ハッシュタグ(hashtag)とは
#記号と、半角英数字で構成される文字列のことを Twitter上ではハッシュタグと呼ぶ。発言内に「#○○」と入れて投稿すると、その記号つきの発言が検索画面などで一覧できるようになり、同じイベントの参加者や、同じ経験、同じ興味を持つ人のさまざまな意見が閲覧しやすくなる。ハッシュタグは Twitter ユーザーが自発的に使用するようになったルールであり、ハッシュタグを使用するに当たっては Twitter Inc. への申請や登録は必要ない。#○○の前後に、半角スペースを入れるのを忘れずに!
【例】#oyatsu → 自分が食べたおやつについて皆で共有※日本語ハッシュタグについては>>こちら
ハッシュタグとは言葉やスペースの無いフレーズの前にハッシュ記号(番号記号)、#
を付ける形のラベルである[1]。メタデータタグタイプであり、ミニブログやFacebook、Google+、インスタグラム、Twitter、VKといったソーシャル・ネットワーキング・サービスに投稿したメッセージにおいて言葉やフレーズの前に#(ハッシュタグ)を付けると[2]、文章内に表示される(例として「New artists announced for #SXSW2014 Music Festival」というような文章)か[3]、文章の語尾に追加される。ハッシュタグの例として #dontjudge という表記がある。言葉のハッシュタグはまた、ハッシュタグの文脈において使用された自身のハッシュ記号を参照することができる[4]。
ハッシュタグは同じようなタグ付きメッセージを収集することができ、それが存在する全メッセージの電子的検索もできる。
利用が広がったことで「hashtag」は2014年6月にオックスフォード英語辞典に収載された[5][6]。
起源と使用[編集]
番号記号は情報技術において、特別な意味を強調することに使用されることが多い。1970年代の例では次に記号や番号を置くときにPDP-11のアセンブリ言語において直接のアドレスモードを表示するのに使用されていた[7]。1978年、ブライアン・カーニハンとデニス・リッチーはC言語でCプロセッサーが最初に処理しなければならない特別なキーワードに「#」を使用した[8]。ハッシュタグが発明される以前から、番号記号は北米外の数か国で「ハッシュシンボル」と呼ばれていた[9][10]。
その後番号記号はIRCでグループや話題をラベル付けするために使用されるようになった[11]。チャンネルや話題はIRCネットワーク全体で利用可能で、#というハッシュ記号が前に付けられている(対照的にローカルからサーバーへはアンパサンド(&)が使用される)[12]。
クリス・メッシーナ(英語版)はIRCでの番号記号使用に触発される形で[13]、ミニブログネットワーク上で関心のある話題をタグ付けするためにTwitter上で同じようなシステムを使うことを提唱した[14]。クリスはTwitterに初めてのハッシュタグを次のように投稿した:
how do you feel about using # (pound) for groups. As in #barcamp [msg]?→グループ付けに# (ナンバー)を使うのはどうだろう?#barcamp [メッセージ]のように。
国際的にハッシュタグは2009年イラン大統領選挙暴動(英語版)をきっかけにTwitter投稿の書き方の特徴となっていき、英語やペルシア語でのハッシュタグはイラン内外のTwitterユーザーにとって役立つものになっていった[15]。
ハッシュタグという言葉が初めて使用されたのはストウ・ボイドによる2007年8月26日付のブログ記事で「ハッシュタグとはTwitterでのグループ化である」[16]と辞書編集者でアメリカ方言学会新語委員会委員長のベン・ジマー(英語版)が述べている。
Twitterはツイート内の全てのハッシュタグのハイパーリンク化を開始し、ハッシュタグ化された言葉(や一般的にスペルを間違えた言葉の標準スペル)のTwitter内検索結果を表示できるようになった。2010年、Twitterは「トレンド(Trending Topics)」という人気急上昇のハッシュタグを掲載するコンテンツを掲載するようになった。Twitterにはトレンドリストにスパムが入らないようにしたり、話題のハッシュタグを中立的に提供するためのアルゴリズムがある[17]。
中華人民共和国では、新浪微博や騰訊微信といったミニブログが「#ハッシュ名#」という二重ハッシュタグという形式を取っているが、これは漢字間にスペースが無いために閉じるためのタグが必要なためである。対照的に、Twitterで漢字(や同じようなスペース問題を抱える正書法)を使用するときに、ユーザーは'我#爱你'というように言語学的に自然な表現を維持するために[18]ハッシュタグ化された要素の前後にスペース(例として'我#爱你'ではなく'我 #爱 你')[19]かZWNJを挿入しなければならない。
ミニブログやソーシャルネットワーキングサイトではハッシュタグは文章中のどこかに挿入したり、前に付けたり、追伸として後に付けるか、文章中の言葉として含ませることができる(例、"It is #sunny today")。
投稿やツイートにおける使用ハッシュタグの多さは使用ハッシュタグの種類と同じくらい重要である。現在、特定の会話をするときにタグを1つ、2つ投稿するときは会話に場所を加える時に容認されていると考えられるが、3つが限界とされ、「コミュニティの怒りを買う」リスクが増すとされている[20]。
2013年9月、ジミー・ファロンとジャスティン・ティンバーレイクはレイト・ナイト・ウィズ・ジミー・ファロンでハッシュタグの度重なる誤使用や無理解使用を風刺するコントを披露した[21]。
ソーシャルネットワーキングサイトのヘッダーにある検索バーで「#science」というハッシュタグを使った直近の投稿を検索
ハッシュタグは活発に行われる臨時の議論フォーラムで使用されるのがほとんどで、任意の文字の組み合わせにハッシュ記号を付けたのがハッシュタグだが、個人な十分なアピールをした場合、トレンドとなりハッシュタグを使用した議論をするためにより多くの人達を集めることができる。Twitterではハッシュタグが人気急上昇となった時にユーザーページの「トレンド(Trending Topics)」に反映させているが、表示トレンドは地域か世界中かで選ぶことができる。ハッシュタグは1人のユーザーやユーザーの集団によって登録やコントロールされることもなければ、一般使用から「引退」させることもできないが、これはハッシュタグが理論的に使用言語の言葉の寿命や文字の構成への永久的な依存の中で使用されることを意味する。また、任意の構成定義もないことは単一のハッシュタグは活用する人達が支持する数ある目的のために使用することができることを意味している。
そして、はっきりしない言葉遣いをする傾向にある特定イベントでの議論での使用を想定されているハッシュタグはケーキフェスティバルの時にシンプルな「#cake」ではなく「#cakefestival」が使用されるように同じような話題の一般的な会話に巻き込まれることを避ける意図がある。しかし、これは人々が同じ話題をしているつもりなのに異なるスペルや言葉を使用してしまう事が多いため話題がトレンドに入ることを難しくしかねない。話題をトレンドに入れるためには特定の話題を参照したハッシュタグが暗黙か明言されたかどっちにしろ合意が得られる必要がある。
また、ハッシュタグは同じ興味を抱くユーザーを検索してフォロー(購読)もしくはリスト(公開連絡先リスト)に追加するための目印にもなる。
ソーシャル・ネットワークであるインスタグラムでも写真投稿や話題に合わせたハッシュタグ付けによってハッシュタグを使用することが可能である。例として、自身や友達の投稿写真に#bfflや#friendsといったハッシュタグを付けることができる。しかし、インスタグラムでは#photography #iPhone #iphoneographyのように余りにも特徴が無く目的を果たすことが出来ないとされる一定のハッシュタグを使用不可にしている。さらに、薬物使用といった違法行為を招くハッシュタグもブロックしている[22]。検閲や一定のハッシュタグ使用禁止はインスタグラムで特定のサバルタンコミュニティが構築され維持される方法において間接的役割を果たしている。インスタグラムがコンテンツ規定を定めているにも関わらず、ユーザーは自身の行動の継続と最終的な検閲回避の方法を模索している[23]。
ハッシュタグはまた、後日の検索や共有、その他の理由でメッセージを実際的にカテゴライズするために受信メッセージに基づいた文章に非公式かつ意図なしで使用されている。そして、「月曜日だ!! #興奮 #皮肉」というようにユーモアや悲しみその他感情表現をするのにも役立つ。
ソーシャル・ネットワーキング・ウェブサイト以外での使用[編集]
この機能は他にYouTubeやゴーカー・メディアでのユーザーコメント機能といった非ショートメッセージ適用サービスでも搭載されている。ゴーカー・メディアの場合は、ブログコメントや直接投稿されたコメントのためのハッシュタグは社員がウェブサイトにログインしていない時にユーザーアクティビティの一定の評価をより公平に維持するために活用される[24][25]。
ハッシュタグ対応ウェブサイト[編集]
マスコミ[編集]
2010年以降、複数のテレビ局はテレビシリーズでブランド化したハッシュタグ表示で宣伝を行うようになったが[27]、放送前か放送中もしくは放送終了後のオンライン議論のバックチャンネル(英語版)としての意味合いもある。ハッシュタグ表示は画面のいずれかの隅や宣伝の最後に表示している[28](例としてモーションピクチャートレーラーなど)
司会や特派員といった放送関係者も投稿をやりとりするために企業や個人のTwitterアカウント名を宣伝していて、アカウント名に沿った関連もしくはブランド化したハッシュタグの使用(例として#edshow(英語版)だけでなく@edshow(英語版))はTwitterや他の検索エンジンにおいて話題のハッシュタグ(今後、議論の話題になるために)になるためのミニブログ方式として奨励され続けている。放送事業者もまた、生放送のために選択された投稿をまとめるためにこのような様式を作成している。Twitterのメディア提携責任者であるクロー・スラッデンは放送されている番組(例えば、#SunnyFX(英語版))を瞬間的に識別するタイプと出演者が放送中に視聴者からの反応を探るための一時的なタイプの2つのテレビ用ハッシュタグを設定している[29]。また、ハッシュタグがニールセン視聴率(英語版)に取って代わるか共存するかといった推測も一部である[30]。
ハッシュタグを宣伝媒体として活用する事例の増加はコマーシャルやシリーズエピソードの最後で宣伝されていた点でAOLが1990年代終わりから2000年代初頭までブランド化したキーワード(英語版)の宣伝と比較される[31]。
世界的に有名になるハッシュタグもあり、例としてJe suis CharlieというスローガンはTwitterにおいて#jesuischarlieと#iamcharlieいうハッシュタグとして初めて使用され、インターネット上で大規模に拡散した。
2013年2月よりTwitterとアメリカン・エキスプレスとのコラボレーションにより特別なハッシュタグをツイートすることで値下げセールをしている商品をオンライン上で購入できるようになった[32]。アメリカン・エキスプレス会員はツイートとアメリカン・エキスプレスからの確認を伴った返事を探すことでカードとTwitterを同期させたりオファーを使うことができる[33]。
イベント宣伝[編集]
現実世界でのイベントを行うときも参加者間の議論やプロモーションのために初めてやアドホックリストが作成されている。開催期間、多くの場合Twitterなどで両方の参加者がお互いを見つけ合う目印としてハッシュタグは使われる。
企業や権利擁護団体も自社製品やサービス、キャンペーンのプロモーションのための特別なハッシュタグを使用した議論を仕掛けている。
#OccupyWallStreetや#LibyaFeb17といった2010年始めの政治的な運動でもハッシュタグを拠点に展開されたり、議論を盛り上げるためにハッシュタグが大々的に使われていた。
顧客による苦情[編集]
ハッシュタグは消費者が大企業に顧客サービスエクスペリエンスに関して苦情を言うためにソーシャルメディアプラットフォームで度々使用している。「バッシュタグ(bashtag)」は企業が設定したソーシャルメディアハッシュタグが企業を批判したり脆弱な顧客サービスを他に告発するときに使用されてしまう状況を説明するために作られた用語である。例として、2012年1月、マクドナルドは#McDStoriesという店内での良い経験を共有する目的のハッシュタグを作成したが、想定していた良い経験ではなく苦情のツイートが多数あふれたためわずか2時間でこのキャンペーンは中止となった[34]。
感情分析[編集]
ハッシュタグの使用はまた、書いた人が文章にぶつけた感情を露呈することがあり、ハッシュタグがどこで心理状態を直接説明するかによって明確さに差が出る。例として、ハッシュタグの言葉は文章が皮肉的か否かの最強な予測因子となっている[35]。
大衆文化において[編集]
2011年4月のカナダ党首討論(英語版)期間中、当時の新民主党党首だったジャック・レイトン(英語版)はカナダ保守党のスティーヴン・ハーパー首相による犯罪関連の政策を「a hashtag fail」(おそらく #fail)として言及した[36][37]。
カニエ・ウェストが言い出した[38]ハッシュタグラップはラップのスタイルを説明するために2010年代に編み出され、ヒューストン・プレス(英語版)のリゾー(Rizoh)によれば、「メタファー、ポーズ、1つの言葉によるパンチラインの3つで構成されていて、韻の終わりに置かれることが多い」という[39]。ニッキー・ミナージュ、ビッグ・ショーン、ドレイク、リル・ウェインといったラッパーがハッシュタグラップを盛り上げているが、リュダクリス、ザ・ロンリー・アイランド[40]や複数の音楽ライターはハッシュタグラップを非難している[41]。
2013年9月13日、ニューヨーク・タイムズのトップページ記事のヘッドラインにおいてTwitterの株式公開に関する記事に#TwitterIPOというハッシュタグが登場した[42]。
WWEレスラーのドルフ・ジグラーのアダ名は「ハッシュタグヒール」である。
食品会社のバーズ・アイ(英語版)は「マッシュタグ(Mashtags)」というアットマークやハッシュタグの形をしたマッシュポテトを2014年に発売した[43]。
2014年5月、Twitterユーザーは性差別や女性への暴力(英語版)の経験に対する意識を高めるために#YesAllWomenというハッシュタグが使用されるようになった[44]。