソウの茎の先端約6センチを切り、培養液と塩水にトレーで浸す。温度を管理した室内で電灯で照らすと根が生えて育つ。いわゆる「挿し木」の手法だ。
培養液と塩水の濃度などを最適にすれば9割超の茎が12日間で根を生やした。これなら種子から発芽までの難しい過程を省け、簡単、短期に増やせる。品種改良や市場に安定供給する可能性がみえた。
水耕に適した塩水や培養液の濃度もわかった。
■産業化に貢献か
千葉大名誉教授で、園芸植物育種研究所の丸尾達理事長は「アッケシソウは、増殖の研究がそれほど進んでいない」と指摘。「途上国でも取り組める簡単な方法で産業化に大きく役立つ可能性がある」と話した。
新たな増殖法の発見の“タネ”は、約5年前に生まれた。
研究チームの越田さんは当時、明大農学部の1年生。英語の授業でリポート発表会があった。テーマは「極限状態でも生きられる生物」。
越田さんは極限状態と植物から連想し、塩害を思いついた。そこで高い耐塩性の植物を探し、アッケシソウを知った。
近年の研究を調べるうち、含まれる栄養素や商業利用への可能性に「世界を救う植物かも」と心をつかまれた。
ただ、栽培の難しさも知った。
アッケシソウは汽水域の干潟や湿地で育つ植物だ。成長過程で、生育に適する水の塩分濃度を変えていく。
北海道の場合、雪解け水が注ぐ春の海岸近くの湿地で淡水に近い水にさらされた種子は、内部に蓄えた塩を用いた浸透圧で水を取り込んで発芽。潮の満ち引きなどから塩水を得て成長を続ける、と考えられる。
地形が少し変わっただけでも崩れる生育環境を、人工的に、大規模に再現するのは手間がかかりすぎる。
その時、思いついたのが、「挿し木」だ。
共著者の伊藤専任講師は「挿し木で苗を得る論文は世界で探してもみつからなかった」。
国内では希少な植物で勝手に採れない。「ならば種苗店」と探してみても種子も無い。実験用のアッケシソウを用意できないと行き詰まった。
■コストコで入手
そんなとき、ひらめいた。海外では野菜ならば、輸入品があるのでは。
向かった先は、会員制大型量販店のコストコ。イスラエル産が売られていた。
今回の論文は、これを育てて書かれている。
その後、北海道の許可を得て、2023年8月、能取湖のほか道内6カ所から草、土、水の試料を採取し、種子も得た。これらを今後の研究にいかしていく。
世界では、年5億ユーロ(約795億円)の農作物が塩害にあっているという研究報告がある。その地域で農業を続ける一手にできないかと研究チームは考えている。また、国内で保護や保全に励む人たちとの研究成果の共有も視野に入れる。
越田さんは「将来、能取湖でアッケシソウを観賞した後、湖畔のお宿で天ぷらで食べられるまでになったらいいですね」と話している。(角野貴之)
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能取湖 アッケシソウが見頃
09月16日 18時59分
網走市の能取湖ではアッケシソウが赤く色づき、見頃を迎えています。
アッケシソウは塩分を多く含む湿地に育つ植物で、枝に節があり、秋になると緑から赤に色づいてさんごのように見えることから「サンゴ草」とも呼ばれています。
オホーツク海とつながる海水の湖、網走市の能取湖は広さ3.8ヘクタールと国内最大規模の群生地で、例年並みの8月中頃からアッケシソウが一斉に赤く色づき始めました。
観光客は、赤いじゅうたんが広がっているような雄大な景色を背景に、スマートフォンなどで記念撮影していました。
アッケシソウは環境省の絶滅危惧種に指定されていて、能取湖では、およそ10数年前、湿地の乾燥によって危機的な状況に追い込まれましたが、地元の人たちの手で保全活動が続けられています。
名古屋市から来た女性は「以前来たときは曇っていましたが、今日は青空なので、より赤さが際立っていいです」と話していました。
地元の卯原内観光協会の三島大右副会長は「さんご草はこれからの時期、より見頃になってきます。網走の赤い絨毯をぜひ見にきてください」と話していました。
能取湖のアッケシソウは、9月いっぱいは見頃が続きます。
「能取湖サンゴ草群落地・能取湖さんご草まつり湖が赤く染まる絶景能取湖は、オホーツク海とつながる面積58万平方mの大きな海水湖。ホタテやホッキ、北海しまえびなど海の恵みの宝庫で、春から夏にかけてはアサリの潮干狩りの名所としても知られています。湖畔にはサンゴ草と呼ばれるアッケシソウの群落地があり、毎年9月になると紅葉したサンゴ草が湿地帯全体を真っ赤に染めて幻想的な風景に。木製の遊歩道が設置されているので、一面に広がる景色を間近に楽しむことができます。最も赤く色づく9月中旬に「能取湖さんご草まつり」が開催されます。スライドショーで見るお気に入りに追加エリア知床・網走・紋別エリア道東エリアカテゴリー友人と女子旅夫婦・カップル旅のスタイル動物生息地・植物群生地湖沼・滝・池・ダム紅葉・景勝地・展望台自然景観・絶景旅のテーマ絶景に出会う女子旅におすすめ最寄りの空港」((https://www.visit-hokkaido.jp/spot/detail_10264.html 参照 2024年10月21日))
「アッケシソウ 赤く色づく 岡山」((https://www.youtube.com/watch?v=cFz6SXo3v84 参照 2024年10月21日))