1月7日、自民党は、令和2年の「新年仕事始め」の会合を党本部で催した。ここであいさつに立った安倍首相は、憲法改正について改めて意欲を示した上で、第2次政権8年目を迎えた自らの任期をめぐり、次のように語り始めた。「桃栗3年柿8年…実はこの


「実は2016年の正月、この仕事始めで、第2次安倍政権ができて3年が終わったときに私はこう申し上げた。「桃栗3年。おかげさまで桃や栗は収穫することができました。柿はありません」。と申し上げたんですが…、おかげさまで…(会場笑)、国政選挙を6回皆様とともに勝ち抜き、柿の収穫を迎えたんですが、国民のためにこの8年間力を合わせて立派な柿の収穫を行いたい」

「桃栗3年、柿8年」のことわざを引き合いに、2期6年だった任期が延長され、なかったはずの「柿8年」に突入したことを振り返った安倍首相。そして8年目に入った政権での柿の収穫への意欲を示した次の瞬間、その言葉は飛び出した。

「実はこの先もありまして…」

まさか…二階幹事長や麻生副総理から噴出している「総裁4選」についに意欲を示すのか?そんな緊張感もあったのか自民党議員らが固唾を飲んだ。すると安倍首相は「なんか一瞬シーンと・・・いたしましたが」とその場の空気に突っ込みを入れ、笑いを取った。そして次のように続けた。

「柚子は9年の花盛り。この柚子までは私も責任をもって、皆さんとともにしっかりと大きな花を咲かせていきたい」

安倍首相はこのように述べ、来年9月までの総裁任期を全うする決意を示したのだった。党内では、東京五輪が終了した後のよきタイミングで途中辞任し、意中の後進に首相の座を譲るいわゆる“禅譲論”も囁かれていたが、それを打ち消す初めての発言だけに会場は「おー」と沸いた。