平成26年1月25日(土) e6 朝日新聞
ペンギン
「ペンギン」のその他の用法については「ペンギン (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
ペンギン目 | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Sphenisciformes Sharpe, 1891 | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
Spheniscomorphae Impennes Eupodornithes |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||
ペンギン 人鳥(じんちょう) 企鵝(きが) | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Penguins | ||||||||||||||||||||||||
科・現生属 | ||||||||||||||||||||||||
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全ての種の生息域
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ペンギン (英語: penguin) は、鳥類ペンギン目(学名 Sphenisciformes)に属する種の総称である。ペンギン科(学名 Spheniscidae)のみが現生する。
今では使われることは稀だが、「人鳥(じんちょう)」「企鵝(きが、企は爪先立つの意、鵝はガチョウ)」[2]という和名もある。
目次
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特徴[編集]
分布[編集]
南半球の広い緯度範囲に分布する。主に南極大陸で繁殖するのはコウテイペンギンとアデリーペンギンの2種のみである。ほかに、ジェンツーペンギン・マカロニペンギン・ヒゲペンギンの3種は、南極大陸の中でも比較的温暖な南極半島にも繁殖地があるが、主な繁殖地は南極周辺の島である。他の種類は南アメリカ・アフリカ南部・オーストラリア・ニュージーランド、あるいは南極周辺の島などに繁殖地がある。
最も低緯度にすむのは赤道直下のガラパゴス諸島に分布するガラパゴスペンギンであり、その生息域は赤道を挟みわずかに北半球にはみ出ている。
これらの中低緯度の繁殖地はいずれも、南極海周辺から寒流の流れて来る海域に面している。
形態[編集]
ペンギンは、現在では6属19種だが、化石から、かつてはもっと多くの種類が存在したことがわかっている。属や種を特徴付けるのは頭部周辺で、それぞれ特徴的な形態をしている。
現生ペンギンの最小種はコガタペンギン(リトルペンギン、フェアリーペンギン、Eudyptula minor)で体長は約40cmである。
現生最大種はコウテイペンギン (Aptenodytes forsteri) で、体長100-130 cmに達する。ただし、絶滅種のジャイアントペンギン (Pachydyptes ponderosus) や、ノルデンショルトジャイアントペンギン (Anthropornis nordenskjoeldi) はコウテイペンギンよりも更に大型である。
多くの鳥類は陸上では、胴体を前後に倒し首を起こす姿勢をとるが、ペンギン類は胴体を垂直に立てる。鳥類の多くが飛翔に使う翼は特殊化し、ひれ状の「フリッパー」と化していて飛翔能力を失い水中の遊泳にのみ使われる。首が短く、他の鳥類とは一線を画す独特の体型をしている。
世間一般では「脚が短い」と思われているが、実際には体内の皮下脂肪の内側で脚を屈折している。関節はこの状態のまま固定されているので、脚を伸ばすことはできない。体外から出ているのは足首から下の部分だけである。成鳥ではほとんど脂肪に隠されており表面上見えないが、生後まもなくの脂肪の少ないペンギンではその骨格がはっきりと見てとれる。
生態[編集]
陸上ではフリッパーをばたつかせながら歩く姿がよく知られているが、氷上や砂浜などでは腹ばいになって滑る。これをトボガンという[3]。
海中では翼を羽ばたかせて泳ぐ。ペンギン類で最も速いジェンツーペンギンの水中速度は最大36 km/hに達する。イルカのように海面でジャンプすることもあり、水中から陸上に戻るときにはいったん深く潜り、勢いを付けて飛びあがる。独特の体型は泳ぐことに特化しており、海中を自在に泳ぎ回る様はしばしば「水中を飛ぶ」と形容される。
繁殖[編集]
陸上で繁殖する。卵は1個〜3個を産み、オスとメスで抱卵をする。またコウテイペンギンのように、ある程度成長したヒナ同士で集まり「クレイシュ」(crèche。フランス語で託児所の意。クレイシとも)を形成するものがある。また、羽毛が抜け替わる換羽期には海に入らず、絶食状態で陸上にとどまる種もいる。
ほとんどのペンギンは他の鳥類と同様に春から夏にかけて繁殖するが、最大種のコウテイペンギンは、-60℃に達する冬の南極大陸で繁殖する。そのため、世界で最も過酷な子育てをする鳥と言われる。
系統と分類[編集]
系統樹[編集]
系統樹の目間は Hackett et al. (2008)[4]、目(科)内は Baker et al. (2006)[5]より。
water birds |
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ペンギン目は海鳥・渉禽類(の一部)からなるクレード water birds の一員である。姉妹群は外洋性の海鳥のミズナギドリ目である。
ペンギン目は現生科に関しては単型である、つまり、ペンギン科のみが属す。
現生属と種[編集]
従来は1種とされてきたイワトビペンギン Eudyptes chrysocome sensu lato の3亜種は、遺伝子の比較により別種と判明した[7][6]。
従来は種または亜種とみなされてきたハネジロペンギン Eudyptula albosignata は、コガタペンギン Eudyptula minor に含められ、さらにコガタペンギンの他の亜種と共に、亜種の地位も否定された[8][6]。
かつてはロイヤルペンギンとマカロニペンギン、ハシブトペンギンとキマユペンギンを同種とする説もあったが、遺伝的差異は別種に相当する[5]。
- Aptenodytes コウテイペンギン属
- Aptenodytes patagonicus, King Penguin, キングペンギン
- Aptenodytes forsteri, Emperor Penguin, コウテイペンギン
- Pygoscelis アデリーペンギン属
- Pygoscelis papua, Gentoo Penguin, ジェンツーペンギン
- Pygoscelis adeliae, Adelie Penguin, アデリーペンギン
- Pygoscelis antarctica, Chinstrap Penguin, ヒゲペンギン
- Eudyptes マカロニペンギン属
- Eudyptes pachyrhynchus, Fiordland Penguin, キマユペンギン(フィヨルドランドペンギン)
- Eudyptes robustus, Snares Penguin, ハシブトペンギン(スネアーズペンギン)
- Eudyptes sclateri, Erect-crested Penguin, シュレーターペンギン(マユダチペンギン)
- Eudyptes chrysocome, Western Rockhopper Penguin, ニシイワトビペンギン(ミナミイワトビペンギン)
- Eudyptes filholi, Eastern Rockhopper Penguin, ヒガシイワトビペンギン
- Eudyptes moseleyi, Northern Rockhopper Penguin, キタイワトビペンギン
- Eudyptes moseleyi, Macaroni Penguin, マカロニペンギン
- Eudyptes schlegeli, Royal Penguin, ロイヤルペンギン
- Megadyptes属
- Megadyptes antipodes, Yellow-eyed Penguin, キンメペンギン(キガシラペンギン)
- Eudyptula コガタペンギン属
- Eudyptula minor, Little Penguin, コガタペンギン(リトルペンギン、フェアリーペンギン)
- Spheniscus フンボルトペンギン属
- Spheniscus demersus, African Penguin, ケープペンギン
- Spheniscus magellanicus, Magellanic Penguin, マゼランペンギン
- Spheniscus humboldti, Humboldt Penguin, フンボルトペンギン
- Spheniscus mendiculus, Galapagos Penguin, ガラパゴスペンギン
分類史[編集]
歴史上のペンギン分類には大きく分けて、いずれかの海鳥の仲間だとする説と、他に類縁のない独特のグループだとする説とがあった。
Nitzsch (1840) はペンギンを、アビ類・カイツブリ類・ウミスズメ類と共に Pygopodes に分類した。ほぼ同じグループを Garrod (1873; 1874) は Anseres、Reichenow (1882) は Urinatores と呼んだ。
Gray (1849) はやや異なり、海鳥・水鳥の大半を含む Anseres に含めた。
それらに対し、Huxley (1867) はペンギンを、他の海鳥から分離し Spheniscomorphae とした。Sclater (1880) は、独立したペンギン目 Impennes とした。Stejneger (1885) は、独立したペンギン上目 Impennes とした。Menzbier (1887) は、鳥類を4グループに分けたうちの1つ Eupodornithes をペンギンに当て、ペンギンは爬虫類の祖先の段階で他の鳥類とは分かれていたと示唆した。
Furbringer (1888); Gadow (1893); Pycraft (1898); Boas (1933) などは、(現在知られているとおり)ペンギンはミズナギドリ目に最も近いとした。それ以降は、ペンギンは目をなし、ミズナギドリ目に近縁だとする説が主流となった。ただし、独立したグループを形成するという説も後々まで残った。
Verheyen (1961) はペンギン目を、ミズナギドリ目・ウミスズメ目(ペリカン科・ウミスズメ科・アビ科)と共に Hygrornithes 上目に分類した[9]。
Bock (1982) はペンギン目を、新顎上目・古顎上目に並ぶ第3の上目であるペンギン上目 Impennes に分類した。
Sibley & Ahlquist (1990) はペンギン目を廃し、現在の water birds 全体を拡大したコウノトリ目に含めた。ペンギン科はグンカンドリ科・アビ科・ミズナギドリ科(現在のミズナギドリ目)と共にミズナギドリ上科に含めた。
化石群[編集]
Clarke et al. (2003) はペンギン科とペンギン目を系統的に再定義し、ペンギン科は現生ペンギンの最も新しい共通祖先の子孫、ペンギン目はペンギンの祖先が飛翔能力を失ってからの子孫とした。
さらに彼らは、ペンギンの祖先が他の現生鳥類から枝分かれして以降の子孫として Pansphenisciformes も定義した。ただし、化石が発見されている最古のペンギンもすでに飛翔能力を失っており、Pansphenisciformes とペンギン目は現状では同じである。
ペンギン科(Clarke et al. の意味での)に含まれる化石属は発見されておらず、ペンギン科には現生属のみが含まれる[10]。ただし、フンボルトペンギン属 Spheniscus の化石種2種 S. megaramphus と S. urbinai がペンギン科に含まれる。
ペンギンの絶滅属については、以下の系統が求まっている[10][11](属分類と矛盾する部分は簡略化している)。ただし遺伝子による系統に比べれば分岐は不確実である。
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Simpson (1946) は化石ペンギンを4亜科、現生ペンギンをペンギン亜科 Spheniscinae、計5亜科に分類していた。
- パレオスフェニス亜科 Palaeospheniscinae - パレオスフェニスクス Palaeospheniscus
- パラプテノイディテス亜科 Paraptenodytinae - パラプテノディテス Paraptenodytes, アルスロディテス Arthrodytes
- パレユーディプテス亜科 Palaeeudyptinae - パレユーディプテス Palaeeudyptes
- アンスロポルニス亜科 Anthropornithinae - アンスロポルニス Anthropornis, デルフィノルニス Delphinornis, ジャイアントペンギン Pachydyptes
その後 Marples (1952) はアンスロポルニス亜科をパレユーディプテス亜科に統合した。しかし系統解析では、Simpson や Marples の枠組みは否定されている。
ペンギンと人との関係史[編集]
編集者の方へ:この段落は乱雑であり、内容整理が必要です。 |
発見[編集]
ペンギンの西洋世界での認知は、温帯産ペンギンについては大航海時代に始まる。亜南極産は18世紀以降、南極産は19世紀以降のようである。日本では江戸時代後期に蘭書で知られたが、その認知は一部の蘭学者にとどまった。一般への認知は明治後期の日本人の南極探検にはじまる。
捕獲と利用[編集]
過去、脂肪から摂れる油や、肉を採取するためにペンギンを捕獲していた時代があった。20世紀には捕獲も限られたものとなり、現在では資源目的の捕獲対象とはなっていない。
生存への圧迫[編集]
ゴミの投棄や船の事故による石油流出など、様々な海洋汚染がペンギンの脅威となっている。特に喜望峰周辺海域やパタゴニアなど、重要な航路に面した海域や油田地帯に接した海域にこの傾向が強い。
さらに近年の生息域の温暖化により、餌のオキアミの繁殖域となる海上の氷の激減、洪水による巣の浸水などで、生息数が減っている種もある。
飼育[編集]
特に日本は、かつて捕鯨船団が各種ペンギンを捕獲して連れ帰り、元来より漁業が盛んであるため餌となる魚類が容易に手に入るので飼育し易く、現在でも静岡県や高知県の漁港近辺では、私的なペットとして飼われている例、野生化した例が見られる。
動物園・水族館での繁殖技術が進んだこともあり、現在世界で飼われているペンギンの1/4が日本にいると言われる程になっている。日中国交正常化に際しジャイアントパンダが中国より送られてきた返礼として、ニホンカモシカとともにケープペンギンが日本から中国に送られた。これは前述のように、日本では当時既にペンギンの飼育体系が確立していたが、当時の中国は飼育事例がなかったためである。
南極・亜南極のペンギンの飼育には低温にする設備が必要だが、フンボルトペンギン・マゼランペンギン・ケープペンギンなどの温帯ペンギンは、氷雪を好まず屋外飼育が可能であり、イギリスのエジンバラ動物園、日本でも掛川花鳥園などで冬季はストーブにあたる風景が見られる。日本では1989年に設立された葛西臨海水族園のペンギンの飼育施設がフンボルトペンギンの生息地の岩山を再現したものであり、以後の温帯ペンギンの飼育施設はそれを踏襲しているが、それまでは戦前の阪神パークで確立された南極の氷山をモチーフにした白塗りのコンクリートの小山をバックとすることが多かった。
ペンギンと文化[編集]
民俗・俗信[編集]
南半球(特に温帯・寒帯)に住む動物であるペンギンについて、北半球のヨーロッパや東アジアでは近世以前には知られていなかった。日本の場合、幕末期に蘭書で知られたが、蘭学者の一部しか知り得なかった。そのため、ペンギンについて、ニワトリ・ハトのような家禽や、ツバメ・カラス・スズメなど身近な野鳥、あるいはハクチョウのような気高い野鳥のような俗信などはなく、紋章などにも用いられなかった。
北半球でのペンギン文化は20世紀以降のもので、前述の動物園・水族館飼育や、後述するキャラクターによって作られたところが大きい。
ペンギンのキャラクター[編集]
ペンギン型キャラクターは、古くは、背が黒色、腹が白色であることから、タキシードまたは燕尾服を着用した紳士になぞらえられることが多かった。特に日本では、時代の経緯とともに愛らしさが強調され、後には様々なキャラクターの発露がみられるようになった[要出典]。
また、これらのペンギン型キャラクターは、アデリーペンギンとコウテイペンギンがモデルになることが多い[要出典]。色は白黒の場合と青白の場合がある[要出典]。後者の配色は二色刷りの印刷物でペンギンの背の黒を青で印刷したことに始まり、後年フルカラーの映像・印刷になっても愛らしさ・さわやかさの表現として青で表している。
科学[編集]
有機化合物ペンギノンは、平面構造式がペンギンに似ていることから名づけられた。
同性愛の象徴[編集]
「動物の同性愛」も参照
2006年にアメリカで同性愛ペンギンの絵本 And Tango Makes Three が出版され、波紋を呼んだ。アメリカのニューヨーク市セントラルパーク動物園に実在した、オス同士のペンギンのカップルを題材にしている。
ペンギンに同性愛行動は存在する。2006年、ノルウェーのオスロ自然史博物館では、世界初の「生物の同性愛」がテーマの展示会が催され、同性愛自体が自然界でも珍しいことではないという事実が研究で確認されている。同性同士のペアのペンギンは、ドイツの動物園や日本の登別マリンパークニクスなどで存在が確認できる。
映像[編集]
2008年、イギリスの放送局であるBBCはエイプリルフールの話題にペンギンを用いた映像を制作発表。その映像[12]で愛らしいペンギンが空を飛ぶ様子をCGなどIT技術を援用して巧みに創り出した。
「ペンギン」の語源[編集]
ラテン語説[編集]
ラテン語の pinguis(肥満)によるという仮説。15世紀後半以降、大西洋を横断したスペインのタラ漁師が、北西大西洋のニューファンドランド島周辺に生息する飛べない潜水性の海鳥であるオオウミガラスをスペイン語で penguigo(太っちょ)と呼んだ。16世紀にこの語が英語に入って penguin となったとする。
時を同じくして、南半球を探検しペンギンを初めて見たヨーロッパ人は、オオウミガラスに良く似た形態・生態のこれらの海鳥を同じ「ペンギン」の名でよんだという。これらは特に区別せず「ペンギン」と総称され、混同されることも多かった。
ウェールズ語説[編集]
古代ウェールズ語の pen-guyn(白い頭)に由来し、オオウミガラス(頭部が白い)を指す語として12世紀ごろから使われていたという仮説。しかし、一次史料は現存せず、疑問視されることもある。
オオウミガラスの絶滅[編集]
語源的には「ペンギン」はオオウミガラスに由来した。しかし、オオウミガラスのみを指す時代が長く続いたわけではなく、オオウミガラスと(南の)ペンギンが「ペンギン」と呼ばれるようになったのはほとんど同時期である。
南半球の探検が進み、南のペンギンの研究・利用が増える一方、オオウミガラスは乱獲により17世紀ごろから激減し、18世紀には猟が商業的に成り立たなくなり、1844年には絶滅した。これにともない、「ペンギン」は南のペンギンを指すことが徐々に多くなり、ついには完全に南のペンギンのみを指すようになった。
出典[編集]
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- ^ en:Charles Lucien Bonaparte or en:José Bonaparte
- ^ なお、企鵝は本来は和名ではなくいわゆる漢語表記(中文・粤語、企鵝 / 企鹅)である。
- ^ 日本国環境省地球環境局. “トボガン”. 南極辞典. 2008年3月26日閲覧。
- ^ Hackett, S.J.; Kimball, R.T.; Reddy, S.; Bowie, R.C.K.; Braun, E.L.; Braun, M.J.; Chojnowski, J.L.; Cox, W.A. et al. (2008), “A Phylogenomic Study of Birds Reveals Their Evolutionary History”, Science 320 (5884): 1763–1768
- ^ a b Baker, A.J.; Pereira, S.L.; Haddrath, O.P.; Edge, K.-A. (2006), “Multiple gene evidence for expansion of extant penguins out of Antarctica due to global cooling”, Proc. Royal Soc. B 273: 11–17, http://www.rug.nl/biologie/onderzoek/onderzoekinstituten/cees/colloquia/pdf/bakeretal_2005_inpress.pdf
- ^ a b c Gill, F.; Donsker, D., eds. (2010), “Penguins, loons & petrels”, IOC World Bird Names, version 2.6, http://www.worldbirdnames.org/n-penguins.html
- ^ Banks, J.; Van Buren, A.; Cherel, Y.; Whitfield, J.B. (2006), “Genetic evidence for three species of rockhopper penguins, Eudyptes chrysocome”, Polar Biol. 30: 61–67, http://www.springerlink.com/index/Y2L31310KV2VL671.pdf
- ^ Peucker, A.J.; Dann, P.; Burridge, C.P. (2009), “Range-wide phylogeography of the Little Penguin (Eudyptula minor): evidence of long-distance dispersal”, Auk 126: 397–408, http://www.zoo.utas.edu.au/cb/pdfs/Peucker.pdf
- ^ Sibley, C.G.; Ahlquist, J.E. (1972), Order Sphenisciformes, “A Comparative Study of the Egg White Proteins of Non-Passerine Birds”, Peabody Museum of Natural History and Department of Biology, Yale University, Bulletin 39 (New Heaven, CT) - 1972年までの分類史は主にこの文献による
- ^ a b Ksepka, D.T.; Bertelli, S.; Giannini, N.P. (2006), “The phylogeny of the living and fossil Sphenisciformes (penguins)”, Cladistics 22: 412–441, http://www4.ncsu.edu/~dtksepka/DanKsepka/Publications_files/KsepkaBertelliGiannini2006.pdf
- ^ Ksepka, D.T.; Clarke, J.A. (2010), Bulletin of the American Museum of Natural History (337), http://www4.ncsu.edu/~dtksepka/DanKsepka/Publications_files/Ksepka%20and%20Clarke%202010%20Perudyptes.pdf
- ^ Youtube BBCチャンネル
参考文献[編集]
外部リンク[編集]
ウィキスピーシーズにペンギンに関する情報があります。 |
ウィキメディア・コモンズには、ペンギン目に関連するカテゴリがあります。 |
ウィキメディア・コモンズには、ペンギンに関連するメディアがあります。 |
- ペンギンの達人 - 総合的なペンギン解説。2007年に「やっぱりペンギンは飛んでいる!!」で書籍化。
- ジェンツーペンギン・ライブカメラ
- ガラパゴス諸島
- Encyclopedia Penguinnica 私家版ペンギン百科
- ガラパゴス諸島
- Penguins Mill
- The Penguin's Longing
- Webpinguin(ドイツ語サイト)
- ジェンツーペンギン・ライブカメラ
- 日本バイオロギング研究会
- Video of penguins
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ガラバゴス諸島
ガラパゴス諸島
座標: 南緯0度40分0秒 西経90度33分0秒 / 南緯0.66667度 西経90.55000度 / -0.66667; -90.55000
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ガラパゴス諸島の衛星写真
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英名 | Galapagos Islands | ||
仏名 | Iles Galapagos | ||
面積 | 7,665.14km² | ||
登録区分 | 自然遺産 | ||
登録基準 | (7),(8),(9),(10) | ||
登録年 | 1978年 | ||
拡張年 | 2001年 | ||
IUCN分類 | II | ||
備考 | 危機遺産登録(2007年-2010年) | ||
公式サイト | ユネスコ本部(英語) | ||
地図 | |||
使用方法・表示 |
ガラパゴス諸島(ガラパゴスしょとう、スペイン語: Islas Galápagos)は、東太平洋上の赤道下にあるエクアドル領の諸島。Islas Galápagos は「ゾウガメの島」という意味で、ガラパゴス諸島の名は、ゾウガメの甲羅が馬の鞍に似ていることからスペイン語で馬の鞍を意味する galápago からきている。正式名称はコロン諸島(スペイン語: Archipiélago de Colón)で「コロンブスの群島」を意味する[1]。行政面ではガラパゴス県にある。約2万3000人が居住し、主要言語はスペイン語。
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地理[編集]
エクアドル本土より西約900キロメートルにあり、大小多くの島と岩礁からなる。現在、ガラパゴスの123の島に名前が付いている。最も北のダーウィン島(英語版)と南のエスパニョラ島の間は220キロメートル離れている。最大のイサベラ島は面積4,588平方キロメートル、島内のウォルフ火山は海抜1,707メートルである[2]。
500-1000万年前の火山活動(ホットスポットの活動)で出来た諸島で、現在も火山活動が続いており[3]、2009年4月にフェルナンディナ島で噴火した。
ガラパゴス諸島の島々は、現在のフェルナンディナ島に位置するホットスポット (Galápagos hotspot) の火山活動によって代々形成されたと考えられている。ガラパゴス諸島一帯に位置するプレートの1つであるナスカプレートが年間数センチメートルずつ南東へ移動しているため[4]、形成された島々も南東に移動している。南東側から西に向かって順に新しい島になっており、現存する島ではエスパニョラ島が最も古く、今から300-500万年ほど前に誕生したとされている。西側の島ほど噴火活動が活発で、東に行くほど火山活動は小さい。古い島は島を構成する岩石が古く侵食が進んでおり、そのうち海に沈むと考えられている。
構成島[編集]
19の主な島と小さな島や岩礁からなる。
- サンタ・クルス島(西: Santa Cruz, インディファティガブル島、英: Indefatigable)
- バルトロメ島(西: Bartolomé, バーソロミュー島、英: Bartholomew) - サンチャゴ島の沖にある火山の小島。
- サンチャゴ島(西: Santiago, サン・サルバドル島、西: San Salvador, ジェームズ島、英: James)
- サン・クリストバル島(西: San Cristóbal, チャタム島、英: Chatham) - 本土のグアヤキルと結ぶ空港がある。
- サンタ・フェ島(西: Santa Fé, バーリントン島、英: Barrington)
- エスパニョラ島(西: Española, フッド島、英: Hood) - 諸島で最も南東に位置する一番古い島。フェルナンディア島のマグマ上昇地(ホットスポット)から250km離れている。火山活動により今から300-500万年ほど前に誕生したと言われている。
- フロレアナ島(西: Floreana, チャールズ島、英: Charles)
- イサベラ島(西: Isabela, アルベマール島、英: Albemarle) - 諸島で最も大きい島。諸島で唯一、島の北部を赤道が通過している。
- フェルナンディナ島(西: Fernandina, ナーボロウ島、英: Narborough) - 諸島の西端に位置し、最も火山活動が活発な島。
- トルトガ島(西: Tortuga)
- ピンタ島(西: Pinta, アビンドン島、英: Abingdon)
- マルチェナ島(西: Marchena, ビンドロー島、英: Bindloe)
- ヘノベサ島(西: Genovesa, タワー島、英: Tower)
- セイモア・ノルテ島(西: Seymour Norte, ノース・セイモア島、英: North Seymour)
- バルトラ島(西: Baltra, サウス・セイモア島、英: South Seymour) - 本土と結ぶ主要空港がある。
- ピンソン島(西: Pinzón, ダンカン島、英: Duncan)
- ラビダ島(西: Rábida, ジャーヴィス島、英: Jervis)
- ダーウィン島(西: Darwin, カルペッパー島、英: Culpepper) - ウォルフ島とともに他の島々から離れた北西端に位置する島。
- ウォルフ島(西: Wolf, ウェンマン島、英: Wenman)
他
- プラザ島 - サンタ・クルス島東端にある南北2つの小島。
など
歴史[編集]
この島々が人間に発見されたのは1535年であるとされる。スペイン人の司教フレイ・トマス・デ・ベルランガ(英語版)が、同国による侵略により得たインカ帝国内の領地へ伝道師として向かう航海の途中、偶然に発見した。ただしハイエルダールなどはそれ以前にインカ人などが訪れていたと論じ、実際に壺にあたる土器なども発掘している[5]。しかし少なくとも永続的に定住はしていなかったようで、上記発見の時には無人島であった[6]。
その後ガラパゴス諸島は、スペイン船の金などの積載物を狙う海賊の隠れ家として利用され、海賊の中には地図を作ったり、島を命名した者もいた。海賊は食料のヤギを島に放した。
大航海時代には捕鯨船によるゾウガメの捕食やヤギの繁殖が起こり、1832年にエクアドルが領有を宣言すると、次々と入植されていった。
やがて航空路や横断道路が建設されると欧米を中心に観光客が訪れるようになり、環境破壊も深刻になった。今ではダーウィン研究所や国立公園管理事務所の設置、世界遺産への登録、観光客に対するナチュラリストガイド制度などの厳重な自然保護対策を講じている。観光客は、足元を洗ってからでないと上陸させないほどの保護体制を取っているが、未だ存在する入植されたヤギや、近年のエルニーニョ現象など問題もある。
生態系[編集]
ガラパゴス諸島はいわゆる海洋島であり、大陸と陸続きになった歴史を持たない。そのような島では、在来の生物は飛来したか海を渡って漂着したものの子孫に限られる。また、多くの固有種が見られることが多い。ここの場合もそれが顕著で、大部分の生物は南アメリカ大陸に出自があるとされるが、非常に多くの固有種がある。またほ乳類と両生類を欠くなど、生物相にははっきりしたゆがみがあり、その代わりに生存する種群には適応放散が著しい。特にゾウガメがこの島の名の由来になったように、大型のは虫類が地上の動物相で大きな役割を果たしているのが目を引く。
また、このような経過から、特異な生物相を持つ島嶼のことを「○○のガラパゴス」と呼ぶことがある。日本では琉球列島や小笠原諸島がそう呼ばれるが、琉球列島はかつて大陸や日本列島と陸続きで、そこから侵入した生物相が元になっている点、海洋島へ漂着した生物を起源とするガラパゴスのそれとは性格が異なる。したがって、その意味では小笠原をこう呼ぶ方が理にかなっていると言える。
最近の調査ではウミイグアナとガラパゴスリクイグアナの共存関係が崩れだし、ウミイグアナとガラパゴスリクイグアナの交尾によって生まれた子供は、両方の遺伝子を持ち、ガラパゴスリクイグアナにはない鋭い爪が生えている。これをハイブリッドイグアナと呼ぶが、繁殖力はない。また前記にあるエルニーニョ現象の影響で、体長が25%も短いイグアナが発見され問題視されている。
よく知られた動物種[編集]
各大陸とは隔絶された独自の進化を遂げた固有種が多く存在する。天敵になるような大型の陸棲哺乳類が存在しない。
- ガラパゴスゾウガメ - 大型のリクガメ。甲羅がドーム型のものと鞍型のものに分けられる。島ごとに多くの亜種に分かれるがそれを独立種とする説もある。主に、果実・木の実などを食べる。
- ガラパゴスペンギン - 世界で3番目に小さく、唯一の熱帯性種であるペンギン。フンボルト海流から流れる魚類を餌にしているが、近年のエルニーニョ現象により餌が減り、個体数も減少した。
- ガラパゴスリクイグアナ - サンタ・フェ島(英語版)には別種サンタフェリクイグアナ Conolophus pallidus が生息しており[7]、その他の島には本種 Conolophus subcristatus が生息していたが、既に絶滅した島もある[8]。主にウチワサボテンを食べるが、移入されたヤギによって食料が奪われ、存続が危ぶまれている。
- ウミイグアナ - 海岸に生息し、海草などを食べる。
- ヨウガントカゲ - 各島に1種、全部で7種が生息する。
- ガラパゴスアシカ
- ガラパゴスオットセイ
その他の鳥類はガラパゴス諸島の野鳥一覧を参照。
ダーウィンの進化論とガラパゴス諸島[編集]
チャールズ・ダーウィンが測量船ビーグル号に乗船し進化論の着想を得ることになった航海で訪れたことは有名である。ダーウィンは航海の後半、1835年9月15日から10月20日まで滞在した。その間ビーグル号は初めて諸島の地理調査を精密に行った。当時の記録は、彼の『ビーグル号航海記』で読むことができる。英名チャタム、チャールズ、オーグマール、ジェームズなどの島々で観察した動物相は、南米での調査の経験とともに、進化論のヒントとなった。航海でもっとも印象に残ったことの一つとして、ガラパゴス諸島の動植物が南米のものによく似ていることを挙げている。そして諸島滞在時には気づいていなかったが、イギリスに帰国後、生物の種とは当時信じられていたように不変な物ではなく、変化しうるのではないかと考えるようになった。島には彼を記念した研究所「チャールズ・ダーウィン研究所」が1964年に開設され、現在でも、野生生物の保護・調査に当たっている。
世界遺産[編集]
1978年に世界遺産(自然遺産)として登録された。2001年には、ガラパゴス海洋保護区も含めた登録となった[9]。
登録基準[編集]
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準[1]からの翻訳、引用である)。
- (7) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
- (8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
- (9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
- (10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。
危機遺産への登録[編集]
1990年代以降の急速な観光地化、それにともなう人口の急増により、直接的な環境汚染や撹乱、外来生物の繁殖、横行する密漁など多くの問題が持ち上がっている。これらに対して有効な対策を講じられていないと判断され、2007年6月、危機遺産リストに登録された。
しかし、その後のエクアドル当局の取り組みが評価され、2010年の第34回世界遺産委員会で危機遺産リストから除去された[10]。
その他[編集]
ガラパゴス諸島の中のフロレアナ島(英語版)のポスト・オフィス湾には、無人の郵便局が存在する。郵便局とは名ばかりで木製のポストが置いてある簡素な郵便局であり、手紙を回収にくる郵便局員もいない。海賊船の時代が終わり捕鯨船の時代に入った18世紀末ごろ設置されたとされ[11]、船乗り達がこのビーチに樽を置いて郵便を投函しておくと、立ち寄った別の船が自国宛ての郵便があれば持ち帰って届けてくれた習慣に湾の名前は由来している[12]。今でも観光客が真似てこの郵便局に手紙を残し、残した数だけ自国宛ての手紙を探して持ち帰り、帰国した際に切手を貼って送る慣習になっている。
脚注[編集]
- ^ 新版 ガラパゴス諸島 (1983) 、12頁
- ^ 新版 ガラパゴス諸島 (1983) 、9頁
- ^ 新版 ガラパゴス諸島 (1983) 、132-134頁
- ^ ガラパゴス大百科 (1999) 、154頁
- ^ 新版 ガラパゴス諸島 (1983) 、14-17頁
- ^ 伊藤(1966),p.17-19
- ^ ガラパゴス博物学 (2001) 、24-25頁
- ^ ガラパゴス博物学 (2001) 、22頁
- ^ http://whc.unesco.org/en/decisions/2325
- ^ http://whc.unesco.org/en/news/636
- ^ 新版 ガラパゴス諸島 (1983) 、158-159頁
- ^ ガラパゴス博物学 (2001) 、199頁
参考文献[編集]
- 伊藤秀三 『新版 ガラパゴス諸島』 中央公論社〈中公新書〉、1983年。ISBN 4-12-100690-9。
- 藤原幸一 『ガラパゴス博物学』 データハウス、2001年。ISBN 4-88718-616-9。
- 水口博也 『ガラパゴス大百科』 TBSブリタニカ、1999年。ISBN 4-484-99300-7。
関連項目[編集]
- ガラパゴス諸島の野鳥一覧
- 世界遺産の一覧
- ロンサム・ジョージ - 推定85-100歳と推定されるガラパゴス諸島のピンタ島に生息するガラパゴスゾウガメの最後の生き残りであった。
- ソコトラ島 -「インド洋のガラパゴス」の異名をもつ島。とくに植物に独自の進化を遂げたものが多い。
- ガラパゴス化 - 俗語で、特定地域(おもに日本)内において工業製品などが世界標準からかけ離れた独自規格・独自仕様を発達させること。
外部リンク[編集]
- Parque Nacional Galápagos
- 日本ガラパゴスの会チャールズ・ダーウィン財団(研究所)日本窓口・ガラパゴスの保全支援
- 長崎大学付属図書館 ガラパゴス諸島画像データベース ダーウィン研究所落成式にも出席したガラパゴス植生研究の第一人者、伊藤秀三博士旧蔵のガラパゴス諸島写真コレクションをもとに構築
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