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2014年10月7日21時32分
ノーベル物理学賞受賞が決まり記者会見する名城大の赤崎勇教授=7日午後7時16分、名古屋市天白区、高橋雄大撮影
天野浩氏=名古屋大学ホームページから
中村修二・米カリフォルニア大教授=2013年、東京都新宿区、福留庸友撮影
ノーベル物理学賞が決まった天野浩教授の等身大パネルを囲んで万歳する教え子ら=7日午後7時51分、名古屋市千種区の名古屋大、細川卓撮影
スウェーデン王立科学アカデミーは7日、今年のノーベル物理学賞を、赤崎勇・名城大教授(85)と天野浩・名古屋大教授(54)、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)の日本の3人に贈ると発表した。赤崎さんと天野さんは青色の発光ダイオード(LED)を初めて作り、中村さんが実用化につなげた。これにより光の三原色がそろう見通しが立ち、LEDの爆発的な普及に道筋をつけた。
授賞式は12月10日にストックホルムである。賞金の800万スウェーデンクローナ(約1億2千万円)は受賞者3人で分ける。
LEDは電気エネルギーを光に変える半導体素子だ。フィラメントを電気で熱したときに出る光を使った白熱電球と違い、電気を直接光に変えるので効率が良く、熱による材料劣化も少なくて寿命が長い。赤、緑、青の光の三原色をLEDで実現すれば幅広い色を再現でき、用途が広がるが、青色LEDがなかなか作れず、実用化が競われていた。
赤崎さんは名古屋大教授時代の1985年、天野さんとともに高輝度のLEDに欠かせない良質な結晶を作製。89年、窒化ガリウムの半導体で青色に光るLEDを作ることに成功した。
中村さんは日亜化学工業(徳島県阿南市)の研究員時代の90年代前半に、製法を進化させた。
三原色がそろったことで、白熱電球や蛍光灯に代わるLED照明が実用化。室内照明や携帯電話、交差点の信号機のほか、省電力・長寿命の大型フルカラー・ディスプレーなどに使われるなど爆発的に普及した。
赤崎さんは、名古屋市の名城大学で会見し「これ以上の名誉はないと思っています。支えていただいたいくつかの職場の皆さんの大きなサポートのおかげ。この場を借りてお礼申し上げたい。私は幸運で、決して私ひとりでできたわけではない。この賞に値すると思ったことはなかった」と述べた。中村さんは米カリフォルニア大サンタバーバラ校のホームページに「青色発光ダイオードの開発によって、ノーベル賞を受け、とても光栄に思う。私の夢が実現したことにとても満足している。LEDが世界中の電力の消費量を減らし、コストも減らすことを願っている」とコメントを出した。
日本のノーベル賞受賞は、2012年の山中伸弥・京都大教授に続いて20、21、22人目となる。物理学賞は08年の小林誠・高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授と益川敏英・名古屋大素粒子宇宙起源研究機構長、南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授(米国籍)の3人以来8、9、10人目。
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〈赤崎勇(あかさき・いさむ)〉 85歳。鹿児島県生まれ。1952年京都大理学部卒、神戸工業(現富士通)入社。名古屋大助手、松下電器産業(現パナソニック)などを経て、81年名古屋大教授。89年窒化ガリウムの青色LEDを作製。92年、名城大教授。2001年、朝日賞。
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