10月14日頃にヤップ島近海で形成が始まった低圧部に対し、合同台風警報センター(JTWC)は同日11時30分(UTC 14日2時30分)に熱帯低気圧形成警報(TCFA)を発した。低圧部は15日3時に熱帯低気圧になり[2]、JTWCは同日に熱帯低気圧番号25Wを付番した。25Wは16日3時(UTC 15日18時)にカロリン諸島の北緯9度40分、東経136度10分で台風となり[3][4]、アジア名ラン(Lan)と命名された[4]。フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)はフィリピン名パオロ(Paolo)と命名した。
20日時点で、平成27年台風第23号以来となる、強風域が半径800 km以上の「超大型」台風となった[5]。さらに、21日午前7時時点で、中心付近の最大風速が44 m/s以上の「非常に強い勢力」の台風に成長した[6]。成長した21号は、近畿地方や東海地方を暴風域に巻き込みながら速度を上げて東海沖を進んだ[7]。
23日3時ごろ、21号は「非常に強い」勢力から「強い」勢力へと弱めたものの、「超大型」を維持した状態で静岡県御前崎市付近に上陸した[1]。上陸時の中心気圧は950hPa、最大風速は40m/sだった。「超大型」での日本への上陸は、確実な記録の残る1991(平成3)年以降で初めてである[7]。また、10月23日に台風上陸という記録は、統計史上一年の中で3番目に遅いものである[8]。上陸した21号は神奈川県や東京都を通過し、23日8時ごろに茨城県日立市沖に抜けた[9]。23日15時、北海道の東の海上の北緯41度、東経146度で温帯低気圧に変わった[10]。