紙芝居
で 「タカメ」 ザニガニも
見ました ??
タガメ
タガメ(田鼈、水爬虫)は、カメムシ目・コオイムシ科に分類される昆虫の一種。日本最大の水生昆虫で、日本最大のカメムシ(半翅目)。
背中に高野聖が笈(おい)を負ったような斑点があるので「高野聖」とも呼ばれ、食用に用いる地方もあったが、現在は絶滅が心配される昆虫となっている。
特徴
成虫の体長は50-65mm。雌の方が大型で、雄の60mm以上に達するものは稀である。
体色は暗褐色で、若い個体には黄色と黒の縞模様がある。コオイムシに似るが、本種の方が遙かに大型であり、尻の呼吸管があることで識別できる。前肢は強大な鎌状で、獲物を捕獲するための鋭い爪も備わっている。中・後肢は扁平で、遊泳のために使われる。
肉食性で、魚やカエル、他の水生昆虫などを捕食する。時にはヘビやカメ等の爬虫類やネズミ等の小型哺乳類をも捕食する。鎌状の前脚で捕獲し、針状の口吻を突き刺して消化液を送り込み、消化液で溶けた液状の肉を吸う(「獲物の血を吸う」と表記した図鑑や文献もあるが、体外消化によって肉を食べているのであり、血のみを吸っているわけではない。タガメに食べられた生物は、骨と皮膚のみが残る)。自分より大きな獲物を捕らえることが多い。その獰猛さから「水中のギャング」とも呼ばれ、かつて個体数が多かった時には、養魚池のキンギョやメダカ等を食い荒らす害虫指定もされていた。
北海道を除く日本全土に分布するが局所的。国外では台湾、朝鮮半島、中国に分布する。なお中国では漢方薬の原料として用いられる他、国内では佃煮にされていた地方もあった。
水田や水草が豊富な止水域に生息し、かつてはナミゲンゴロウと並んで田んぼを代表する昆虫だった[1]が、農薬の普及や護岸などの環境破壊によって近年その数を急激に減らし、絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)に分類されている。都府県によっては絶滅危惧I類、もしくは既に絶滅種に指定している自治体もある。特にBHC、ピレスロイド系の農薬は一度の使用でタガメの復活を困難にしてしまう[1]。現在の生息地は、山間部の池や田んぼにほぼ限られている[1]。きれいな水質と餌が豊富な環境で無いと生息が難しいため、水辺の自然度を測る時の指標になる種と言える。
タガメはカブトムシ等と同様、純自然的な環境ではなく、むしろ人の手の加わったいわゆる里山で繁栄してきた昆虫である。彼らにとって、自然の河川や湖沼は流速や水深がしばしば過剰であり、獲物となる適当な大きさの水生小動物も相対的に少ないため、人工的な水域である水田、堀上(温水のための素掘りの水路)、用水路等に最も好んで生息する。
ミズカマキリなどに比べ、基本的にあまり飛行しない昆虫だが、繁殖期には盛んに飛び回り(近親交配を避けるためと考えられる)、灯火に集まる走光性も あってこの時期は夜になると強い光源に飛来することが多い。飛行の際には前翅にあるフック状の突起に後翅を引っ掛け、一枚の羽のようにして重ね合わせて飛 ぶ。この水場から水場に移動する習性から、辺りには清澄な池沼が多く必要で、現代日本においてその生息域はますます狭められることとなっている。
冬になると陸に上がり、草の陰や石の下など水没しない場所を選んで成虫越冬をする。
越冬の様式は、水中で緩慢な代謝活動を続けつつ春を待つ個体と、上陸して落葉や石などの下で完全に活動を停止させて過ごす場合がある。この内、どちらかといえば、後者のほうがケースとしてメインであると考えられている。
繁殖行動
春に越冬から目覚めた成虫は5-6月頃に性成熟し、繁殖活動を開始する。この頃には、雄が腹で水面を一定リズムで叩く求愛行動が見られ、これによっておこる波によって雌を呼び寄せる。交尾、産卵は日没後に行われ、水面上にある杭や植物の茎などに合計60-100個程度の卵を産み付ける。この卵塊は雄によって給水、保護されて約10日で孵化する。幼虫は5回の脱皮を繰り返し、40-50日で成虫となる。
繁殖に成功した個体は死亡することが多く、野外での寿命は普通1年と考えられるが、飼育下では3年目の繁殖を行った例もある。雌は1シーズンで4回ほどの産卵を行う。
時に、雄が世話をしている卵を別の雌が破壊することがある。これはその雄を獲得するための行動で、本種の習性としてよく知られている。ただしタガメ亜科の全ての雌が卵塊破壊をするわけではない。