直下型地震とは? 揺れ方とその対策は!! | 旬の話題
直下型地震の揺れ方の特徴
直下型地震の揺れ方の特徴は次のようです。
- 大きな縦揺れ
- 揺れている時間が短い
- 縦揺れが続く
「縦揺れ」とは、下から「ドン」と突き上げるような揺れです。
遠方で発生する地震は、小さな縦揺れが先に来て、後から大きな横揺れする揺れ方が多いです。これは、縦揺れの方が早く伝わるためと、縦揺れの方が減衰しやすい特徴のためです。しかし、これらの3つの揺れ方を感じた場合は、直下型地震の可能性が高いです。
ところで、直下型地震って何だかご存じですか? 次でわかりやすく説明します。
直下型地震って何?
地震の種類には「直下型地震」と「海溝型地震」の2種類があります。それぞれについて何か、発生のメカニズムご説明します。
直下型地震
簡単に言うと、私達が住んでいる土地の真下(直下)で発生する地震の事です。
地下の「活断層」が動くことによって発生します。地面の奥深くには固い岩の層があります。「活断層」の部分には、割れ目があり、通常は固く結ばれた状態ですが、大きな力が加わることによりその割れ目が再び壊れたり、大きくズレてしまいます。その衝撃で発生する揺れが直下型地震です。
直下型地震の特徴は、まさに直下で発生するため、下から突き上げる様な縦揺れが特徴です。約20キロメートルから30キロメートルの狭い範囲で発生する事が多いです。被害発生まで短いため、地震速報が間に合わない事が多いです。また、陸地内に震源があるため津波は通常発生しません。
近年発生している地震のうち、直下型地震は1995年の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)や2004年の新潟県中越地震などがあります。
海溝型地震
簡単に言うと、海底にあるプレートの境界で発生する地震の事です。
陸のプレートが常に対流している海のプレートに引きずり込まれます。その歪みに耐えられなくなったときに陸のプレートが跳ね上がる事により地震が発生します。
海溝型地震の特徴は、小さな横揺れから始まり、長くゆっくりとした大きな横揺れが続くのが特徴です。陸のプレートの跳ね返りによって、海水も跳ね返るため、大規模な津波が発生する事が多いのもこの海溝型地震です。またプレートは常に動いているため、一定の周期で地震が発生する特徴もあります。
近年発生している地震のうち、海溝型地震は2011年3月11日の東日本大震災などがあります。また、最近、良くニュースにあがる「東海・東南海・南海地震」(とうかい・とうなんかい・なんかいじしん)は、東海地方~四国地方を中心とした海溝型地震の事であり、いつ発生してもおかしくないとされています。
次では、直下型地震の被害の特徴とその対策をお伝えします。
直下型地震の被害の特徴
直下型地震の被害は、海溝型地震の被害と比較すると違った特徴があります。ここでは、大きな3つの特色を説明します。
被害の範囲が比較的狭い
直下型地震は、被害の範囲が狭いのが特徴です。
2004年の新潟県中越地震では、最大震度である5強~7までの範囲はすべて新潟県内でした。全壊・半壊した建物は16,000棟を超える大きな被害でしたが、すべてが新潟県内の建物でした。新潟県内から離れるとほとんど被害がない地域がありました。直下型地震は縦揺れが特徴ですが、縦揺れは減衰しやすいという特徴からもうなずけます。
地震が小さくても被害が大きい
地震の規模がたとえ小さくても、私たちが生活するすぐ直下で発生するため、直接的な被害が大きいです。
1995年の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)では、マグニチュード7.2と比較的小さな地震であったにも関わらず、犠牲者は6,000人を超えました。このように、震源が近いため被害が大きくなってしまうのです。
被害発生までの時間が短い
直下型地震は震源から地上までの距離が短いことから、被害発生までの時間がとても短いです。
地震発生前にテレビや携帯電話、スマートフォンで配信される緊急地震速報は間に合わず、鳴らないでしょう。このため、何の前触れもなく突然激しい揺れが来ることになります。
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直下型地震の対策
直下型地震は、突然被害が発生するために万全の対策を立てるのが困難です。
しかし、簡単に出来る事だけでも、前もってするだけで備えになります。例えば、次のような準備をしておくのが良い対策となります。
- 直下型地震の揺れや被害の特徴を知っておく
- 自分の住んでいるお家の耐震基準を確認
- タンスなど倒れないようにしっかり固定
直下型地震と思う揺れを感じたら、すぐに机の下などに避難するのが最良の対応です。周りに隠れるものがない場合には、ダンゴムシの様に体を丸くして頭を守ります。
すぐに耐震基準の高い家に引っ越しなんて出来ない方もいらっしゃると思います。ただ、どれ位の耐震基準を満たしているのか把握しておく事が、即座に対応が取れる準備になります。
高い棚に置いている物が落下して怪我をしてしまう事もあります。私の友人で阪神大震災を経験した人がいるのですが、彼によると、和室の神棚の真下で寝ていたそうですが、神棚の上の物が全部頭の上に落ちてきて大けがをしたそうです。「高いところに物を置かない」というのが経験から得た大きな教訓という事です。皆さんも神棚はチェックしておいて下さいね。
まとめ
直下型地震とは? 揺れ方とその対策は!! のまとめです。
- 直下型地震の揺れ方の3つの特徴です
1.大きな縦揺れ
2.揺れている時間が短い
3.縦揺れが続く - 「縦揺れ」の特徴は、下から「ドン」と突き上げるような揺れ
- 地震の種類は次の2つ
1.直下型地震
2.海溝型地震 - 直下型地震の被害の3つの特徴
1.被害の範囲が比較的狭い
2.地震が小さくても被害が大きい
3.被害発生までの時間が短い - 直下型地震時の対策は、
1.直下型地震の揺れや被害の特徴を知っておく
2.自分の住んでいるお家の耐震基準を確認
3.タンスなど倒れないようにしっかり固定
いかがでしたでしょうか?
一般的に、地震などの災害発生時に必要な備蓄は「最低3日間の水と食料」と言われています。
しかし、首都直下型地震が発生した場合には、3日間のうちに援助や救援物資が届かない事もあります。個人での備蓄は最低1週間分、用意しておくべきとも言われています。
「備えあって憂いなし」です。直下型地震の準備の参考にして頂ければと思います。