宮古島地方に暴風波浪特別警報 最大級の警戒を
大型で非常に強い台風8号は、8日にかけて猛烈な勢力に発達し、沖縄県に接近する見込みで、気象庁は沖縄県の宮古島地方に暴風と波浪の特別警報を発表しました。このあと沖縄本島地方にも波浪の特別警報を発表する見込みで、気象庁は災害の発生に最大級に警戒し、早めに安全を確保するよう呼びかけています。
気象庁の発表によりますと、大型で非常に強い台風8号は、午後9時には沖縄の南の海上を1時間に25キロの速さで北西へ進んでいるとみられます。
中心の気圧は930ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルで、中心から半径200キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。
台風はさらに発達しながら北上し、8日は猛烈な勢力となって沖縄県の先島諸島や沖縄本島地方に接近する見込みです。
気象庁は、記録的な暴風や高波によって甚大な被害が発生するおそれがあるとして、7日午後6時20分、沖縄県の宮古島地方に暴風と波浪の特別警報を発表しました。
沖縄県ではこれから風が非常に強くなり、8日は猛烈な風が吹くおそれがあります。
8日の最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートルと予想されています。
沖縄・奄美の沿岸は、8日は波の高さが10メートルを超える猛烈なしけとなり、宮古島地方や沖縄本島地方では波の高さが14メートルに達するおそれがあります。
気象庁はこのあと、沖縄本島地方にも波浪の特別警報を発表する見込みです。
台風の接近に伴って、8日沖縄県では局地的に1時間に80ミリの猛烈な雨が降るおそれがあります。
8日の夕方までに降る雨の量は、いずれも多いところで宮古島地方で350ミリ、沖縄本島地方で200ミリなどと予想され、そのあとも増える見込みです。
さらに、沖縄県の沿岸では8日は潮位がかなり上昇する見込みで、高潮による浸水の危険性が非常に高くなります。
気象庁は今後、大雨と高潮の特別警報も発表する可能性があるとしています。
気象庁は、暴風や高波、大雨、高潮に最大級の警戒を呼びかけるとともに、避難勧告や避難指示といった自治体の情報に従って避難するなど、台風が近づく前に早めに安全を確保するよう呼びかけています。
[関連ニュース] 自動検索 |
・ 台風 久米島に暴風特別警報 最大級の警戒を (7月8日 0時39分) ・ 沖縄に台風接近で特別警報 最大級の警戒を (7月8日 0時18分) ・ 宮古島でおよそ200世帯停電 (7月7日 23時44分) ・ 沖縄本島地方に波浪特別警報 (7月7日 21時26分) ・ 台風8号 宮古島地方に特別警報発表へ (7月7日 18時03分) |
[関連リンク]
|
|
特別警報について
特別警報全般について
特別警報とは何ですか。
「特別警報」は、予想される現象が特に異常であるため、重大な災害の起こるおそれが著しく大きい旨を警告する新しい防災情報です。
どうして「特別警報」を創設することになったのですか。
東日本大震災では、気象庁は大津波警報などを発表しましたが、必ずしも住民の迅速な避難に繋がらなかった例がありました。また、平成23年台風第12号による大雨災害等においては、気象庁は警報により重大な災害への警戒を呼びかけたものの、災害発生の危険性が著しく高いことを有効に伝える手段がなく、関係市町村長による適時的確な避難勧告・指示の発令や、住民自らの迅速な避難行動に必ずしも結びつきませんでした。
気象庁は、災害に対する気象庁の危機感を伝えるために、この「特別警報」を創設しました。
特別警報は、これまでの警報や注意報と、何が違うのですか。
「特別警報」は、警報の発表基準をはるかに超える現象に対して発表されます。例えば、東日本大震災における大津波や、「伊勢湾台風」の高潮、「平成23年台風第12号」の豪雨等が発表の対象となります。
特別警報は、全て「○○特別警報」という名称で発表されるのですか。
「○○特別警報」という名称で発表するのは、大雨、暴風、高潮、波浪、大雪、暴風雪の6種類です。
地震動、津波、噴火については、それぞれの既存の警報のあるレベル以上のものを特別警報に位置づけており、名称の変更はありません。
特別警報はどのように伝えられるのですか
特別警報は、地域住民に対して、他の警報などの防災気象情報と同様に、市町村やテレビ・ラジオなどのマスメディアを通じて伝えられます。
市町村に対しては、都道府県、警察、消防などの様々なルートを通じて確実に情報伝達されます。
特別警報の創設により、警報・注意報に何か変更はあるのですか。
「特別警報」の運用開始以降も、警報や注意報は、従来どおり発表されます。
警報が発表されましたが、特別警報は発表されていないので、まだ安心ですか。
特別警報が発表されないからといって安心することは禁物です。
大災害のおそれがあるときは従来どおり警報を発表しますので、「特別警報」が発表されていなくても、最新の気象情報に注意し、市町村等の指示に従って避難するなど、これまでどおり警戒してください。
現象の進行に応じて発表される気象情報、注意報、警報を活用して、早め早めの行動をとることが大切です。
当社ではホームページなどのコンテンツで警報や注意報など各種気象情報を表示していますが、特別警報はどのように表示したら良いですか。
特別警報は警報の発表基準をはるかに超える現象に対して発表し、最大限の警戒を呼び掛けるものであり、警報・注意報と同様に特別警報も正しく表示願います。
コンテンツへの特別警報の表示追加について、まだ対応されていない場合は、可能な限り早めのご対応をお願いします。なお、対応可能となるまでの間、特別警報が表示できない旨、利用者に分かり易い表示をお願いします。
特別警報は、気象業務法施行令第4条に定める「一般の利用に適合する予報及び警報」の位置づけなのですか、もしくは、同第6条に定める「水防活動の利用に適合する予報及び警報」の位置づけなのですか?
特別警報は、改正気象業務法第13条の2に定められているとおり「一般の利用に適合する警報」であり、同法第14条の2で定められている「水防活動の利用に適合する予報及び警報」ではありません。
この特別警報については、従来の気象業務法施行令では定められておらず、改正気象業務法施行令において新たに定められました。
特別警報の発表基準について、都道府県から意見を聴く(都道府県は意見を述べるときは市町村の意見を聴く)こととしているのはなぜですか。
特別警報の発表基準を定めるにあたっては、各地域において想定される重大な災害の種類やその起こりやすさ及び各地域における防災対応の実情を踏まえる必要があります。このため、地域の防災対策を担っており、住民の居住状況、避難経路、避難場所等を把握している地方公共団体に意見を聴くこととしたものです。
また、どのような場合に特別警報が出されるかの認識が地方公共団体と共有され、地方公共団体が行う避難勧告等の防災対応の判断に、特別警報を有効に活用いただけると期待されます。
都道府県や市町村からはどのような意見があったのですか。
ご意見として多かったのは、「気象等(大雨、大雪、暴風(暴風雪)、高潮、波浪)に関して数値基準など明確な基準の設定、あるいは指標となる数値を共有してほしい」という趣旨のものでした。このご意見に対しては、どのような場合に特別警報を発表するのか、降水量等の客観的な指標について、自治体に説明するとともに、平成25年7月31日に気象庁ホームページで公開しました。
また、基準に関する意見・要望のほか、運用に関する意見・要望も多数いただいたところです。これらご意見・ご要望については、特別警報をより深く理解いただくのに、非常に貴重なものと考え、自治体の了解が得られたものについて気象庁としての考え方も付してこちらで公開しています。
気象等の特別警報について
気象等の特別警報の指標について、今後、変更されることはありますか。
指標については、今後も、特別警報の実際の発表状況や効果等について検証しつつ、必要に応じて見直しを行っていきます。
大雨特別警報には、雨量の基準と低気圧の基準の2つが設定されていますが、どちらの基準で大雨特別警報が発表されるのですか。
数十年に一度の降雨量でなくても伊勢湾台風級の台風の場合は大雨特別警報を発表することがあり、また、伊勢湾台風級以外の台風や集中豪雨により数十年に一度の大雨が予想される場合に発表することもある、ということです。 伊勢湾台風級の台風か、そうでない台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨かのどちらか一方の基準のみを運用するということではありません。
市町村ごとの50年に一度の値の一覧表が気象庁ホームページで公表されていますが、この値を予想したら特別警報が発表されるということですか。
特別警報は、50年に一度の大雨等が府県程度の広がりをもつ現象を対象に発表します。一つの市町村で50年に一度の値になるだけでは特別警報にはなりません。
50年に一度の大雨の値などは地域によって異なる値ですので、各市町村ではどのくらいの値なのかをイメージいただけるよう、一覧表をホームページに掲載しています。
市町村ごとの50年に一度の3時間降水量が、「記録的短時間大雨情報」の発表基準雨量よりも小さいところがあるのはなぜですか。
市町村ごとの50年に一度の値の一覧表に掲載しているのは、5km四方の地域ごとに求めた50年に一度の雨量のうち、各市町村にかかるものについて平均した値です。これに対して、「記録的短時間大雨情報」は、概ね県内全体でみて数年に一度発生するような雨量を、基準としています。
何々年に一度というものは、一般的に、広い地域でみるほど大きな値となりますので、場所によっては、ご指摘のような関係になるところもあります。なお、特別警報の指標において、3時間降水量については50年に一度の値及び150ミリを超える格子をカウントすることとしていますのでご留意ください。
大雪の特別警報については、積雪量だけではなく、表層雪崩の切迫等も視点に加えた基準及び運用とするべきではないですか。
大雪の特別警報については、積雪深に加え降雪量の予測も加味して、発表します。具体的には、50年に一度の積雪深を超え、さらに大雪警報に相当する降雪が続くと予想した場合に発表します。
なお、発表に係る指標については、今後も、特別警報の実際の発表状況や効果等について検証しつつ、必要に応じ見直しを行っていきます。
なだれについては、引き続き「なだれ注意報」により注意を呼び掛けていきます。
大雨特別警報が発表される主な事例においては、数十年に一度どころか約2年に一度のペースで発生しているのではないですか。
数十年に一度とは地域ごとにみてのものであり、全国的にみた場合には、年に1~2回程度あるかもしくはないかの頻度になります。
大雨や大雪について、大規模災害がほとんどない地域に対応するため、例えば、「数十年に一度」に続いて、「又はこれまで経験したことの無い」などの表記を基準に加えてはいかがですか。
「数十年に一度」とは、その程度の頻度でしか発生しない現象という意味です。このため、これまでに経験したことのない現象の意も含むため、追記しないことにご理解願います。
沖縄などでは、本土と比べて台風が接近するときの勢力に大きな違いがありますが、本土と同じ基準で特別警報を発表するのですか。
台風を指標とする特別警報については、本州などでは伊勢湾台風級(中心気圧930hPa以下、風速50メートル以上)を指標としますが、沖縄、奄美、小笠原については、中心気圧910hPa以下、風速60メートル以上を指標として運用します。
温帯低気圧については、暴風警戒域や強風域の発表がなく、被害範囲が不確定なので、台風と同じ表現ではなく別の表現に変えるべきではないですか。
低気圧については、台風のように暴風警戒域を示してはいないものの、猛烈に発達する温帯低気圧のような現象についても暴風の対象となる地域を予想することが可能です。このため、台風・温帯低気圧によらず、伊勢湾台風級に発達した低気圧により猛烈な風が吹くような地域に対し特別警報を発表することを考えており、現在の基準の表現が適切と考えています。
基準の中に具体的な過去の災害実例をもとにして想定される被害や住民が取るべき行動を加える等してはいかがですか。
基準に該当する過去の災害事例や住民がとるべき行動の例を気象庁ホームページに掲載したところですが、今後も特別警報発表時の状況をイメージしやすい資料を引き続き作成し公表していきます。
基準としては、現在の表現とさせていただきたく、ご理解願います。
自治体に対し、運用開始前に特別警報の発表に至るまでの判断プロセスを十分説明するとともに、運用開始後は判断の基礎となる情報をリアルタイムで提供するべきではないですか。
自治体に対しては、引き続き、地元気象台より丁寧に説明するよう努めて参ります。
なお、指標として利用している格子資料については、現時点でシステム的な制約もありリアルタイムで公表することは困難です。検討課題とさせてください。
特別警報について、都道府県においては市町村への通知、市町村においては住民への周知の措置を義務付けるのであれば、その前提として、国の気象等の観測体制を充実強化し、現行の気象警報・注意報等の精度の向上を図る必要があるのではないですか。
気象庁は、これまで全国の気象レーダーを集中豪雨をもたらす積乱雲内部の風の状況を監視できる気象ドップラーレーダーに更新する等、気象警報等の精度向上を図るための取り組みを進めてきております。また、現在の30分毎の観測を10分毎に行う等観測機能が大幅に強化された次期気象衛星(ひまわり8号、9号)をそれぞれ平成26年、平成28年に打ち上げる等、さらなる観測体制の強化を図る予定です。
今後も台風や集中豪雨等の気象状況をより詳細に早期に捉えるための観測体制の強化を継続的に実施し、特別警報をはじめとする警報等の一層的確な実施を図ってまいります。
特別警報と土砂災害警戒情報の位置づけはどうなるのか。
土砂災害警戒情報の運用や、土砂災害警戒情報が避難勧告の判断を支援するとの位置づけは、特別警報の実施後においても当面は変わりません。
特別警報が発表された場合には、府県予報区内で警報基準をはるかに超える現象が発現しつつある状況であることをご認識いただいた上で、より切迫感をもって防災対応に臨んでいただき、避難勧告等の判断を行う際は、土砂災害警戒情報の発表状況や補足情報となる土砂災害警戒メッシュ情報の推移を把握しながら、総合的に判断していただくものと考えています。
なお、土砂災害に関する警報等の改善については、平成24年度に開催された「土砂災害への警戒の呼びかけに関する検討会」提言および現在開催中の「防災気象情報の改善に関する検討会」から出される予定の提言を踏まえ、別途検討を進めていくこととしております。
特別警報と既存の記録的短時間大雨情報の違いは何ですか。廃止されたりはしないのですか。
特別警報は予想により発表するもので、記録的短時間大雨情報は、観測された雨量をお知らせするものです。現時点で廃止する予定はありません。
現在、土砂災害警戒情報が、市町の住民への避難勧告の目安となっています。今後どのような方向で進んでいくのですか。
土砂災害に関する警報等の改善については、「土砂災害への警戒の呼びかけに関する検討会」提言および現在開催中の「防災気象情報の改善に関する検討会」から出される予定の提言を踏まえ、別途検討を進めていくこととしています。
土砂災害は住民の生命・財産にきわめて大きい影響を与えることから、土砂災害に特化した警報を定め、さらに重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合に「特別警報」を発表すべきではないですか。
土砂災害に関する警報等の改善については、平成24年度に開催された「土砂災害への警戒の呼びかけに関する検討会」提言および現在開催中の「防災気象情報の改善に関する検討会」から出される予定の提言を踏まえ、別途検討を進めていくこととしています。
洪水警報は指定河川洪水予報があるので特別警報の対象としないとのことであるが、小河川の増水やはん濫も地域住民への危険度は高い。
水防活動の判断や住民の安全な避難実施のため、指定河川に限らず、洪水警報のもう少し重大なレベルに達したものを特別警報として位置づけるなど、特別警報等の充実をお願いしたい。
洪水の流況は、治水施設の整備状況やその操作により大きく変わるものであり、また、洪水の予報については雨量等の気象現象に加え、治水施設の整備状況やその操作、河川の形状等も踏まえ総合的に把握して行うことが必要です。
このため、洪水により重大な災害が発生するおそれが著しく大きい場合においても、気象庁と国土交通省または都道府県とが共同で、指定河川においては洪水予報を、水位情報周知河川においては水位情報の一般周知を各々適切に実施することとしています。
こうしたことから、洪水については特別警報を行わないこととしておりますので、指定河川洪水予報や水位情報周知河川の水位の状況に応じた防災対応をとってください。
防災気象情報の種類が多いので、体系的に整理するべきではないですか。
今次特別警報導入も含めた、気象情報全体を体系的に示す資料を作成し、気象庁ホームページに掲載します。
また現在「防災気象情報の改善に関する検討会」において、中期的な観点から防災気象情報の整理について、有識者などのご意見も伺いつつ検討をしているところです。当該検討結果のとりまとめを進めるとともに、今後、特別警報も含め検討結果を踏まえたより分かりやすく効果的な体系整理を行っていくこととしています。
注意報から特別警報になる可能性はあるのですか。
注意報から特別警報になる場合もあります。
特別警報の発表単位は、警報・注意報と同様に区市町村単位となるのですか。また、浸水害、土砂災害の種別はあるのですか。
特別警報の発表地域単位は、現行の警報等と同様に市町村単位で発表します。大雨特別警報には、浸水害・土砂災害の種別があります。
発表区域が市町村単位とのことですが、その場合、県内の全市町村が伊勢湾台風級で統一できるのですか。県内一律に特別警報の基準とする根拠は何ですか。
例えば、大雨特別警報について現在提示している基準は、「台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨が予想され、若しくは、数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により大雨になると予想される場合」です。これは、数十年に一度の降雨量が予想されなくても伊勢湾台風クラスの台風の場合は大雨特別警報を発表することがあり、また、伊勢湾クラス以外の台風や集中豪雨により府県程度の範囲で数十年に一度の大雨が予想される場合に発表することもある、ということです。
伊勢湾台風クラスの台風か、そうでない台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨かのどちらか一方の基準のみを運用するということではありません。
津波の特別警報について
津波について、河川のある自治体に、特別警報は発表されるのですか。特別警報が発表される範囲はどのようになるのですか。
津波に関する特別警報の発表は、市町村単位ではなく海岸線に沿った「津波予報区」に対して行われます。そのため、河川に対しては発表されません。これは、従来の津波警報と同様です。
津波注意報であっても、潮位や天候の状況を考慮し発表することも必要であるのではないですか。
気象庁では、潮位を考慮して沿岸での津波を精度良く予測する技術を現在開発しているところです。将来的には,要望いただいた潮位を加味した津波の予報が行えるよう、技術開発に努めて参ります。
津波の特別警報の基準については3m超から5m超に変更すべきではないですか。
過去に発生した津波被害について、津波の高さと被害の関係を見ると、概ね3m程度から被害が発生しています。これを踏まえ、従来から3m超を大津波警報と位置づけており、特別警報についても、同様に3m超を基準としています。
発表のタイミングは、津波の発生が確認された時点とすべきではないですか。また、基準については、「沖合津波計の観測データにより」を頭に加えるなどしてはいかがですか。
気象庁では、津波からの迅速な避難行動を取っていただけるよう、地震の観測データをもとに、地震発生から約3分を目途に大津波警報、津波警報を発表することとしております。仮に津波の発生を沖合津波計等で観測するまで大津波警報、津波警報の発表を控えるとすると、その分、警報の発表から沿岸に津波が到達するまでの猶予時間が短くなり、避難行動の遅れにつながります。したがって、大津波警報、津波警報の発表のタイミングは現在運用されている通りとすることが適切と考えます。
大津波警報=特別警報であるなら、特段、特別警報としての位置付けを行う必要性を感じません。津波については運用外でも良いのではないですか。
特別警報は重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合に発表します。そのため、都道府県から市町村への伝達を義務とするなどこれまでの警報以上の防災対応を自治体等に求めています。大津波警報は、まさにこの特別警報に該当する災害の発生が予想される際に発表されるものであり、防災対応の強化のためにも特別警報に位置づけているものです。
地震(地震動)の特別警報について
震度6弱以上を「特別警報」に位置づけることの意義は何か。予想震度にも誤差がある状況なので、観測体制が整い精度が向上してからでよいのではないですか。震度5弱以上でもいいのでは。
ご指摘のとおり、緊急地震速報の予報精度に課題はありますが、特別警報と位置づけることで、重大な災害の起こるおそれが著しく大きいという危機感を伝えられるようにしたいと考えます。
また、過去の地震発生時の調査から震度6弱以上になると建物の全壊率が高くなることがわかっており、震度6弱以上を特別警報の基準としています。
地震動が「予想される場合」とされているが、緊急地震速報が間に合わない直下型も考えられるので注釈が必要ではないですか。
ご指摘の通り、原理上、直下型の地震などでは緊急地震速報の発表が大きな揺れの開始に間に合わない場合があります。気象庁では、引き続き、これら緊急地震速報の特性や家具の固定など常日頃からの備えが重要であることの周知・啓発に努めていきます。
緊急地震速報を伝達するのは困難ではないですか、市町村に負担がかかるのではないですか。
緊急地震速報(地震動警報)は災害発生までの時間が数秒から十数秒と極めて短く、その間に公衆等に周知を図る必要があり、気象業務法第15条に定める機関の中でそれが十分可能なのはNHKのみと考えています。このため、気象業務法施行令(政令)において地震動警報についての気象庁からの通知先はNHKのみと定めており、結果として市町村には地震動警報を公衆等に周知することとはなっていないところです。
地震動の特別警報の通知先についても同じように政令で定めており、市町村が公衆等に周知することとはなっておりません。
震度6弱以上は、「特別警報」に位置づけられていますが、発表時は従来の緊急地震速報(警報)と変わらない点など位置づけを明確にすべきではないですか。
ご指摘の混乱を与えないよう、気象庁としても、緊急地震速報における特別警報の位置づけや警報発表時にとっていただきたい行動などについて、平時からの周知・啓発に努めていきます。
Jアラート等の通知が震度6弱以上とそれ以外で何か特別に変わるものなのですか。単なる位置づけだけではあまり有効性がないのではないですか。
震度6弱以上を特別警報と位置づけることで、重大な災害の起こるおそれが著しく大きいという危機感を伝えられるようにしたいと考えます。
しかし、現状の技術では、必ずしも十分な猶予時間をもって震度6弱以上を予想できないこと、見逃しのリスクも大きいことから、Jアラート等による緊急地震速報の一般への周知に当たっては震度6弱以上とそれ以外で区別をつけないこととしております。
特別警報の伝達、自治体での対応等について
特別警報は、民間の気象事業者へも伝達されるのですか。
民間気象事業者には気象業務支援センターを通じて提供されています。
市町村から住民・官公署への伝達も義務付けられることに対しては、現行のシステムでは、全ての住民へ周知することは不可能です。義務ということで市町村の責任が問われることにならないのですか。場合によっては2次災害の可能性もあるのではないですか。
改正気象業務法では、住民一人一人すべてに周知することを義務付けているのではなく、公衆・官公署へ「直ちに周知させる措置」をとることを定めています。したがって、住民一人一人すべてに周知できなかったからといって責任を果たしていないことにはなりませんが、周知の措置を直ちにとらなかった場合には責任を問われる可能性があります。
一般に警報等の周知手段としては以下の手段が挙げられるところであり、特別警報の周知の措置については、各市町村の判断により、可能な限り多くの手段を用いて行われることが望ましいものです。
- 「スピーカーによる放送(防災行政無線の活用等)
- 広報車の巡回
- 携帯電話のメールサービス
- ケーブルテレビやコミュニティFMによる放送
- 消防団や自主防災組織を通じた伝達
- 自治会等への協力依頼(電話連絡網による連絡等) 等
例えば広報車を出すことで2次災害の可能性がある場合は自治会等への協力依頼(電話連絡網による連絡等)により行う等、2次災害に遭わない手段を判断されて、当該手段により周知の措置をとっていただきたいと考えます。
Jアラートにおける伝達はどのようになるのでしょうか。
今般の法改正において、警報および特別警報の市町村への伝達が迅速かつ確実に行われることを補完する措置として、消防庁が所管する全国瞬時警報システム(Jアラート)も活用しています。
県から市町への通知義務、市町村から住民等への周知の措置の義務について、何をもって義務を果たしたとするのですか。時間的猶予は認められるのですか。また、伝達頻度(回数)に決まりはあるのですか。
県から市町への通知について、FAXやメール等の機器・システムで行う場合、特別警報を直ちに市町に送信し、市町村側で受信された状態になることをもって義務を果たしたことになります。したがって、不達や送信エラー等の場合、再送や別の手段によって市町村に通知していただく必要があります。もちろん、電話等口頭で直ちに伝える場合も義務を果たしたことになります。
市町村については、住民一人一人すべてに周知することを義務付けているのではなく、公衆・官公署へ「直ちに周知させる措置」をとることを定めています。一般に警報等の周知手段としては以下の手段が挙げられるところであり、各市町村で周知手段を判断されて、その手段により直ちに周知の措置をとることで義務を果たしたことになります。
- 「スピーカーによる放送(防災行政無線の活用等)
- 広報車の巡回
- 携帯電話のメールサービス
- ケーブルテレビやコミュニティFMによる放送
- 消防団や自主防災組織を通じた伝達
- 自治会等への協力依頼(電話連絡網による連絡等) 等
また、「直ちに」とありますので、特別警報の通知を受けたらすぐに周知の措置を行っていただく必要があります。例えば広報車の手配をするなど周知手段によっては周知を行うまでに一定の時間がかかる場合も考えられますが、こうした一連が「周知させる措置」であり、直ちにとりかかっていただく必要があります。
なお、発表された特別警報についての伝達頻度(繰り返しの回数)に決まりはありません。
気象等の特別警報の発表区域が「市町村単位」となっていますが、市域のごく一部だけが特別警報の基準に該当して発表された場合、市域が広大な場合は、全地域の市民に周知義務が発生するのですか。
特別警報を発表する事態とは、基準としてお示ししているとおり、台風や集中豪雨によって数十年に一度の気象現象が予想される、数十年に一度の強度の台風等によって甚だしい気象現象が予想される場合となります。
この場合の予想される現象は広域的なものとなり、市域のごく一部だけが特別警報の基準に該当するような現象が予想されるという場合があるとは考えておりません。したがって、特別警報は市域全域に周知されるようお願いします。
気象等に関して、特別警報が発表される段階ではすでに住民に対し広報等を行っているはずである。そういった状態で、気象庁、NHK、市町村のみが義務となっているのはおかしいのではないですか。災害から国民を守るための特別警報であれば、警察やNTT、民放事業者等に対しても義務付けすべきではないですか。
また、津波および地震動に関して、風水害等と異なり、直ちに周知しなければならないことから、市町村だけでなく、あらゆる防災関係機関が対応すべきではないですか。
気象業務法では公衆への警報の伝達ルートとして、都道府県を経由する主ルートを補完して市町村への伝達の多重性を確保する観点から、警察庁やNTT経由のルートを、公共放送を通じて伝えるルートとしてNHKによる放送を定めています。民間放送事業者については伝達ルートには入っておりません。
特別警報の伝達については、警報の伝達ルートを活用することとし、ただし、従来の警報よりも重要なものであることから、主ルートである都道府県・市町村ルートについて義務付けを図ったものです。(気象庁、NHKについては従来の警報についても義務となっています。)
市町村が周知の措置をとるとされる「官公署」は具体的に何を示すのですか。法務局や労働基準監督署なども対象か。
「官公署」とは、一般に、国及び地方公共団体の諸機関の事務所を意味しますので、市町村内に所在する法務局や労働基準監督署なども周知の措置の対象として含まれます。
なお、「所在の官公署」へ周知させる措置とは、所在の官公署ひとつひとつに通知を行うものではなく、公衆に周知させる措置と同様の手段(防災行政無線による放送や広報車の巡回等)による措置で行えばよいものです。
行政側の「特別警報」の運用について、住民への情報伝達方法、伝達に関する情報機器や設備等の整備を含めた運用計画の検討が必要になるのですか。
特別警報の運用開始後、当面は既存のシステムを用いる場合でも実施可能と考えていますが、一方で、各市町村における警報等の伝達手段の拡充については、今後の課題として、関係省庁とも連携し、その推進に努めてまいります。
また、特別警報を効果的に伝達・活用いただくために、各自治体の地域防災計画に的確に記載いただくことが重要と認識しており、今後記載例等を示しつつ相談してまいりたいと考えています。
特別警報発表から市町が避難勧告を行うまでのタイムラグが大きいと住民に与える不安は大きく、また、発表直後に住民から市町への問い合わせが殺到すれば、市町の防災体制や避難所の開設等に支障をきたす可能性もあるので、適切に対応が出来るように気象台と県・市町との連絡、情報提供・共有体制の確立をお願いしたい。
特別警報発表時には気象台から速やかに県や市町村へメール等で連絡するよう努めたいと考えております。
なお、特別警報が発表されなくても大きな災害が発生する場合もあることから、警報が発表されている段階で避難勧告等の防災対応について総合的に判断いただきたいと思います。
市町村の避難指示・勧告との関係について、避難勧告をしている市町村に特別警報が発表された場合、住民の混乱を招く懸念がないですか。
特別警報を避難指示・勧告に準じるあるいは相当するような情報のように受け止めているが、そうだとすると住民から見れば避難に関する情報が複数出ることになり混乱するのではないですか。
避難勧告や避難指示は首長が行うものです。気象台が避難指示・勧告に準じるあるいは相当するような情報を発表することはありません。
気象台は予想される現象が特に異常であり重大な災害の起こるおそれが著しく大きい状況の時に特別警報を発表するものであり、特別警報が発表された場合、住民には周囲の状況や市町村から発表される避難勧告等の情報に留意し、身を守るための行動を直ちにとっていただきたいと考えております。
このことについて周知・広報を徹底してまいりたいと思います。
特別警報発表の際の関係機関からの情報発信及び伝達の流れについて、市町村が混乱しないように明確な体系化が必要ではないですか。
特別警報を効果的に伝達・活用いただくために、各自治体の地域防災計画に的確に記載いただくことが重要と認識しており、今後記載例等を示しつつ相談してまいりたいと考えています。
特別警報の周知・広報、その他について
一般市民に対する特別警報の周知に啓発についてどんな策を講じるのですか。
気象庁ホームページへの特設ページの開設、リーフレット・ポスターの配布、政府広報による新聞広告やラジオ放送等により、周知・啓発を図ることとしています。また、記者会見等を通じて報道機関に対しても、周知・啓発への協力を依頼しています。
全国民に対して、正しく周知するため、文言的な説明だけではなく、テレビ等によるドラマ的な内容も取り入れて広報を徹底していただけないでしょうか。また、パンフレット等を全家庭に配布すると伴に、市としても広報に協力出来るよう映像資料を含むデータを提供していただけないでしょうか。
政府広報を活用し、特別警報の周知のためご指摘のドラマ的な映像資料を作成し、インターネットで公開しました。また、今後、気象台による講演会等で活用いたします。この資料について、希望する自治体に提供することが可能です。
パンフレットについては、可能な限り多くの部数を市町村に配布し、また、政府広報による新聞広告等により、家庭への周知にも努めてまいります。
運用開始までの準備期間を十分に確保していただきたい。8月開始というのはタイミングが悪くないですか。
特別警報については、甚大な災害に速やかに対応すべく、法律公布後三ヶ月以内に実施することとなっており、ご理解願います。
「特別警報」という表現より「非常警報」といったような表現の方が住民に非常事態であるという意味では浸透しやすいのではないですか。
特別警報は、法律の上では警報の一種として、重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合に行う特別な警報として定められました。
実際に発表する特別警報の具体的な名称については、広く知られた状況にあることが望ましいものです。「特別警報」という表現は、法案が国会に提出された平成25年3月頃から報道機関にも広く取り上げられ、広く知られてきている状況です。このため、「特別警報」という表現をそのまま用いています。
発表した特別警報が誤報の可能性はありますか。可能性がある場合、発表した特別警報が誤報であることの周知はどのように行うのですか。
誤報の無いよう万全を期します。万が一、誤報の場合には、現行の警報と同様、内容を訂正する続報を直ちに発信するとともに、誤報の影響が拡散しないよう最大限の措置を取ります。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。