聴きました。
バカの壁
ポータル 文学 |
『バカの壁』(バカのかべ)は、東京大学名誉教授・養老孟司の著書。新潮新書編集部の口述筆記による著作である。2003年(平成15年)4月10日、新潮新書(新潮社)より刊行された。400万部を超えるベストセラーとなり、同年の新語・流行語大賞、毎日出版文化賞特別賞を受賞。同年4月に創刊されたばかりの新潮新書は、同書のヒットによりブランドイメージを定着させた。
内容[編集]
本書の帯紙には「『話せば分かる』なんて大ウソ!」、書店向けPOP広告には「バカの壁は誰にでもある」という著者の言葉が記された。「人間同士が理解しあうというのは根本的には不可能である。理解できない相手を、人は互いにバカだと思う」というのが本書の要点である。
発行部数[編集]
2006年8月時点での発行部数は419万部。出版科学研究所調べで黒柳徹子の『窓ぎわのトットちゃん』、J・K・ローリング(松岡佑子訳)の『ハリー・ポッターと賢者の石』、乙武洋匡の『五体不満足』に次ぎ、戦後日本の歴代ベストセラー4位である。教養系新書でこれまでの日本のベストセラーだった永六輔の『大往生』(1994年刊行、岩波新書)の230万部を超えたばかりか、新書全体でもこれまでの日本のベストセラーだった塩月弥栄子の『冠婚葬祭入門』(1970年刊行、光文社カッパホームズ)の308万部をも上回った。
日本出版販売の週間ベストセラーランキング新書ノンフィクション部門で1年間首位を続けた。ちなみに、連続1位記録を阻止したのは養老孟司の続編『死の壁』である。
発行部数の推移
- 初版発行部数 3万部
- 2003年11月19日時点 191万部
- 2003年12月9日時点 232万部
- 2004年2月19日時点 311万部(49刷)
- 2005年8月8日時点 398万部
- 2005年9月1日時点 400万部
- 2006年5月11日時点 415万部
- 2006年8月時点 419万部
- 2010年7月時点 432万部(100刷)
備考[編集]
- タイトルの「バカの壁」とは、元々は養老孟司が自著『形を読む』で使用していた言葉である。
比喩[編集]
- 2004年3月5日、民主党の衆議院議員・達増拓也は衆議院予算委員会において「説明しても無駄というような問答無用の態度を繰り返す小泉内閣は『バカの壁内閣』だ。『バカの壁予算』に賛成することはできない」と述べた。
- 九段下駅の都営地下鉄新宿線新宿方面ホームと東京地下鉄(東京メトロ)半蔵門線押上方面ホームは同じホームでありながら壁で仕切られており、両線の乗換えには必ず階段を昇降して改札を通過する必要があったため、当時の東京都副知事であった猪瀬直樹がこの壁を「バカの壁」と呼び、撤去を提起していた。2013年2月15日、約12億円(東京都負担約5億円)をかけてホーム約200メートルのうち約90メートル分の壁が撤去された。
書籍情報[編集]
- 新潮社(2003年4月10日、ISBN 4106100037)
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。