JR東京駅 全面開業 赤れんが駅舎 創建当初の威容再び
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JR東京駅丸の内側の赤れんが駅舎が1日、5年に及ぶ保存・復元工事を終え全面開業した。1945年の大空襲で焼失した3階部分と南北のドーム屋根がそろい、大正期の創建当初の威容が首都中心部によみがえった。
駅舎は全長約335メートル、幅約20メートル、尖塔部を含む高さは約45メートル。明治建築界の第一人者辰野金吾が設計、14年に開業した。「辰野式」と呼ばれる、褐色の化粧れんがに白い花こう岩を帯状に配したデザインとビクトリア調のドームが特徴だ。屋根の一部は、東日本大震災で津波被害を受けた宮城県石巻市の雄勝産「天然スレート」を用いた。
戦後に完全な形での再建を断念し、八角屋根の2階建てとして47年に修復した。JR東日本は2007年に保存・復元工事を開始。駅舎の空中権を周囲に移転、売却する方法で費用を捻出した。
南北ドームの天井は鮮やかな黄色で、えとのレリーフやワシの彫刻が見どころだ。北口の東京ステーションギャラリーでは、復元工事完成記念展「始発電車を待ちながら」を開催。東京ステーションホテルは3日にリニューアルオープンする。
1日午後は完成記念式典や駅舎ライトアップの点灯式を予定していたが、台風17号の影響でいずれも中止した。
東京駅開業(1914年)のころになると、鉄筋コンクリート造の建物が作られはじめる。1923年(大正12年)2月には東京駅の皇居側に丸の内ビルヂング(通称:丸ビル)が誕生する。この年の9月1日に関東大震災が起こり、東京は相当なダメージを受けた。震災復興の機運が高まる中、1930年代に入ると東京中央郵便局(1933年)や明治生命館(1934年)など、次々にアメリカ式のオフィスが誕生した。この時代は一丁紐育(いっちょうにゅーよーく)と呼ばれていた。建物の高さを31m(100尺)に統一するなど、都市景観も含めたまちづくりに対する姿勢を明確に打ち出している。
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