陸前高田市 (りくぜんたかたし)は、岩手県 南東部の太平洋 岸に位置する都市である。
旧陸前国 気仙郡 に属し、隣接する同県大船渡市 や宮城県 気仙沼市 とともに陸前海岸 北部の中核を成す。
市名の読み[編集 ]
昭和 30年(1955年 )の市制施行以来、市の読み方は「りくぜんたかた」である。しかし、地元住民および周辺市町村で用いられる方言 では、「か行 」と「た行 」の音が鼻濁音 化した「たがだ」、または、最後の「た」だけが濁音 化する「たかだ」と発音される。
太平洋 に面した三陸海岸の南寄りに位置する。三陸海岸南部はリアス式海岸 が続き、西の唐桑半島 と東の広田半島 に挟まれた広田湾 の北奥に市中心部のある平野が広がる。小さな平野ではあるが、山が海に迫る地形が続く三陸海岸では最大級のものである。広田湾奥には気仙川 が流れこんでおり、その運ぶ土砂で形成された砂州 には高田松原 と呼ばれる松原が東西に続く。高田松原の北に古川沼 があり、その先の山麓に中心市街地があり、その北には氷上山 がそびえる。広田半島には椿島 などの景勝がある。
山地 :氷上山、横手山 、箱根山
河川 :気仙川、川原川、小泉川、浜田川、矢作川
隣接する市町村[編集 ]
「気仙郡 」、「高田町 (岩手県) 」、および「気仙町 」も参照
東日本大震災[編集 ]
2011年 (平成 23年)3月11日、マグニチュード 9.0の東北地方太平洋沖地震 が発生した。隣接する市町村の震度 は、大船渡市・一関市・宮城県気仙沼市が震度6弱 、住田町は5強 であった[4] 。同市の震度は欠測だったが、市の発表による災害状況では6弱とされている[5] 。この地震が引き起こした大津波 によって市役所庁舎を含む市中心部が壊滅し、市の全世帯のうち7割以上が被害を受けた[6] [7] 。また、市域にある東日本旅客鉄道 (JR東日本)の5駅のうち4駅(大船渡線 の竹駒駅 ・陸前高田駅 ・脇ノ沢駅 ・小友駅 )は、周辺地域の多くの駅同様、駅舎 などが流失し、線路も大きな被害を受けた[8] 。
4月9日:この時点で判明していた陸前高田市における死者は1,211人、行方不明 者1,183人、避難者16,579人[7] 。
4月14日:GPS (全地球測位システム)を用いた国土地理院 の調査の結果、岩手県・宮城県・福島県 の広範な沿岸地域において、この地殻変動 による著しい地盤沈下 があったことが明らかとなった。特に岩手・宮城両県境付近の変動量は大きく、最大は牡鹿半島 の-120 cm , 陸前高田市は小友町西の坊が-84 cmで市街地中最大、同じく米崎町高畑は-58 cm, 同じく気仙町双六は-53 cm, 他では宮城県石巻市 が-78 cm, 気仙沼市が-76 cm, 岩手県大船渡市が-73 cmであった[9] [10] [11] (日本における地盤沈下 も参照)。
6月30日:この時点で判明していた陸前高田市における死者は1,656人、行方不明者は95人。
岩手県総合防災室によると、2012年8月11日現在で陸前高田市における死者は1,555人・行方不明者は223人で、行方不明者のうち陸前高田市が死亡届を受理した件数は205人である[12] 。
姉妹都市・友好都市[編集 ]
姉妹都市 提携等を結んでいる地方自治体は存在しない。
集配拠点
郵便局
陸前高田郵便局 (83018):かつて郵便事業陸前高田支店(現在は、上述の当局郵便分室)の社屋内に局が所在していたが、東日本大震災での被災に伴い、現在は別立地でのプレハブ仮店舗。
今泉郵便局 (83106):東日本大震災での被災に伴い、閉鎖中。
矢作郵便局 (83111):かつて集配局であったが、民営化前に無集配化。
気仙横田郵便局 (83166)
陸前小友郵便局 (83120):かつて集配局であったが、民営化前に無集配化。東日本大震災での被災に伴い、閉鎖中。
広田郵便局 (83132):もともと海の近くにあったが被災し、少し高台側に移動してプレハブ仮店舗営業中。
竹駒郵便局 (83249):上述のとおり、現在は陸前高田局郵便分室仮店舗と同一地に所在。プレハブ仮店舗。
米崎郵便局 (83259):もともと脇ノ沢駅前にあったが被災し、内陸部に移動してプレハブ仮店舗営業中。
下矢作簡易郵便局 (83727)
金融機関[編集 ]
報道機関[編集 ]
陸前高田市と全国の年齢別人口分布(2005年)
陸前高田市の年齢・男女別人口分布(2005年)
■紫色 ― 陸前高田市 ■緑色 ― 日本全国
■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
陸前高田市(に該当する地域)の人口の推移
総務省 統計局 国勢調査 より
高等学校[編集 ]
中学校[編集 ]
小学校[編集 ]
閉校となった学校[編集 ]
高等学校
中学校
陸前高田市立広田中学校
陸前高田市立小友中学校
陸前高田市立米崎中学校
陸前高田市立高田中学校
陸前高田市立竹駒中学校
陸前高田市立矢作中学校
陸前高田市立下矢作中学校
小学校
陸前高田市立長部小学校
陸前高田市立下矢作小学校
陸前高田市立生出小学校
陸前高田市立矢作小学校小黒山分校
陸前高田市立下矢作小学校雪沢分校
陸前高田駅(鉄道駅時代の木造駅舎。2006年撮影。駅舎は東日本大震災の大津波で流失
[13] )
大船渡線は東日本大震災により被災し当市内の区間を含む気仙沼駅 - 盛駅 間で営業を休止しているが、2013年 3月2日にバス高速輸送システム (BRT ) で仮復旧した。仮復旧後に長部駅 ・高田病院駅 ・奇跡の一本松駅 (すべて臨時駅 )が市内に新設。
路線バス[編集 ]
高速道路[編集 ]
高規格幹線道路(一般国道自動車専用道路)[編集 ]
一般国道[編集 ]
主要地方道[編集 ]
一般県道[編集 ]
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事[編集 ]
高田町にて毎年8月7日 に開催される。全面に七夕 飾りを施し、笛 ・和太鼓 による囃子 組らを乗せた山車 をロープで牽いて高田町内を練り歩く。山車の数は12台。夜には山車の装飾にライトアップ も施され、各祭組が美しさを競い合う。終了後の山車は道の駅高田松原 に集結し、翌日からお盆 の時期まで展示され、各祭組が日替わり出演で囃子等を披露する。木製車輪の山車を用いる「けんか七夕まつり」に対し、ゴムタイヤの車輪を用いた山車が多い。
気仙町にて毎年8月7日に開催される。「うごく七夕まつり」と同様、飾り付けをして囃子組らを乗せた山車が気仙町内を練り歩くが、昼は長部漁港、夜は市街地にて向かい合った山車のロープを互い違いに引っ張ることで正面衝突させて押し合う「けんか 」を行うのが特徴。山車の数こそ4台と少ないが、数百人が一斉にロープを牽いて衝突させる衝撃に耐えられるよう太い丸太や藤づるを駆使した頑丈な造りの山車となっており、囃子組等が全員乗車した状態での総重量は4トン を超える。見物客も綱引き 大会の要領でロープを牽くことで祭りに参加することができる。
市民体育館にて毎年10月第3日曜日に開催される。けんか七夕まつり保存会の有志による企画で、平成元年に始められた。近年[いつ? ] の出演団体の構成は東北地区とその他地区で半々程度。
1986年 (昭和61年)から2005年 (平成17年)まで、8月下旬に開催されていた自転車ロードレース 。市街地を通り抜けるコース設定になっており、沿道の住民の歓声を間近に受けることができることから、全国的な人気を得ていた。道路事情などにより、2005年の第20回大会をもって中止された。
江戸時代 末期の嘉永 3年(1850年 )に陸前国気仙郡(現・陸前高田市域)の長圓寺前に落下し、今日に伝わる隕石 。日本最大の石質隕石 である。
名物・特産物[編集 ]
ぶどう ジャム 、昆布 など。
出身著名人[編集 ]
関連項目[編集 ]
ウィキメディア・コモンズには、陸前高田市 に関連するカテゴリがあります。
外部リンク[編集 ]