ニュース交差点:エネルギー メタンハイドレート試験採掘−−愛知県沖
毎日小学生新聞 2013年02月01日
独立行政法人石油天然(どくりつぎょうせいほうじんせきゆてんねん)ガス・金属鉱物資源機構(きんぞくこうぶつしげんきこう)(JOGMEC)は、次世代(じせだい)エネルギーのメタンハイドレートが埋(う)まる愛知県沖(あいちけんおき)の海底(かいてい)からメタンガスを取(と)り出(だ)すため、地球深部探査船(ちきゅうしんぶたんさせん)「ちきゅう」が、試験海域(しけんかいいき)で作業(さぎょう)を始(はじ)めたと発表(はっぴょう)しました。
試験海域(しけんかいいき)は渥美半島(あつみはんとう)の南(みなみ)70〜80キロメートル沖合(おきあい)の「東部南海(とうぶなんかい)トラフ」周辺(しゅうへん)。作業(さぎょう)を進(すす)め、早(はや)ければ2月下旬(がつげじゅん)ごろからガスを取(と)り出(だ)します。産出試験(さんしゅつしけん)は陸上(りくじょう)では例(れい)がありますが、海洋(かいよう)では世界初(せかいはつ)です。安定的(あんていてき)に取(と)り出(だ)すことに成功(せいこう)すれば、2018年度(ねんど)の商業化(しょうぎょうか)を目指(めざ)します。
メタンハイドレート
メタンハイドレート(英: methane hydrate)とは、メタンを中心にして周囲を水分子が囲んだ形になっている包接水和物である。低温かつ高圧の条件下で、水分子は立体の網状構造を作り、内部の隙間にメタン分子が入り込み氷状の結晶になっている。メタンは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギー源であるとされる(天然ガスも参照。)が、メタンハイドレートについては現時点では商業化されていない。化石燃料の一種であるため、再生可能エネルギーには含まれない。
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性状 [編集]
見た目は氷に似ている。1 m3のメタンハイドレートを1気圧の状態で解凍すると164 m3のメタンガスと水に変わる。解凍する前のメタンはメタンハイドレートの体積の20 %に過ぎず、他の80 %は水である。分子式は CH4•5.75H2O と表され、密度は0.91 g/cm3である。火をつけると燃えるために「燃える氷」と言われることもある。
水分子で構成される立体網状構造の間隙中にガス分子が位置して安定な固体結晶となっている氷状の物質は「ガスハイドレート・クラスレート」と呼ばれる構造になっている。
ガスハイドレートには、ガスが失われると残された立体網状構造である「包接格子」だけでは格子構造を維持できないもの(ガスハイドレート・クラスレート)と、包接格子だけでも格子構造を維持出来るものがある。メタンハイドレートは「包接化合物」とも呼ばれるクラスレートであり、骨格となる水分子間の5-6 Å(オングストローム、1 Å = 100 pm)程度の隙間に入り込んだガスが出て行くと格子は壊れる。[1]。
生成過程(海底下) [編集]
メタンが海底下で大量に保存されている原因は、無機起源説と、生物起源説に大別される。
中でも、現在までに報告されているメタンハイドレートを構成するメタンの炭素同位体比は比較的小さい値(13C が少ない)を示しており、これらのメタンは海底熱水系等において確認されている非生物起源のものではなく、堆積物中で有機物の分解によって生じる生物起源のものを主としていると考えられている。
- 生物生成メタン
- メタンハイドレートは大陸周辺の海底に分布しており、大陸から遠く離れた海洋の深部に有意な発見はない。それら分布領域における表層堆積物の特徴は、長い運搬過程を経た粒度の小さい砕屑物や鉱物粒子、火山灰などの他に有機物や有孔虫などの生物遺骸が含まれる海底泥質堆積物である。その海底面(表層)では生物活動による土壌が作られ、土壌の上に新たな堆積物が積み重なり海水の比率が減少するとともに堆積物の続成作用が働く環境となる。堆積作用により表層から埋没後しばらくは硫酸還元菌(例えば Archaeoglobus、Desulforudis など)の活動が続き、この活動している地層を硫酸還元帯という。活動時間が長い深部になるほど炭素同位体比は大きい値を示す。硫酸塩の枯渇などにより硫酸還元菌の活動が終わると、メタン生成菌の活動が活発になり、メタンと炭酸水素イオンが生成される。ここでは地層深部の圧密作用を受けメタンや炭酸水素イオンを含む水が上層へ移動し、一定の条件下で水分子のかご構造にメタンが入り込みメタンハイドレートとして蓄積される。このメタン醗酵が発生する層では 13C が炭酸水素イオンに濃縮されるため、メタンの炭素同位体比は軽く(13C が少なく)なる。
- 熱水噴出孔などでこれらのメタン菌の活動を垣間見ることができる。例えば Methanopyrus やMethanocaldococcus は地底で発生する水素と二酸化炭素からメタンを合成する。この他 Methanocalculus などのメタン菌が油田から得られている。
- 熱生成メタン
- 更に地中深くなると、地温が上昇するとともに微生物の活動は減少し、有機物は熱によるカルボキシル基が除去される反応によってメタンが生成される。ここでは生成された炭酸水素イオンから炭酸塩物を析出する。これらの炭素同位体比は、硫酸還元帯にみられる有機体と比べ大差がない(近似値を示す)特徴がある。ただし、上記 Methanopyrus の培養の際、高温高圧下(122 °C、400気圧)では炭素同位対比の重いメタンを合成することが報告されており、今後研究の進展しだいでは一部の熱生成メタンの起源について再考される可能性もある。
安定条件 [編集]
ハイドレートの網状構造を維持するためには、環境が低温かつ高圧であることが求められる。地球上では、シベリアなどの永久凍土の地下数100-1000 mの堆積物中や海底でこの条件が満たされ、メタンハイドレートが存在できる。実際にはほとんどが海底に存在し、地上の永久凍土などにはそれほど多くない。またメタンハイドレートを含有できる深海堆積物は海底直下では低温だが、地中深くなるにつれて地温が高くなるため、海底付近でしかメタンハイドレートは存在できない。また、圧力と温度の関係から同じ地温を成す大陸斜面であれば、深くなるほどメタンハイドレートの含有層は厚くなる。これらの場所では、大量の有機物を含んだ堆積物が低温・高圧の状態におかれ結晶化している。
地表の条件では、分解して吸熱反応を起こす。この時生成される水は氷の薄膜を形成するため、メタンハイドレートは常圧下-20 °C程度でも長く保存できる自己保存性を持つ。
埋蔵域 [編集]
状況によって異なるがおおむね、大陸棚が海底へとつながる、海底斜面内の水深500-1000 m[2][3](2000mまでとする研究もある)[4]での、地下数十から数百m[3]に存在し、メタンガス層の上部境目に存在するとされている。通常は高圧下でありながら、凍った水分子の篭状の結晶構造に封じ込められている。
日本近海の埋蔵域 [編集]
2008年現在、日本近海は世界有数のメタンハイドレート埋蔵量を持つとされる。本州、四国、九州といった西日本地方の南側の南海トラフに最大の推定埋蔵域を持ち、北海道周辺と新潟県沖、南西諸島沖にも存在する[3]。また、日本海側には海底表面に純度が高く塊の状態で存在していることが独立総合研究所の調査よりわかっている。日本海の尖閣・竹島を初めとする領土問題は日本海側のメタンハイドレートが目的だとの見方もある[5][6]。なお、新潟、秋田、京都など日本海沿岸の10府県による「海洋エネルギー資源開発促進日本海連合」は、「日本海側では、一部の地域における学術的な調査の実施にとどまり、開発に向けた本格的な調査・産出試験が実施されていない」として、日本海のメタンハイドレートの開発に向け、経済産業省資源エネルギー庁に予算の確保を要請した[7]。
日本近海の埋蔵量 [編集]
日本のメタンハイドレートの資源量は、1996年の時点でわかっているだけでも、天然ガス換算で7.35兆m3(日本で消費される天然ガスの約96年分)以上と推計されている[8]。もし将来、石油や天然ガスが枯渇するか異常に価格が高騰し、海底のメタンハイドレートが低コストで採掘が可能となれば、日本は自国で消費するエネルギー量を賄える自主資源の保有国になるという意見があり[5]、尖閣諸島近海の海底にあるとされている天然ガスなどを含めると日本は世界有数のエネルギー資源大国になれる可能性があるという意見もある[6]。
採取方法とその課題 [編集]
例えば、南海沖海底のメタンハイドレートは潜水士が作業できない深い海底のさらに地下に氷のような結晶の形で存在する。そのままでは流動性が無いので、石油やガスのように穴を掘っても自噴せず、石炭のように掘り出そうとしてもガスの含有量が少なく費用対効果の点で現実的ではない。ハイドレートを含む地層を暖めるなどすれば、少しの温度の上昇や圧力の低下でメタンがガスとなって漏れ出してくるが、上層や周囲の土中がハイドレート生成に適する氷を含む温度や圧力の環境であれば再びメタンガスは水分子のカゴに取り込まれてしまう。メタンがガスとなって結晶から遊離する時は吸熱反応となる事も、結晶化を助ける。これらの事情によって、低コストでかつ大量に採取することは技術的に課題が多いという意見がある。
一方、メタンハイドレートは天然ガスなので、LNGのように液化天然ガスを溶かして使っている日本のような国ではメタンハイドレートの取り扱いは得意であり、日本海のメタンハイドレートは取るだけで済むことなどからコストも技術もさほど難しく無く、土木工学を利用して海水からメタンハイドレートを取り出すことや実用化自体は可能だという意見もあり[6]、事実、韓国では2013年を目標に、竹島の南方海域で米国ゼネコンの海洋土木技術による採掘実用化を行うと発表している。 日本において、この分野で先駆していて多くの技術を有しているのが三井造船(株)で、採掘技術だけでなく、2010年4月には世界初の天然ガスハイドレート (NGH) 陸上輸送の実証研究が完了している。
また、ストロー状の筒を刺して自噴もしくは吸い上げることができる液体と違い、メタンハイドレートは固体状態で存在しているため、メタンハイドレートに対して深海油田採掘方法を応用したのでは採取できないという意見もある[6]。
政府が試掘を行なっている南海トラフの海底地下メタンハイドレート鉱床では、現有する採掘技術を使用して採掘・生産しても経済的には全く引き合わないため、商業生産に向けた民間レベルでの採掘計画は少なく、研究用以外の目的では採掘されていない。
佐渡沖ではピストン打法と呼ばれる一般的な調査方法でも容易にメタンハイドレートの結晶を採掘できる[6]。メタンハイドレートが多く存在する場所には、ズワイガニや越前ガニがたくさんいることや、魚群探知機にメタンハイドレートの泡が写ることがわかっており、水産学博士の青山千春は魚群探知機を使った調査方法を日本、韓国、中国、アメリカ、ロシア、オーストラリアで特許取得している[6]。
日本海沿岸では、海底表面に露出したメタンハイドレート鉱床が発見されており、ポンプでメタンハイドレート結晶を吸い上げるなど、低コストで採掘できる可能性があるが、現在調査中で採算性などは明らかにされていない。現在、東京大学、独立総合研究所、海洋研究開発機構、産業技術総合研究所などによる調査が行われているところであるが[9]、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムによる調査は行われていない。
現在までに提案されている主なメタン回収法は
- 加熱法(温水圧入法・坑井加熱法)
- 減圧法
- 分解促進剤注入法(メタノールなど)
- ゲスト分子置換法(二酸化炭素など)。ハイドレート格子にメタン分子より、二酸化炭素分子のほうがより安定してトラップされる性質を用いて、メタンと二酸化炭素を置換する。
- ピストン打法(独立総合研究所が開発)。ピストン打法以外はメタンハイドレートを現位置(メタンハイドレート貯留層内)で分解させ、メタンガスを回収する手法である。
2011年に愛媛大学大学院理工学研究科のグループは、液中プラズマでメタンハイドレートを分解し、水素として採取する技術を発表した[10]
2012年にはアメリカ合衆国エネルギー省と石油天然ガス・金属鉱物資源機構が採掘・生産試験を共同で実施。3月4日から4月10日に、地層の中にあるメタンハイドレート層へ二酸化炭素を圧入して二酸化炭素の圧力をメタンハイドレートが溶解する圧力に保ちながら減圧法を使用することにより、メタンハイドレートを二酸化炭素ハイドレートへ置換する生産試験を行い、成功させた[11]。
調査・採取事例 [編集]
- 2004年7月、日本海側の新潟、佐渡の南西沖では、範囲は小さいながらも、海底の深くではなく海底の上までメタンハイドレートが上がってきているような濃集してる特別な海域が発見されており、メタンプルーム直下の海底付近にピストンを打つピストン打法と呼ばれる調査方法で、容易に効率よくメタンハイドレートの結晶を採取できることが、独立総合研究所などの試掘で実証されている[12]。
- 2008年3月、石油天然ガス・金属鉱物資源機構は、カナダ北西部のボーフォート海沿岸陸上地域での国際コンソーシアムに参加して、永久凍土の地下1,100mに存在するメタンハイドレート層から減圧法によってメタンガスを試験生産した結果、連続生産に成功したと発表した。同機構は4月、メタンハイドレート事業を2018年頃に商業化する方向を示した。
- 2008年8月、清水建設、北海道大学、北見工業大学、ロシア科学アカデミーは共同でバイカル湖湖底のメタンハイドレートの採取を実施。ウォータージェットで湖底を攪拌、ガスを湖水に溶け込ませて引き揚げる手法により14 m3のガスを採取した。表層のメタンハイドレートからガスを採取した事例としては世界初。
- 2012年2月14日、愛知県渥美半島沖から志摩半島南方沖(紀伊半島三重県東紀州沖の熊野灘)の深海でメタンハイドレート掘削試験を日本が開始[13]。海底での採掘は世界初の試みとなる[13]。
- 2012年6月4日~6日、兵庫県と独立総合研究所が共同で県の漁業調査船「たじま」と魚群探知機を使用して、香住沖約百数十キロの海域にて埋蔵域を調査するため2度に渡り予備調査を行っている[14][15]。
日本の海洋産出試験 [編集]
2012年2月石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (JOGMEC) は、メタンハイドレートから天然ガスを取り出す海洋産出試験に着手すると発表[16]。世界初としている[17]。事業主は経済産業省、作業地点は愛知県沖(第二渥美海丘)[18]で2012年2月中旬に試掘を始め、2013年の1~3月の期間に産出試験(フローテスト)を予定・計画している[16]。商業生産に向けた技術基盤の整備は、2016~2018年度を予定として進める。
メタンハイドレートに関する議論 [編集]
コストパフォーマンスとしての妥当性 [編集]
日本近海で初期に日本政府(メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム)によるメタンハイドレート採取の研究が行われたのは南海トラフであった。この海域では、海底油田の採掘方法を応用して1999年から2000年にかけて試掘が行われ、詳細な分布状況が判明しているが、総額500億円を費やしたが商業化には至っていない。これは、南海トラフなど太平洋側のメタンハイドレートは、分子レベルで深海における泥や砂の中に混溜しており、探索・採取が困難を極めているからであるとされている。
一方、巨額の予算がつく政府主導の南海トラフに対して、低コストで採掘できそうな日本海側の研究には年間250万の予算しか付いておらず[6]、船を動かすためには燃料代だけでも1日100万円以上かかるうえ、調査のためには政府の船を借りねばならず、水産高校の実習船のような小型の船を借りた場合でも金額や人件費を含めると一日300万円は必要になってくる。調査のための予算が下りないことについては、石油利権に絡む東大教授や国会議員や企業などが採掘に対し反対の姿勢をとっていることが原因ではないかとの主張もある[6]。
日本海沿岸で海底面に露出したメタンハイドレートが発見され、低コストで採掘できる可能性があるが現在調査中であり、採算性などは明らかにされていない。現在、東京大学、独立総合研究所、海洋研究開発機構、産業技術総合研究所などによる調査が行われているが[9]、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムによる調査は行われていない。
地球温暖化 [編集]
海中に湧き出したメタンが、大気中に出ることによって、地球温暖化の一因になっていると考えられている。大気中のメタンは、二酸化炭素の20倍もの温室効果があるのではないかと言われている。メタンは大気中で12年程度で分解される。
メタンハイドレートは海底の温度が数度上昇するだけで溶け出し、海底内で放出されたメタンガスは海中を経由して大気中に放出されると云われている。
地球温暖化が進むと海水温が上がり、やがてメタンが大気中に放出される。するとさらに温暖化がすすみ海水温を上げ、さらに多くのメタンが吐き出される悪循環をおこすだろうという仮説がある。2億5千万年前のP-T境界では、この現象が実際におこり、大量絶滅をより深刻なものにしたという説もある(NHKスペシャル 地球大進化〜46億年・人類への旅〜第4集で詳しく説明されている)。しかし、エール大学の地球化学者である Robert A. Berner 博士が2億5千万年前のP-T境界においておきた炭素同位体比のネガティブシフトから推定した放出されたメタンの量は4200ギガトンである。これだけのメタンが放出されても大気中の二酸化炭素濃度は150 ppmしか増えず、絶滅を起こすほどの地球温暖化を引き起こせないという研究結果がでている。このため、メタン放出による温暖化の影響は少ないと考えられている。
こういった危惧がある反面、放置したままでもメタンハイドレートは海中から大気中に少しずつ放出されてしまうので燃やして使用したほうが温暖化防止に繋がるという考え方や、メタンガスは燃やすと石油や石炭より、はるかに CO2 の排出量が少ないという点でも歓迎出来るとする考え方から、メタンハイドレートは石油に替わるエネルギー源として期待する意見もある。
発見の歴史 [編集]
- シベリアなどの寒地において、天然ガスのパイプライン内にできるガスハイドレート(周辺構造は、メタンハイドレートとほぼ同じ)という現象や物質自体は、1930年代に確認されていた。
- 1960年代には、永久凍土内で、天然ハイドレートの堆積層が発見された。
- 1967年に、天然ガスハイドレート岩石資料が世界で初めてシベリアのヤクーチャの永久凍土地帯で採取された。
- 1970年代に至って、海底において大量に存在する可能性が予測され、実際に計測が行われた。
- 1974年、カナダのマッケンジー・デルタで、天然のメタンハイドレートが浅い砂質層に埋蔵されている事が発見された。
- 1996年、アメリカ合衆国内の海底において発見され、具体的研究が進められる。
- 2000年 南海トラフでメタンハイドレートの存在を確認。
- 2002年、日本・カナダ・アメリカ・ドイツ・インドの国際共同研究として、カナダのマッケンジー・デルタ Mallik 5L-38号井において、世界で初めて地下のメタンハイドレート層から地上へのメタンガス回収に成功した。
- 2006年 東京大学や海洋研究開発機構の研究グループによると新潟県上越市直江津港沖合30km付近に海底上(水深約900メートル)に露出しているメタンハイドレートを確認。海底面上にあるのは東アジア初。
- 2008年 独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構が、カナダの天然資源省との共同研究で、永久凍土の地下1100mのメタンハイドレート層から減圧法によってメタンガスを連続的に産出することに成功。これを受けて同機構は、2018年頃にメタンハイドレート事業を商業化すると発表。
施設 [編集]
国内においては、和歌山県御坊市の日高港新エネルギーパークにおいてメタンハイドレートの紹介が行われており[19]、事前に予約した一定数以上の団体客は、シャーレに乗せられた人工的に造りだしたメタンハイドレートに触れることができたり、燃焼実験を見ることが可能となっている。
脚注 [編集]
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- ^ 松本良・奥田義久・青木豊 『メタンハイドレート21世紀の巨大天然ガス資源』 日経サイエンス社、1994年1月、39-40頁 ISBN 4-532-52029-0
- ^ 市川祐一郎 (1997年2月). “メタンハイドレートの採掘と生産について”. 産業技術総合研究所・地質調査総合センター. pp. 3-58. 2012年8月14日閲覧。
- ^ a b c 石井彰 『天然ガスが日本を救う』 日経BP社 2008年9月22日、183-185頁 ISBN 9784822247027
- ^ “メタンハイドレート開発計画について”. 経済産業省資源エネルギー庁石油・天然ガス課 (2001年7月19日). 2012年8月14日閲覧。
- ^ a b “日中韓台メタンハイドレート戦争…天然ガス100年分”. 夕刊フジ. (2008年11月17日). http://www.zakzak.co.jp/top/200811/t2008111746_all.html 2008年11月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “[独立総合研究所代表 青山繁晴の熱血トーク 民主党も自民党も死ぬ覚悟で政治をしているか”. 超人大陸 (2010年4月1日). 2012年8月14日閲覧。『日本は「メタンハイドレート」で資源大国に!』 たかじんのそこまでやって委員会、2010年4月11日 2010年4月18日。『メタンハイドレートが炙り出す日本の病巣』 たかじんのそこまでやって委員会、2010年4月18日 2010年4月25日。『田母神塾 #28』 チャンネル桜、2010年1月22日。青山のニュースDEズバリ! スーパーニュースアンカー、2011年4月6日。『7人の侍が提言!「ニッポン復活!我々の進むべき道はコレだ!」』 たかじんnoマネー 2011年4月30日。ほか
- ^ 『日本海側の海洋エネルギー資源開発促進に関する要望』 新潟県、2012年10月3日。
- ^ “メタンハイドレート探査と資源量評価”. メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム (2008年11月17日). 2012年8月14日閲覧。
- ^ a b “新潟県上越市沖の海底にメタンハイドレートの気泡を発見”. 東京大学・海洋研究開発機構・東京家政学院大学・独立総合研究所・産業技術総合研究所 (2007年3月2日). 2012年8月14日閲覧。松本良 (2006年2月28日). “新潟県上越市沖の海底に露出した熱分解起源メタンハイドレートを確認、採取に成功”. 東京大学・海洋研究開発機構・東京家政学院大学・独立総合研究所・産業技術総合研究所. 2012年8月14日閲覧。たかじんのそこまで言って委員会 2011年6月12日。増刊!たかじんのそこまで言って委員会 2011年6月25日。
- ^ “CO2抑え水素抽出 愛媛大・野村教授らが開発”. 愛媛新聞. (2011年5月23日). http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20110523/news20110523460.html 2011年5月24日閲覧。 [リンク切れ]
- ^ “アラスカCO2置換ガス回収実証プロジェクトの現地試験終了”. 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (2012年5月2日). 2012年8月14日閲覧。
- ^ “[日本海に新エネルギー資源、メタンハイドレートを探る”. ニューズレター131号 (2006年1月20日). 2012年8月14日閲覧。
- ^ a b “メタンハイドレート、渥美沖で採掘へ…海底は初”. 読売新聞. (2012年2月14日). http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120214-OYT1T00353.htm 2012年2月14日閲覧。 [リンク切れ]
- ^ 『メタンハイドレートで研究会設置へ 兵庫県が検討』 神戸新聞、2012年7月31日。
- ^ 『メタンハイドレートの謎解明へ 八戸沖を掘削調査』 産経新聞、2012年7月23日。
- ^ a b “メタンハイドレートの海洋産出試験の開始について”. 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 プレス説明会資料 (2012年2月3日). 2012年8月14日閲覧。
- ^ メタンハイドレート、今月中旬掘削=愛知沖、深海底で世界初 時事通信 2012年2月2日[リンク切れ]。
- ^ 実際の海域は、紀伊半島三重県東紀州沖の熊野灘・志摩半島南方沖の深海。
- ^ “日高港新エネルギーパーク”. 御坊市. 2012年8月14日閲覧。
関連項目 [編集]
ウィキメディア・コモンズには、メタンハイドレートに関連するメディアがあります。 |
外部リンク [編集]
- メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム
- メタンハイドレート研究センター 産業技術総合研究所
- 経済産業省
- 総合海洋政策本部
- メタンハイドレート Webサイト「生活環境化学の部屋」
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