奈良 西大寺(さいだいじ)は、奈良県奈良市西大寺芝町にある真言律宗総本山の寺院。奈良時代に孝謙上皇(重祚して称徳天皇)の発願により、僧・常騰を開山(初代住職)として建立された。南都七大寺の1つとして奈良時代には壮大な伽藍を誇ったが、平安時代に一時衰退し、鎌倉時代に叡尊によって復興された。山号は勝宝山[1]。現在の本尊は釈迦如来である。
大茶盛式
大茶盛式は、寺伝によりますと、延応元年(1239)年1月16日に叡尊上人が八幡神社に献茶した余服を民衆に振る舞ったことに由来する伝統行事です。「戒律復興」をめざした叡尊上人が不飲酒戒の実践として酒盛の代わりに茶盛としたことと、「民衆救済」の一貫として当時は高価な薬と認識されていた茶を民衆に施すという医療・福祉の実践という二つの意義によって、八百年近く連綿と受け継がれてきた宗教的茶儀であります。 この行事の背後に「戒律復興」「民衆救済」の二つのキーワードがあることは上述のとおりですが、それに加えて第三の最重要ワードがあります。それは「一味和合」という言葉です。 一味和合とは、同じ一つの味をともに味わって、和みあい結束を深めるという意味で、すなわち、自分は自分の茶碗で、他人は他人の茶碗で、別々に茶を呑んでお互い無関係だというのではなく、同じ一つの大きな器でたてた同じ味のお茶を、そこに集まった人々が、皆で助け合いながら同じ茶碗から廻し呑みをして、和合を深めて一揆のこころを涵養するということをいいます。 戒律(ビナヤ)とは、釈尊が決めた仏教徒の生活規範で、「~してはいけない」という禁止規定が多いことから、人間生活の自由を縛るもののように思われがちですが、要するに「悟り」という同じ目的をめざす仏弟子たちが、仲たがいすることなくお互い助け合いながら結束して同じ目標に向かって修行に励むために、釈尊が定めた規範なのであります。まさしく一味和合のための法規範といっても過言ではないでしょう。 実際、戒律を遵守する仏弟子宗団(=仏教教団)のことを僧伽(サンガ)といいますが、これを和訳して「和合衆」といいますのは以上のような事情によります。 戒律復興を目指した叡尊は、自らの宗教活動のキーワードの一つとして「一味和合」を好んで用いています。叡尊上人創始の大茶盛は、単にお酒を飲んではいけないという仏教戒律の表面的な意味に止まらず、戒律のより深遠で本質的な意義である一味和合という理念を具現化した仏教行事であることを、ご了解いただければ幸いです。
大茶盛の申込
- 30人以上の団体で随時受け付けます(個人での受付はできません)。
- 団体名・人数・日時を明確にして、電話・ファックスなどでお申し込みください。
- 会場となる光明殿の広間には一度に100人程まで入っていただけます。
- 本堂拝観と入替で200名程まで対応可能です。
- 拝服料は一人1,000円です(本堂の拝観料も込)。
- 諸堂拝観共通券での拝観の場合は1,500円となります。
- 所要時間は、本堂拝観と合わせて約1時間ほどです。
- 春・秋の大茶盛式の日は、一般団体は受け付けられません(この日の拝服券は3,000円となります)。
- 稀に年中行事などで受けられない日もありますことをご了承ください。
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