枚方市の山之上北町に「天門美術館」があります。
地図で見ると、京阪・交野線の星ヶ丘駅から西に1キロほどの場所ですが、実際に訪れるなら、京阪本線・枚方市駅からが便利でしょう(徒歩15分もしくは京阪バス「変電所前」下車徒歩3分)。
バスの車内では「天門美術館前です」というアナウンスがありますが、実際に降りてみても建物は見えません。
枚方市駅から歩く場合は、香里団地へ向かうバス道が国道1号線の下をくぐったところで西(右手)に曲がり、国道1号線へ合流する側道の上り坂へと進みます。
国道1号の側道
上の写真は国道1号の側道です。坂を上がったところが国道1号線との合流点です。
合流点の手前
国道1号線に合流する直前に、左に入る道があります。「天門美術館」の案内があるので、すぐにわかると思います。曲がるとこんどは下り坂になります。
美術館前のオブジェ
すぐに、上の写真のようなオブジェが迎えてくれます。友だち同士で肩を組んだように見えます。なんだか楽しそうにも見えますし、見方によっては、何かを必死に防ごうとしているようにも見えます。
天門美術館の入口
入口はひっそりしていました。小径を通って中に入ると建物があります。途中にもいろんなオブジェが置かれています。ちょっと不思議な空間です。
「財団法人造型美術センター」の碑
この美術館は、彫刻家・池田遊子(ゆうし)さんによって設立されました。はじめ、「遊子」と書かれているのをみて女性かと思ったのですが、男性です。
池田遊子さんは、1909年に広島県に生まれ、18歳で上京、宮彫師(みやぼりし)に5年間従事しました。その後、独学で彫刻家の道を歩みました。(宮彫とは神社仏閣などの欄間や扉の装飾のための彫刻のことです。)
戦後、大阪市立美術館の天井裏を工房として17年間「占拠」していたそうです。1965年(昭和40年)、現在の美術館の土地の地主であった人の篤志により「財団法人造形美術センター」を立ち上げ、1975年(昭和50年)、「天門美術館」に名前を変えて現在に至っています。
2006年没。特定の美術団体に属さず、「彫刻界の異才」と呼ばれることもあるようで、世俗的な栄誉にも無縁でした。現在の館長は子息の池田方彩さん。昨年、生誕100周年を記念した展